「好きだよ」
「ねえ灯、空を見上げて、目を閉じてみて」
「え?」
突然言われたことに驚きつつ私は従う。
「こうするとね、昼には見えないはずの星が心の中で照らしてくれるんだよ」
「…っ!」
「灯、これはね、昔灯が俺に教えてくれたんだよ」
確かに私は昔、この公園で誰かにこれを言った。
その人が湊人だったなんて。
「俺さ、あのとき、今の灯みたいにいなくなりたいって思ってたんだ。けど灯の言葉で俺は救われた。その後もずっと。俺がどんなに孤独で辛くても灯は見てくれてるって思って」
私は目を閉じたまま静かに聞く。
「だから、辛くなったら思い出してよ。俺が助けてくれるようにお願いしとくから」
閉じた目から流れた涙を湊人が優しく拭った。
私は目を開けて湊人の方を向いた。
「ありがとう」
すると湊人は言いづらそうに、けど少し顔を赤らめて言った。
「それに、俺には灯が必要だから。前に言われた言葉もそうだけど、それだけじゃなくて、その…灯のことが好きだから。だからいなくならないで」
私は驚いた。
自然に頰が緩む。
「私も…好きだよ、湊人くん」
湊人も微笑んで私を抱きしめた。
今度は愛おしそうに、優しかった。




