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ー37ー

ブックマークをくれた方ありがとうございます。短いですがお納めください。



沈黙が、地下の会合室に満ちている。


外界の喧騒とは切り離されたこの空間は、帝都の裏側そのものだった。


「中央の取り締まりがキツくなって、正直、肩身が狭いんだけどさ、ドレーク。」


最初に口を開いたロビンは、椅子に深く腰掛けたまま、天井を仰ぐ。


軽い調子の言葉とは裏腹に、声には苛立ちが混じっていた。


「ロビン、テメェは散々稼いだだろうが。今さら何を文句言ってやがる。」


ディーヴィは足を組み、肘を膝に乗せて前傾姿勢になる。


その目は獲物を睨む狼のように鋭い。


「はあ? それ、本気で言ってる?ドレークが一度派手にヘマをやらかしたツケが、全部こっちに回ってきてるって理解してる?」


ロビンの声が一段低くなる。


「俺が一度失敗したくらいでチマチマ言いやがって。

何度お前の尻拭いをしてきたと思ってるんだ。」


空気が張り詰める。


その間に、カルミネがくすりと笑い、軽く手を打った。


「まぁまぁ。内輪揉めはご法度よ。そこら辺でやめときなさいな。」


艶のある声が場を和らげるが、完全には緊張を解けない。


「そうそう。」


シークが眼鏡の位置を直しながら、淡々と口を挟む。


その時、今まで沈黙を保っていたヴァンパが、ゆっくりと顔を上げた。


「……ロビン、すまない。」


低く、重い声だった。


「今回の件は、私の責任だ。ドレークにも無茶を言った。」


ディーヴィは鼻で笑う。


「いいや。ヘマをやらかしたのは事実だ。」


だが、その言葉とは裏腹に、室内の空気はさらに沈んでいく。


ロビンは一瞬だけ視線を落とし、深く息を吐いた。


「……分かってるよ。だからこそ、次は同じ失敗を許容できないって話だろ。」


カルミネが再び手を叩く。


「ほら、ちゃんと話せば分かるじゃない。それで? 次はどうするの、ヴァンパ?」


全員の視線が、一斉に彼へと集まる。

ヴァンパは包帯の巻かれた頭に手を添え、静かに告げた。


「私たちの計画に、不穏分子は残せない。」


淡々とした声。

だが、その一言には、冷たい決意が宿っていた。


「カルミネ。引き続き、元老院の老害どもを丁重にもてなせ。連中には、自分たちがまだ支配者だと思わせておく必要がある。」


カルミネは妖艶に微笑み、唇を舐める。


「ええ、任せて。骨抜きにするのは得意分野だもの。」


「ドレーク。」


ヴァンパの視線が、鋭くディーヴィを射抜く。


「例の奴隷を探せ。見つけ次第、殺せ。」


「私の傷が癒え次第、計画を次段に進めよう。」


その言葉は、宣言だった。


ディーヴィの口元が、獣のように歪む。


「……了解だ。」


ロビンの瞳には、すでに計算の光が浮かんでいる。


「了ー解。ウチの子達も張り切ってるよ。」


カルミネは楽しげに肩を揺らし、笑みを深める。


「ふふ……素敵。ようやく、本番ってわけね。」


シークは小さく息を吐き、眼鏡の奥で目を細めた。


「……楽しみだねぇ。」


ヴァンパは再び黙り込み、蒼黒の炎の残滓が、かすかに彼の周囲を揺らした。


帝都は、まだ気づいていない。


自分たちの足元で、すでに崩壊の準備が整えられていることを。






読んで下さりありがとうございます。


面白かった、続きを読みたいと思ってくださった方、是非フォロー、ブックマークをお願いします。


作者の決意の火に燃料が投下されます。


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