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続・浪人詩集  作者: 屯田 水鏡
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麻雀


麻雀

今、世間では賭けマージャンのことが重大事件として大いに話題となっている。

マージャンは面白い。おぼえたての時、何日も徹夜で遊んだ記憶がある。

ポーカーとかブラックジャックとかババ抜きとか、トランプ遊びも面白いが、マージャンは格別である。

今の若者はどうか知らないが、ひと昔前のサラリーマンはみんなと言って良い、賭けマージャンをしていた。この僕とて、例外ではない。

マージャンは金銭を賭けた方が、レートは低くても、数段面白い。

僕はギャンブルをあまりやらないが、競馬とボートはやったことがある。

特にボートレース場にはショッチュウ足を運んだ。

断っておく、ギャンブルで財を成した人はいない。

大穴を狙えば十中八九外れるし、本命を狙えば大方的中するが、必ず配当落ちになる。

だが、的中したときの、舟券を握りしめ、血液が頭を通り過ぎて蒸発してしまうような、あの興奮は舟券を買わなければ味わえない。

さて、麻雀の話だが、いい年をしたテレビのコメンテーター諸氏は賭けマージャンをするとは言語道断だと言わんばかりに口を揃えて非難している。

僕は、テレビを見ながら「そういうアンタ方は、本当に賭けマージャンをしたことがないのか?」と、問い掛けたくなる。

そういえば、後にも先にも、一人だけ、この人は賭けマージャンはやらないだろうなと思う人を知っている。

その当時、僕はとある公共機関で、地域の青少年健全育成、交通安全、男女共同参画、祭・スポーツの振興などの仕事をしていた。

その人は、とある公共機関で生安課長として勤務していたので、その人と高校の先生を誘って、月に何度か、カラオケ店やパチンコ店を巡回したものだ。だから、僕らの所為で、停学処分になった高校生諸君も何人かいる筈だ。

あるとき、僕は、僕のとってもえらい上司を誘って、地域の情報交換をかね、懇親会をおこなった。

懇親会が終わって、レートは低かったが、麻雀を行い、ワイワイガヤガヤ、夜中まで楽しく過ごしたのだ。

殆どが僕のひとり負けであった。おかげで、僕はえらい上司から「脇甘君」というあだ名をつけられてしまった。

次の日、僕は、賭けに負けた金を支払いに、その人を尋ねた。

その人は「やあ、昨日は本当に楽しかったですなあ」と、なんどもにこにこ笑いながらコーヒーを入れてくれて、暫らく雑談したが、決して金は受け取らなかった。

なるほど、僕とは違い、頑固に規律を守る人もいるもんだなあ、と僕は感心したものだ。

※くれぐれもお断りしておく。今述べたことは全てフィクションなのである。


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