こんな僕でも…
トイレにいる時って時間の感覚を忘れるよね、たとえ遅刻ギリギリの時でも僕を冷静にさせてくれる。
それで、トイレに出た時にやばいって事に気付かされる。
トイレの妙に人を落ち着かせるあの空間は急いでる時には絶対入ってはいけない。
などと家から出て、走って駅に行く時に何度も自分に言い聞かせてもお腹と体は言う事を聞いてくれない。
もっと早く起きろって思うかもしれないけど、家から駅まで三十分で電車で一時間かかる、高校生になったんだからもっとしっかりしろって思うかも知れないけど、正直、無理がある。
もともとはこんな体質ではなかった、あの時の出来事があったから…
それは遡る事、小学校6年生の時の始業式…僕はもともとはお腹を壊しやすいタイプではなく、ごく普通に過ごしていた。
少し変わってると言えば、学校などの公共施設のトイレは絶対に使いたくないタイプで、家でするタイプだったって事ぐらいだ。
その時は、いつも通り普通に我慢していた。
「後、5分で終わる!学校から家まで走れば、2分もかからない!行ける!」
「お前、顔が必死過ぎて面白い(笑)」
などと友達に笑われたぐらいの笑い話で済むような内容だった。
しかし…僕が…
よし!あとちょっとで終わるな、あ〜長かった、うっ!
などと緊張を解いていたら急にあるクラスメイトに思いっきりカンチョウをされた、その後の事は言うまでもなく想像出来るだろう。
体育館中に、女子の悲鳴や男子などの嘲笑の声が響き渡った。
それ以降、僕は高校までずっとボッチであだ名は、うんこマンだとストレート過ぎるのでうんこを我慢出来ない人なので、シンプルにガマンというあだ名でずっと笑われ続ける事になる。
それからというものストレスでお腹を壊しやすくなる体質になり中学校の時は、教科書を忘れた時に貸して貰おうと思ったら「うんこが付くから、嫌だ」などと言われた。
あの時は、自問自答を繰り返し学校を何度も休んだ。
正直、今思うと自己判断が甘かったと思う。お腹の調子が悪かったりトイレに行きたかったらすぐにトイレに行って済ませるべきだと思う。
学校なんて戦場だ。何されるかわかったものじゃない、学校の先生が何を言おうが、やられる時はやられる。
自分の身は自分で守らないと行けないと改めて思った。自分がこうなっては元も子もない。
ただ、あのカンチョウをしておいて何の謝罪もせずに、言いふらしたあいつを僕は何があっても絶対許さない。
まぁ、高校は一生懸命頑張って、中学校の奴らが来ないような場所を選んで0から学生生活の始まりだ!などど意気込んで学校初日で遅刻のこの有り様だよ。
もう泣きそうです…はぁ、僕、前世で悪い事でもしたのかな…せめてなんか僕にとって良い事一つや二つあったらな〜
そんな事をちょっと考えて神様が力をくれるなんて、アニメみたいな事は無いよな〜
自分で乗り越えないと…
そんな事を考えながら、駅に着いて電車に乗ろうとすると一人の可愛い女の子が目に入る。
その子は、少し茶色のかかったボブヘアーに小さい顔を包んでいて、その顔は可愛くて守りたくなるようだった。
やべ、見惚れてないで早く乗らないと!
都内の電車のためとても混んでいて大変だった、今日からこれを毎日体験しないと行けないのか…ストレスでお腹壊しそう…
などと思いながら電車に乗っていると先程の女の子が目に入る。
あ、あの子も一緒に電車なんだ!ストレスが消化されていく〜と思っていると、女の子の様子がちょっとおかしかった。
あれ?あの子の後ろにいる男の人の手の動きがなんかおかしいな?もしかして…痴漢か!?
やばい!やばい!どうしよう…満員電車の所為であそこまで人が多くていけない…大声を出して止めるしかないか…後でお腹痛くなりそうだけど、やるしかない!
僕は大声で叫んだ。
「あのーそのドアに寄りかかってる、黒い帽子を被ったおじさん痴漢してますよね!」
というと、図太い声で怒鳴り返してきた。
「俺は、やってない!この女が擦り付けてきたから、退けてただけだ!」
は!ふざけるなよこいつ!さっきまで、ニコニコして触ってただろ!
「その女の子すごく嫌がってるじゃないですか!、周りにいる人もなんか言ってください!」
何故、周りの人はこうも反応せず、スマホでビデオ撮影をしてるだけなんだ!
女の子の周りにいた人なら分かるだろ!
「その子がお尻をその男の人に擦りつけてるように見えました」
と、その帽子オヤジを擁護する若い声が聞こえた。
女の子が進んで好きでもないオヤジにお尻を擦りつけるなんてあるわけ無いだろ!
その声から、少しそのオヤジを擁護する声が聞こえ始め、最後にオヤジはこう言った。
「俺には、この子とおんなじぐらいの娘がいるんだぞ!興奮するわけないだろ!勝手な事を言うな!」
そんなオヤジを擁護する声から一筋の蜘蛛の糸が見えた
「あのー、その周りにいる人達も一緒に触ってたんで、グルだと思いますよ〜、写真もしっかり撮ってあるんで〜」
その女の子の声が響いた時一気にその男たちの勢いが無くなったが、抵抗がなくなったわけではなく。
「しかし、その女が誘惑してきた事に変わりはない!」
とオヤジが言った直後に痴漢をされていた女の子の声が小さな声で呟いた。
「私その人に痴漢されました、お尻を擦りつけた覚えもありません、周りの人に胸とかお尻を触られました」
一気に形勢逆転したのか、周りから降りろと言う声が聞こえ始める。
そうすると男たちは、次の駅で降りて駅員の人に捕まり、被害者の女の子と証明写真を持っていると言った女の子、僕はそれぞれ事情聴取を受けた。
結果を言うと捕まった男達には前科があり、加害者のオヤジに娘などいなく、こっちが白と言うことは明白だった。
一通り事が済むと、女の子から話しかけられた。
「助けてくれてありがとう」
「そ、そんな事ないよ!僕は、ただ言っただけだし、証拠写真を撮ってたあの子にお礼は言ってよ」
「それでも、助けてくれた事には変わりはないよ!お礼をする機会が欲しいから、LINE交換してもらってもいいかな?」
「そんなに感謝しなくてもいいよ、当たり前の事しただけだから」
「それでも、お礼させて!」
「う、うん、わかったよ」
ラインの交換が終わり、家族以外の人の名前が増えた
「名前は、ひなずき ひよりさんで良いのかな?」
「うん!雛月 日和で当たってるよ!君の名前は、さとう せいくんでいいのかな?」
「うん、佐藤 静 であってるよ。」
「じゃあ、これからよろしくね!佐藤くん!」
「う、うん!」
初めての女の子のラインか〜きっかけは最悪だけど、ちょっとラッキーかな?
「じゃあ、私あの子にもお礼しないと行けないからじゃあねー」
「う、うん!じゃあねー」
って、俺もあの子にお礼言わないと…でももうあの子の姿は見えないし…今度、雛月さんに会う時にあの子にも会うからその時に言えばいっか!
ニコニコしながら時計を確認すると、とっくに学校の一時間目は過ぎていた、やべ!早く電車に乗って行かないと!
学校にはなんて言おうかな…痴漢されてた女の子助けてました!なんて遅刻の言い訳にするのは嫌なんだよな〜
個人的に、人助けをして警察に感謝状を貰う人があまり好きではない、だってなんか感謝状を貰う為にやってるみたいだから、それに公にせずに当たり前のように人助けしたりする方がカッコいいと思っている。
まぁ、普通に遅刻したって言うしかないか…
そういえば、色々考えてたからあまり気にして無かったけどお腹が全然痛くない!
良い事すると気分が良くなるのかもな!
その後、学校の先生には「登校初日から遅刻か!」と怒鳴られて反省文を書かされ、クラスメイトからは「あいつ、登校初日から遅刻とかどんな馬鹿だよ(笑)」「そんな事言っちゃ駄目だよ(笑)」なんて事を言われる様で、これじゃ中学校と変わんないよ!
正直、良い事したのになんでこんな目に合わないといけないのかと、少し思ってしまう。
はぁ、ほんと呪われてるよ…
そんな事を思いつつ、家ドアを開けると母親からは「なんで遅刻なんかしたの!、時間の管理も出来ないの!中学生の時は、遅刻したり休んでも良かったかも知れないけど、静!あなたはもう大人の一歩手前なのよ、少しはしっかりしなさい!」
この有様で、正論過ぎて何も言えない…しっかりするにも少しのストレスですぐお腹が痛くなるような体質なんて言って親に心配かけられないしな…
はぁー、って今日はため息ついてばっかりだな〜
「ピロン!」
スマホの通知が突然鳴った
あれ?誰だろう?スマホの画面を見ると、雛月さんからだった。
「今日は本当にありがとう!学校遅刻させていたらごめんなさい!明日の土曜日時間が空いてたら教えてください」
人からマイナスな言葉しか聞いてなかったから、ありがとうっていう言葉だけで心が安らぐ
「明日は、特に何もないので何時でも良いです!」
すぐに既読が着いた
「だったら、明日の午後1時に池丸駅の東口の信号付近で集合で良いですか?」
「全然、大丈夫です!」
家から大体40分ぐらいかなぁ、遅刻しない様に気をつけないとな
今日はもう寝よう、なんか疲れた…
二作目になります!一作目は初めてということもあり拙い文章で、最後らへんは急ぎで書いたのもありよくわからない人も多かったと思います。
二作目は、ゆっくり書いて行こうと思っているので暖かく見守っていただければ幸いです。
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