僕の天使 カーライル
僕には可愛い可愛い妹がいる。正に天使だ。本当に可愛い。
元々病弱だったが、一年前風邪を拗らせて肺の病いを患った。高熱が続き、殆ど食べれず飲めずの日々が続いた。
すっかり痩せ細ってしまい、ついに青白い顔でぐったりしているソフィアを見たとき、もう死んでしまうのではないかと思った。
でも、神さまが妹を助けて下さったのだ。ソフィアは少しずつ回復していき、以前よりよく食べよく動くようになった。
以前は一日中室内で侍女たちと過ごしていたが、外で遊ぶようになった。食が細く好き嫌いの多かったソフィアが、なんでも食べるようになった。僕もソフィアに負けないように、苦手な食べ物も残さず食べるようにしている。
身体が丈夫になったソフィアは、今ではお転婆娘だ。
僕の真似をして木登りをしようとしたときは、僕までマーサに叱られてしまった。
ソフィアは妖精のような見た目をしているから、ふわりと飛んで木の枝に座っていそうだ。でも実際はスカートを捲り上げて脚を開き、ガシガシと木によじ登ろうとしていた。まあ、それはそれで可愛いかったんだけど。
そんな、可愛い可愛いソフィアを、僕は守らなければいけない。
父上は、ソフィアを外に出したがらない。子ども達の集まるお茶会にも、僕だけが参加している。
可愛いすぎるソフィアは狙われてしまうのかもしれない。
だから僕も、誰にも妹の話はしない。妹を誰にも取られないように守るんだ。