巡る季節
季節は春。
早いもので4月になっていた。
そして僕は中学3年生となった。
本当に時が過ぎていくのは早いものだ。
だけどこの中学3年は忙しい年になるだろう。
そう、中学3年ということは受験生という事でもある。
なので勉強…塾も今まで以上に行かないといけないのでアイコンチャットやタウンには今までのように多くは行けないだろう。
それでも何とか時間をうまく見つけて行きたいと思っている。
というわけで僕は時間を見つけて今日はアイコンチャットでみんなと会話をしていた。
奈々:私たちもついに受験生だよ~。。
くろあ:そうだね…。
きら☆:俺は勉強しなくても余裕だけどなw
もこ:それは駄目だよきら。。
疾風:受験生は大変そうだな。
ムロウ:俺も大変だったからな。今度はお前達が頑張れよw
りんご:まぁがんばろうw
雫:そうだね、勉強は嫌いだけど。
てる:同じく…
このチャットに居るメンバーの半分以上がほとんど同い年でその半分以上のメンバーが受験というものに苦労しているのであった。
4月になるとアイコンチャットにもだんだんと新しい人たちが増えてきていた。
相変わらず僕は新しい人たちと仲良くなるまでには少し時間がかかるがそれでもなんとか仲良くできていると思う。
ちなみにこの中に居る「りんご」という人物は珍しく同じ出身地である。
くろあ:ところで皆は受験する高校とかもう決まってるの?
奈々:決まってるよ~。今の状態じゃあ難しいかもしれないけどw
きら☆:俺はもこたんと一緒のところ行くぜ!
もこ:出身地が違うから無理でしょw
りんご:ん~一応決まってるよw
雫:私は一応大丈夫だろうって先生に言われたw
てる:俺もなんとなくは決まってる・・・
皆決まってるのか。僕はまだはっきりと決まってないんだよな。
自分がなにをしたいのか。なにを勉強したいのかがはっきりわからないんだよな。
ムロウ:くろあは決まってるのか?
くろあ:いや、まだ決まってない。。
りんご:くろあ早く決めないとw私と一緒のところ行く?w
くろあ:りんごは確か前女子高とか言ってただろうw
りんご:ちっ、ばれたかww
奈々:でも、早く決めたほうがいいよくろあw
くろあ:先生にも言われてるから今月中には決めておくよ。。
この前の3者面談の時にも先生にも早く決めとくようにと言われた。
成績はそこまでいい方じゃないしスポーツもよくできるというわけでもないし芸術的センスもあるってわけでもない。
商業、工業系の学校よりは普通科の学校がいいんだろうけど普通科だけでも高校は大量にあるからそこを考えないといけない。
こんな感じで4月というより春は高校を決めるのに迷ってしまう季節となった。
そして早くも夏。
梅雨入りもしてそしてなんと言っても今年は暑かった。
そんな中毎日塾へ行っててタウンやアイコンチャットをする時間は本当に少ししかなかった。
今日は時間を見つけてタウンで会話をしていた
くろあ:行きたい高校決まったのはいいけど勉強がだるい…。
タモリ:俺も…。タウンに来る時間も減ってきたし。
いちご:あはは、ふたりとも大変だねw私もだけど。。
りょっち:受験生は忙しいのは当たり前ですよ。
ファイナルアサシン:俺も中3になったらこうなるのか。だいぶ先だけどw
めぐ:私も1年後には受験かぁ。。
相変わらず、今回も受験の話。
それだけ勉強で疲れてるってことなのかもしれない。
くろあ:やめよう、受験の話してると頭痛くなってくる。。
タモリ:同じく。明るい話題にしようw
りょっち:そうですね!
この後も僕たちは話題を変えて話していたがなぜかふと話題は自然に勉強関係のほうに変わっていくのだった。
まぁこれだけ同じ年齢でしかも受験生が集まってればしょうがないか。
でも勉強もちゃんとしていかないといけない。
受験の日、前期試験日は1月。それまでがんばらないとな。
夏休みは毎日塾、そして勉強の繰り返しで夏休みは終わってしまい夏はあっさりと終わってしまった。
そして秋。
受験の日まで段々と近づいてきていた。
奈々:受験までもう少しだよ~
くろあ:あぁそうだね。。
きら☆:もうどうなってもいいさw
もこ:それは駄目だと思うけど…。
りんご:でもやっぱり自分が行きたい高校には受かりたいよねw
奈々:うんうんw
もこ:皆が笑顔で合格することができたらいいねw
きら☆:おっ!もこたん良いこと言うなw
奈々:それに最近はみんな勉強とかで忙しいけどさまた皆でチャット楽しくしたいね~。勉強のこととか忘れちゃってw
くろあ:うん、だからそれまでがんばろう!
きら☆:よっしゃー!もこたんのためにやってやるぜぇ!!
もこ:きらは放っておいてがんばろう!
りんご:よーし、やるぞー!
奈々:合格してみせるよ~w
アイコンチャットのおかげで僕たちは改めて気合を入れることができた。
だから絶対に合格しなければならない。
僕はそう思うのであった。
冬が来てついに受験の日がやってきた。
前期選抜。僕の学校は数学、国語、英語の試験と面接だ。
今まで勉強に面接の練習嫌というぐらいやってきたので今までのやってきた全てのものを出し切れば絶対にいけるはずだ。
それにしてもまさかここまで緊張するとは思わなかった。
昨日アイコンチャットメンバーやタウンのメンバーに応援してもらったときは安心しきっていたのに受験会場の学校に来ると緊張が半端ない。
だけどここで落ちるわけにはいかない。
応援してくれている両親、おばあちゃんやおじいちゃん、学校の友達、先生、それにアイコンチャットのメンバーとタウンのメンバーのためにも。
この前期選抜で合格してみせる。
俺はその気持ちを胸に抱きながら受験に挑んだ。
こうして長い受験の日は始まった。
そして前期選抜は終わった。
終わったら肩の荷が下りた。初めての受験、こんなに疲れるとはな。
前期選抜が終わった後1週間は僕は勉強もせずにだらだらと過ごしていた。
まるで今まで勉強を毎日していたのが嘘のようだ…
だがだらだらと過ごしていると1週間経つのは早いもので合格発表の日となっていた。
相変わらず僕は受験した高校へ来ると緊張をしていた。
合格発表の紙が張り出されているところへ来るとそこにはたくさんの人だかりができていた。
その中には合格しただろうと思われる人が友達などと喜びを分かち合っている人や電話をしている人、また落ちたのかはわからないけど明らかに暗くなっている人や下を向いて泣いている人などがいた。
僕はそんな人たちを見ながらも合格発表の紙の前までに来た。
緊張しならも僕は自分の番号を一生懸命に探した。
どんな結果になろうともそれを受け止めなければならない。
結果は…
合格だった。
自分の番号を見た時僕は全ての力が抜けていった。
この後僕は近くの公衆電話で親に電話をした。
どうやら親は泣いていたようだ。
本当に期待にこたえられてよかった。勉強もがんばってきてよかった。
そして夜。僕はチャットとタウン両方に行って今日合格したことを皆に伝えた。
奈々:くろあおめでとーーー!!w
疾風:やるじゃないかくろあww
きら☆:ふんっ!うまくいったのはほめるが調子にのるなよw
もこ:妬まないの、きらw
ムロウ:よくやったなw
くろあ:皆ありがとうw
奈々:でもやっと終わったんだね。これで勉強もしなくてすむし、ゆっくりできるねw
くろあ:あぁそうだね。後は卒業式を待つだけよ。
きら☆:俺は受験が明後日だというのに…。
もこ:勉強してなよw
くろあ:それよりりんごは今日来てないの?あいつも確か合格発表今日のはずだけど。
奈々:う~ん、まだ見てないね。。どうしたんだろう?
きら☆:まさか落ちたとか!?
もこ:こーら、縁起悪いこと言わないの!
ムロウ:もしかしたらその可能性もあるが友達とかと合格したからって騒いでるんじゃないのか?
くろあ:そうかもしれないねw
奈々:でもくろあもお疲れさまwこれからはチャット前どおり今までできるねw
くろあ:うん、やっとねw
りんごが気になるけどなんかこうやってチャットでのんびりするのは久しぶりのように感じた。
そしてそれはタウンでも一緒だった。
タモリ:いや~まさか俺も受かるとは思わなかったw
くろあ:お互いがんばった価値があったね。
めぐ:おふたりとも合格おめでとうございますw
陸戦型:くろあの裏切り者…。
くろあ:いや、なんか悪い。でも後期があるから頑張れよ!
タモリ:そういえばサナトスも落ちたって言ってたな~。
りょっち:受かる人も多く居れば落ちる人も居るってことですねw
いちご:私たちは今日前期試験だったよw合格発表の日が待ち遠しい。。
くろあ:合格したらまた皆でタウンで騒ごうよw
この受験でタウンに居る僕のリア友タモリは合格し、陸戦型は落ちていた。それにサナトスも。
まぁなんにしてもこれで僕の受験地獄は終わった。
あとは卒業式。それだけだ。
そして冬が終わりまた春が来た。
3月15日中学卒業式。
今日で僕は中学を卒業する。
友達と馬鹿やって遊んだりあまりいい成績を出せなかったけど部活もがんばった。
勉強はただ疲れただけだったけど…。
でもそれでも充実した3年間だったと思う。
友達全員とは違う学校へ行くことになってしまったけど、これからも友達とは交流を持っていきたいと思う。
それはアイコンチャットとタウンでも同じことで皆ともこの先仲良くしていきたい。
本当に長いようで短かった3年間…
僕たちは今日中学を卒業した。