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小雪のお弁当

執筆が亀のようにノロノロなぽんずです!

まず謝らせてください。

ホントに更新速度が遅すぎて申し訳ありませんでした! (/ω\)

今回に関してはなんにも言い訳はありません……。

しかし! それほどまでにストーリーを練りに練った作品になっておりますので!

ぜひお楽しみください! それではどうぞ!



 


「はい、ダイくんのお弁当です」

 小雪は弁当の出来に相当の自信があるのか、躊躇う素振りもなく堂々と渡してきた。

「まじかよ! 今度は黒音さんの手作り弁当かよ! 羨まし過ぎるだろ!」

「あぁ……どうして……。高貴な味も分からない庶民の味覚しか持たない篠原に……。どうしたのですか小雪様……」

「うひょー! 今日も一段とかわゆす小雪たん! ……それに引き換え汚物め! その小雪たん手作り弁当おれによこせ!」

 またか……。よくもまぁ、そんなに小雪の弁当一つでごちゃごちゃ言ってられるな。

 教室は今日も今日とて賑やかだ。昨日のあーんの件もそうだが、小雪の行動にいちいち喚き過ぎなのだ。

 なんだ、小雪は芸能人なのか? なかには教祖にでも見えているのか知らないが、崇めているアホな奴までいやがる。ほんとにバラエティに富んだクラスだな……。

 あと最後のカス野郎。昨日も俺ののこと汚物呼ばわりしやがって、お前ぶっ〇してやろうか、お?

 殺意を込めた視線をカス野郎に飛ばすと、肩をビクつかせてそそくさと立ち上がり教室から出て行った。

 しかしまだ教室内は女子の黄色い奇声混じりの歓声、男子の場を盛り上げる野次。それらが教室内を支配して鬱陶しいことこの上ない。

 俺たち三人は購買でナンパ野郎どもを撃退後、遅めの昼食を取ろうとして教室に戻ると一部始終を見ていたクラスメイトが吹聴して話を大きくしていたため、入った瞬間全員がこちらを一斉に見て、女子たちは小雪の元に駆け寄っていた。

 かなりの質問攻めにあっていたが、ようやく落ち着きを取り戻したと思ったら弁当を手渡されたらこの騒ぎだ。

 まったくいい加減にしてほしい……。

「では食べましょうか」

「あぁ、いただきます」

 俺たちはいつもの定位置に座り、俺と小雪は弁当の蓋をそっと開けた。

 俺の弁当箱は丸形の二段になっている至ってシンプル。上段がおかずで下段がごはんが詰められていた。

「うわぁー、すごい! これユキちゃんが一人で作ったの⁉」

 春香が弁当を見るなり感嘆の声を上げた。

 それもそのはず、上段のおかずには俺の好物の唐揚げやハンバーグ、金平ごぼうなどがこれでもかと思うくらい詰められており、それに加えてプチトマトやブロッコリーで彩りを欠かさず栄養バランスも考えられているおかずが綺麗に盛り付けられていた。

「えっ、この卵焼きこれめっちゃ可愛いんだけど!」

 春香が賞賛している卵焼きは半分に切られて片方を逆かにしてハート形になっており、またその上にも小さく切られたハート形のチーズがのっていた。

 その他にも小雪の創意工夫を重ねたおかずが盛りつけられていた。

「すげーな……。こんな弁当勿体なさ過ぎて逆に食えねぇよ。うちの母ちゃんにも見習って欲しいぜ」

「それはなんとも言えませんね……」

 反応に困ったのか小雪は苦笑していた。

「ねぇ早く早く! 下の段も見せてよ!」

 春香が目をキラキラさせながら急かしてくる。

「あー! 分かった、分かったからそんなに急かすなよ」

 急かされるままに下段の蓋を開けると、真っ白なご飯の上に海苔を切って可愛らしいパンダの顔になっていた。これは……。

「か、可愛い! えっ、なにこれすご過ぎるだけど! パンダとかめっちゃ可愛すぎ! あっ、写真! 写真撮ってインスタにあげてもいいかな! 友達の作ったお弁当が可愛すぎるって! いい⁉」

「そ、それは構いませんが……」

「やった! ありがとユキちゃん!」

 春香はスマホを取り出すと、弁当の真上から斜めまで何枚もの写真を収めた。およそ十数回のシャッター音が鳴った。

 俺より先に春香がリアクションするものだから、俺のリアクションがイマイチ薄いような気が……。

 それほどまでに春香は興奮を抑えきれていない。そして満足いく写真が撮れたのか、春香はご満悦な様子で撮った写真を眺めていた。

 まあ、春香の気持ちは非常に分かる。こんな可愛くて美味しそうな弁当生まれて初めてだ。

 確かにパンダとかのキャラ弁なる手間が掛かるものは男子高校生にとっては恥ずかしいのかも知れないが、そんなもの吹き飛ぶくらい俺は滅茶苦茶嬉しい。

 それに小雪が朝早く起きて一生懸命に海苔をパンダの形に切ったり、ハートの形にした卵焼きを作ってくれている小雪の姿を思い浮かべると、なんだか涙が出てきそうだ。

 しかしいつまでも眺めていたところで腹は膨れない。この弁当を食べるのは名残惜しいが、それを超えるほどに見ているだけでもお腹が空いてきた。

「じゃ、じゃあいただきます」

「はい、召し上がって下さい」

 俺は箸を取り、一番の好物でもあるハンバーグを口に運んだ。

 昨日はどこかの食い意地が張った奴に奪われてしまったが、今日は俺が独り占めしてやる! 

「こ、これは……!」

 噛んだ瞬間に肉汁が口の中にいっぱい広がり、肉本来の甘みとデミグラスソースが相まって滅茶苦茶美味しい! 家庭で作られるハンバーグとなんら変わらいのだが、これまで食べてきたどのハンバーグよりも美味しい!

「どうですか、お味の方は?」

 やはり自信があったのか、それとも俺の反応が分かりやすかったのか、にやにやして俺に感想を求めてきた。

「めちゃめちゃ美味い! 今まで食ってきたハンバーグが霞むほど美味かった! こんな美味いハンバーグ食っちまったら家で出されるハンバーグが物足りなくなっちまうよ!」

 だから俺は思ったことを素直に述べ、他のおかずも口いっぱいに頬張った。

「ふふっ、それは良かったです」

 俺の反応に満足したのか軽い笑みと共に、小雪も箸を取り食べ始めた。

 昼休みの終わりまで時間がない中でも、俺は小雪の弁当を存分に堪能した。


感想待ってます……。

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