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アルファのオメガ。   作者: 河杜 和空
32/35

目的地へ

「ついに到着した? ここが山道の終着点?」


 僕たちが車で山道に入る前の2つ山は、山頂に雲がかかって見えなかった。しかし到着した場所は、2・3台ほどしか駐車が出来ず整備がされていない広場だった。今、逆にここから見る景色は雲海が広がり下界が見えないセカイだった。


「みんなで車を降りよう、え~と、ここから30分歩くみたいよ」


「なんと? そうなんですかっ?」


 氷川コオリカワのお姉さんカーナビを歩行の案内に切り替え、僕たちは縦に1列で歩くことになる。僕と氷川さんと、津井ツイさん姉妹と、氷川さんのお姉さんで、オレンジ色の光の生徒が言っていた山頂にある大木を目指す。

 この場所は高い高地なのに、所々に僕たちが住んでいる場所にも生息している植物と木々が生えている。足場が少し悪い道を1歩1歩ずつ足を進める。思いの外2つ山は高く、酸素が薄いみたいだ。しかしなぜか僕たちは息が上がることが無く、不思議と足が前に進む。


「こういうのって、テレビで見たことがあります」


「本当にこういう不思議な場所って、本当にあるんですね?」


 しばらく少しの会話をしながら歩道を歩くと、僕たちの見上げる視線の先に巨大な木の根が地面に這っている光景を見る。その根元はがっしりしていて、2つ山の全体をしっかり掴み込んでいるみたいだった。僕たちは、木の根をよけながらもまっすぐ頂上まで歩く。


「今何か声が聞こえなかった?」


「えっ? どんな声?」


 はっきりしない人のような声が一瞬した。全員が足取りを止める。僕たちの目の前に高い大木が1本立っている。そう、僕たち5人はついに山頂の大木に到着した。


「みんなおめでとう、私も車を運転した甲斐があったよ~」


「お姉さん有り難うございます!」


「やったね」

「やっと謎が分かるね~」


「ここまで来て、何もないってことはないよね?」


「あれっ? 何か感覚が……」


 僕たちは2つ山山頂の大木の前で、空間が移り変わったような不思議な感覚になる。はっきりしない人のような声は、大木の方から囁いていたみたいだった。僕たちは気づくと一瞬で大木の周りを囲んで、無意識の状態なのかそれぞれ木をただ眺めていた。



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