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言葉の軽重
言葉の軽重
今日、その重みを全くと言って良いほど失った言葉がある。
躊躇なく、果敢に、真摯にといった連用修飾語を伴う言語である。
どれも、相当な覚悟をもって行動する時の意思表示である。
しかるに、やる気もないくせに、すぐ口にするとは、何という軽さだ。
いやはや、その風潮、情けないという以外、表現のしようがない。
さらに軽くなったのが、「責任は私にあります」という言葉である。
じゃあ、どのように責任を取るのかと問われると、職務を続けることが責任の取り方だという。
何という詭弁なのだ、何という驕り、何という人を馬鹿にしたいい訳なのだろう。ああ、これから、重たい言葉というものは、その重力を失って、羽の様に軽くなって、飛び交うのだろうか。