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異世界転生×ユニークスキル 超学校で無双する!?  作者: 月神世一


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ep 7

オーク襲来!初陣と、虎戦士の咆哮

カン!カン!カン!と鳴り響いていた警鐘が止み、代わりに地鳴りのようなオークたちの雄叫びと、重い足音がターナ村に迫ってきた。村の入り口に築かれた簡素な木の柵の向こうに、緑色の醜悪な影がいくつも揺らめき、その数を増していく。豚のような鼻面、突き出た牙、濁った目に凶暴な光を宿し、手には錆びた棍棒や石斧を握りしめている。その数、およそ十体。

「来たぞ!各自、配置につけ!女子供は家の中に!」ナージ村長の檄が飛ぶ。

村の男たちが、弓や手持ちのクロスボウを構え、柵の隙間や物陰からオークたちを迎え撃つ。ヒュン!ヒュン!と風切り音が響き、矢やボルトがオークの分厚い皮膚に突き立つが、致命傷には至らないものが多い。オークたちは痛みにも怯まず、鬨の声を上げながら突進してくる。

ユウジもまた、アヤナの隣でサーベルから借りたクロスボウを必死に構えていた。心臓は今にも口から飛び出しそうだ。狙いを定め、引き金を引く。放たれたボルトは、しかし、オークのはるか手前の地面に虚しく突き刺さった。

「くそっ、全然当たらない…!」

焦りと恐怖で手が震える。何度か撃ってみるものの、訓練通りにはいかない。

「ユウジ、落ち着いて!引き金を引く瞬間に力が入りすぎよ!」隣でアヤナが冷静に弓を引き絞り、放った矢がオークの肩を正確に射抜く。しかし、オークは怯むことなく前進を続ける。

「おらおらおらぁっ!邪魔だ、豚どもがぁっ!」

痺れを切らしたように、サーベルが雄叫びを上げながら柵を飛び越え、オークの群れに単身突撃した。背中の両手斧が夕日を浴びて鈍色の光を放つ。虎の如き俊敏さでオークの懐に飛び込むと、一閃。重い斧が風を切り、一体のオークの胴体を深々と断ち割った。

「グギィッ!?」

断末魔の悲鳴と共にオークが倒れる。サーベルは返す刀で別のオークの棍棒を弾き飛ばし、強烈な蹴りを腹に叩き込む。

アヤナもまた、弓で後方からサーベルを援護しつつ、柵に近づいてきたオークには腰の両手ナイフを抜き放ち、舞うように斬りかかった。しなやかな動きでオークの攻撃をかわし、的確に急所を切り裂いていく。その姿は、普段の穏やかな彼女からは想像もつかないほど勇猛果敢だった。

だが、オークの数はまだ多い。サーベルとアヤナが数体仕留めたものの、残りのオークが散開し、一部が村の柵の弱い部分を破壊してなだれ込んできた。

その一体が、アヤナに狙いを定めて突進してきた。アヤナは別のオークを仕留めた直後で、体勢が崩れている。

「アヤナ、危ない!」

ユウジは叫んだ。クロスボウを構える余裕はない。何か、何かアヤナを守れるものを…!

(そうだ、スキル「超学校」!何か、何か使えるものが…!)

咄嗟に頭に浮かんだのは、小学校の校庭の片隅にあった、あの遊具だった。

「【超学校】!【小学校】カテゴリ…【体育用具】…これだ、『鉄棒』!!」

ユウジが念じると同時に、アヤナと突進してくるオークの間に、地面から突き出すようにして金属製の太い鉄棒が数本、バリケードのように出現した!それはまさしく、小学校の校庭にあるような、少し錆びた銀色の鉄棒だった。

「グモッ!?」

猛然と突進してきたオークは、予期せぬ障害物に気づくのが遅れ、その太い脚を鉄棒に強かに打ち付け、派手に転倒した。

「今だ!」

好機を逃さず、ユウジは転倒して身動きが取れなくなったオークの頭部にクロスボウの狙いを定め、引き金を引いた。今度は吸い込まれるように、ボルトがオークの眉間に深々と突き刺さる。

「グ…ギ…」

オークは短い呻き声を上げ、巨体を震わせた後、ぴくりとも動かなくなった。

「…やった…のか?」

初めて自分の手でモンスターを仕留めたという事実に、ユウジは呆然と立ち尽くす。

「ナイスだ、ユウジ!よくやったぞ!」

背後からサーベルの賞賛の声が飛んだ。彼は一瞬で状況を把握し、ニカッと笑いかける。

「よし!こいつらも一気に片付けるぜ!見てな、ユウジ、アヤナ!これが俺の…いや、虎の一撃だ!」

サーベルは両手斧を天に掲げ、全身から淡いオレンジ色のオーラ――闘気を立ち昇らせる。その闘気は斧身に集束し、まるで燃え盛る炎のように揺らめいた。

「喰らいやがれ!俺流奥義――【虎牙旋風】(こがせんぷう)!!」

気合と共に、サーベルは巨大な両手斧をコマのように高速回転させながら、残りのオークの群れに突っ込んでいく。旋風と化した斧は、触れるもの全てを薙ぎ払い、オークたちは悲鳴を上げる間もなく斬り刻まれ、肉片となって飛び散った。

数瞬後、オークの断末魔が途絶え、広場には荒い息遣いと、血と土埃の匂いだけが残った。

その時、ユウジの頭の中に再びあの無機質な声が響いた。

《女神システムより通達。ターナ村防衛戦への貢献を確認。初回防衛ボーナスにより、スキルポイントを100ポイント加算します》

「…勝った…のか」

村人たちが、恐る恐る家から顔を出し、やがてわあっという歓声を上げた。誰もが互いの無事を喜び、勇戦を称え合っている。

「ユウジ!」

アヤナが、血糊と土埃にまみれた顔で、それでも満面の笑みを浮かべてユウジに駆け寄ってきた。そして、勢いよく彼に抱きついた。

「やったわね、ユウジ!あなたのおかげよ!ありがとう、本当にありがとう!」

柔らかい感触と、汗と土の匂い、そしてアヤナの温もりに、ユウジの顔はカッと赤くなる。

「うわっ、あ、アヤナ…く、苦しいって…!」

アヤナはユウジの言葉も聞こえないかのように、喜びのあまり彼をぎゅうぎゅうと抱きしめ続ける。ユウジはアヤナの豊かな胸に顔をうずめる形になりながらも、初めての勝利と、何よりもアヤナが無事だったことへの安堵感で、ぐちゃぐちゃにされながらも満面の笑みを浮かべていた。

サーベルが血振りをしながら近づいてきて、その様子をニヤニヤと眺めている。

「ハッハッハ!こりゃあ、オークより先にユウジが潰れちまうな!」

ターナ村に、久しぶりの、そして格別の勝利の喜びが満ち溢れていた。

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