小雪と約束
毎度ノロノロ投稿のぽんずです。
前話が十二月の中旬とかなり開いてしまいました。
すいません、時間が掛かり過ぎて……。
しかし! 今回も練りに練ってようやく完成したのでぜひ楽しんでください!
小雪たんカワゆす。
「どれも手が凝ってて美味かったよ、ありがとな」
昼休みのチャイムが鳴る五分ほど前に俺も小雪も食べ終わったので、再度味の感想とお礼を伝えた。
「いえ、気にしないで下さい。私がやりたくてやったことですから」
小雪は嬉しそうに弁当箱を仕舞った。
俺はせめて弁当箱ぐらい洗って返そうと思い、バックに仕舞おうとすると、ひょいっと斜め前から取られてしまった。
「こんなにうまい飯食わせてもらったんだから、弁当箱ぐらい洗って返すよ」
「いえ、これも私がやりたいことですので」
それに、と小雪は続けた。
「明日も作ってくることができますが、どうしますか?」
「お願いします」
そう言われては断る理由もないため、小雪の厚意に甘えさせてもらった。
しかし与えられっぱなしは俺の主義に反する。どんな些細なことでも施されままなのは申し訳ないからな。
「それならなにか別の形で礼をするよ。だから何か欲しいものとか、俺にしてほしいこととかあるか?」
「そうですね……」
頬に左手を当て、しばし考え始めた。
数秒考えたのち、ポンっと思いついたのか両手を合わせた。
「そういえば最近、隣町に新しくショッピングモールが出来たらしいので、そこに一緒に行ってみませんか?」
「おっ、ちょうどよかった。俺も行ってみたかったんだよな。いつにするか決めとくか?」
「そうですね、今週の日曜日などどうでしょう?」
「日曜か、ちょっとお待ち」
俺はスマホを取り出し、バイト先のライングループを開いた。
えーっと、日曜日は――まじか、昼から入ってる。どうすっかな……。
シフト表はラインのグループに一か月分の全員のシフトが分かる写真が店長から送られてくる。つまり俺以外のシフトも見ることができる。
そうだ、優馬に頼もう。えーっと、あいつは――入ってないな。
すぐさまグループから優馬との個人チャットに飛んだ。
あー、でも今あいつは保健室で、昼寝でもしてるかも知れねぇな。
とりあえずダメもとでメッセージを送ってみた。
『お前今週の日曜日予定あるか?』
しかし俺の予想とは反して、すぐに既読付いた。
『あるといえばある。それがどうした?』
じゃあないな、よし。
『日曜のバイト変わってくんねーか?』
『やだ』
こ、こいつ、一昨日言ったこと忘れてやがる……。
『お前、一昨日バイト変わってくれるって言ったよな』
『知らん』
あー、もういい。そっちがその気なら俺だって考えがある。
『お前春休み中に彼女との約束断って、声優のイベントに行ってたことバラす』
『おい待て、それは卑怯だぞ!』
ふっ、いい様だな。悪くない。
『待て、それはやめろ。やめてください。俺殺される、あの人に』
どんだけビビってんだよ。確かにちょっと怖いけど、あいつの彼女。
『なら、変わってくれるよな?』
『もちのロンです』
『頼んだぞ』
よし、これで日曜日の予定はなくなったな。
「日曜日は大丈夫だぞ」
「それはよかったです。でしたら、十一時に駅で待ち合わせにしませんか?」
「別に構わんが、何故に駅なんだ?」
いつもなら誰かの家に一度集まってから出かけるのに、今回に限って駅に集合とはどうしたのだろう。
小雪は頬を赤らめ、そっぽを向いた。
「えっと、その……二人だけなので……で、デート、みたいにしたいと思い……」
「お、おう、そうか……」
「で、では楽しみにしてますので!」
そう言い残し、自分の席へそそくさと戻った。
その顔でそれは反則だろ……。
緩む口元を右手で覆い隠したとき、小雪の熱が感染ったかのように、頬が熱を帯びていた。
感想待ってまーす。




