人生の最期を迎えました
「お母様!お母様ぁ〜‼︎」「おばあさま〜!」「母上…」
ああ、わたくしの可愛い可愛い子ども達の声が聞こえるわ…
子どもや孫達の泣き声が聞こえるが、ソフィア ローズ ワッツは今までに経験したことのない猛烈な倦怠感により、返事をすることは出来ない。
そろそろ終わりの時なのね。身体がキツイわ…早く楽にならないかしら…。
と思っていると、段々と子ども達の声が聞こえなくなり、代わりに小さな子ども達の合唱が聞こえてきた。
天使の歌声なのかしら…
美しい歌声に聞き入っているうちに身体も軽くなり、白っぽく光る方へ吸い込まれて行くような感覚がする。
そのまま吸い込まれていくと、また、自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「ソフィア、ソフィア〜‼︎」「ソフィア、嫌よ!死んでしまうなんてダメですよ!ソフィア!」「お願いだソフィア…行かないで…!」
…あら、呼ばれているわ。
ソフィアは自分を吸い込んでいく力に抗って、声のする方向へと突進した。それはもう、凄い力で。生前のソフィアが脳筋であったためか、ソフィアの魂は凄まじい筋力(?)を持っていたのだ。———天使達も追いつけない程に。