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56 フランツの手記より

留学最終話:フランツの手記より


あらまぁ、気づけば王国の殿下方も侯国でのお勤めが終わりに近づいておりましたぁ。

あの大騒ぎの戦争と救出劇のあと、再会の感動もほどほどに、皆さまはすぐに仕事に戻られましたの。


エドワード殿下とアウレリウス様は、法務庁舎で毎日こつこつと事務をこなしながら、王国に持ち帰る法改正の草案までまとめてしまわれました。第三者監察院の中継点の設置も、侯国の協力でいくつも確保できましてぇ……まぁ、あのバルタザール様にベタ褒めされるなんて、わたくし初めて見ましたよぉ。エドワード殿下なんて「え、えぇ……?」と目を白黒させていらっしゃいましたし。


留学の最終日には、旧ローゼンタール邸で盛大な送別会が開かれましたの。

マルタは泣きながら料理を盛り、オットーは笑いながら酒を注ぎ、クラウスは黙って殿下方のグラスにワインを満たし続ける……かと思いきや、最後には涙をぬぐっておりましたっけ。


竜騎兵団のジークリート殿やエミール殿も駆けつけて、殿下方の門出を祝ってくださったのです。いやはや、あの夜ばかりは侯国の人々の陽気さが心に沁みましたわぁ。


そして翌朝──エドワード殿下とアウレリウス様、クレメンス様を乗せた馬車は王国へ。

クラウスは深々とお辞儀をし、マルタは手を振り続け、オットーはなぜか最後まで歌っておりました。


殿下方は窓から侯国の景色を見納め、やがて王国の宮殿が視界に入ると、ようやく帰ってきたのだと実感されたようです。


こうして、怒涛の留学生活は幕を閉じたのでございますぅ。

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