表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

変夢奇譚 ~くだらない夢のよせ集め~

こころ (変夢奇譚 ~くだらない夢のよせ集め~ 第19夜より)

作者: Ak_MoriMori
掲載日:2022/06/26

変な夢を見た。


  わたしの前に女が立っている。

  女の名前は、九麗寺(くれいじ) 菜音(なのん)


  菜音が、突然、大声をあげる。

 「お願い! わたしの体とあなたの体、交換してッ!」


  私は、呆気にとられた。いったい、何を言い出すのかと思えば・・・。

 「なんでだい・・・?」


  菜音は、頭を両手で押さえながら言う。

 「なんか、くだらないことが、()()()から湧き出てくるの。おかしくなりそう。

  私の体とあなたの体を交換すれば、おさまるだろうと思って・・・。」

  そう言うと、スポッと、頭を引っこ抜いた。


  私は、一瞬、驚いた。たまげたな・・・と、内心思った。

  

  菜音の体が、両手に持った頭を、私のほうに差し出す。

  菜音の頭が話を続ける。

 「ねっ! お願いします。この憐れなオンナをお救いください・・・。」


  私は、悩んだ。交換するのは構わない。でも、いったいどうなるんだろう。

  まあ、なるようになれっ!だ。

  

  私は、意を決して、自分の頭を引っこ抜く。

  そして、菜音のほうに頭を差し出しながら、

 「ほらっ! 憐れな子羊よ・・・。我が体を差し上げよう・・・。」


 「ありがとうございます。神よ・・・。」

  菜音は、しゃべりながら、自分の頭を私の体に乗せる。

  私も自分の頭を菜音の体に乗せた。


  しばらくたつと、私の体に乗っかった菜音の頭が、声をあげた。

 「大変! ちっとも、くだらない考えが止まらない。なんで・・・?」

 

 「そうかい・・・。そりゃ、困ったね。」と、私。


  菜音が、おろおろしながら言う。

 「えっ? なんで・・・。 ()()()って、体の中にあるんじゃないの?

  てっきり、体を交換すれば、()()()も交換できるって思ったのに・・・。」


 「うーん・・・。違ったんだねえ。」と、私。


 「ちょっと、のんきなこと言ってないで・・・。

  また、交換よ。あんたの体、(くさ)いからイヤ・・・。」

  菜音が、私の体から自分の頭を引っこ抜き始める。

 

 「(くさ)いって・・・ひどいね。傷つくんだぜ。言われたほうは・・・。」

  私も、菜音の体から自分の頭を引っこ抜こうとする。


  だが・・・。

  頭が抜けない・・・。菜音も抜けないようだ。


 「ちょっと・・・。ナニコレッ! 抜けないじゃないッ! どうしよう!」


 「俺も・・・。」


 「えっ! ちょっと、ヤダッ! 返して! 返してよッ!」

 

  菜音の頭が乗っかった私の体が、私の頭を掴み、力強く、ひっこ抜こうとす

 る。

 

 「アイタタタ・・・。痛いって。菜音ッ! クソッ! だったら、俺もッ!」


  私の頭が乗っかった菜音の体が、菜音の頭を掴み、力強く、ひっこ抜こうとす

 る。


 「いたーい、痛いってば・・・放しなさいよ!」


 「イヤ、そっちが放さないなら、俺も放さん!」


 いつまでも・・・お互いの頭の引っこ抜き合いが続く・・・。


そこで目が覚めた。


わたしは、ひとりつぶやいた。


「ばからしい夢だったな・・・。

 でも、()()()は、いったい、どこにあるのだろう・・・?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ