いい案……
「いい案とは……歩けばいいのですっ! 動画配信もすれば1石2鳥ですねっ」
氷川さんのプランは、歩くことだった。
「2つ山向こうというと、ちょっとまって」
津井さんが、スマホの地図アプリで調べ出す。
「2つ山まで、ここから70キロ先みたい、しかも電車もバスもなさそう」
「もし~1日20キロ歩くと考えたら、3日ほどかかるね……」
僕たちは学生で、もし氷川さん達と歩くという選択をすれば。学生の休日が日曜の1日しかない。3日歩くことを考えてみるとあまりにも無謀なプランだった。
「氷川さんのプランは現実的じゃないよね……」
「そうですよねっ……みんなでワイワイ歩きながら、動画配信は楽しいと思ったのですがっ……」
「まあまあ~」
「他のプランも考えましょう」
僕たちはオレンジ色の光が残した真実を確かめるために、どうすれば休日を使って、1日で2つ山まで移動することが出来るかをさらに話し合った。
「自転車は?」
「実はっ、わたし……自転車が乗れないのですっ」
「氷川さん自転車乗れない?!」
「そうなんです……」
「あっ! ヒッチハイクとか?」
「でも~4人いっしょだと乗せてくれるのが、難しいかも?」
「あと、目的地が2つ山だから、そこに向かう人が捕まるかが問題だよね……」
僕たち4人は困難に直面していた。学生で休日が1日しかなく、2つ山に行くためには途中から電車もバスも使えない場所。この山背高等学園から70キロ先の大木に向かい、翌日までに帰らないといけない。僕と、津井さん姉妹、氷川さんの顔は真剣で、皆の気持ちは2つ山に向かう目的を達成したい一心だった。
「誰か……車が運転できたら」
「車っ……あーーーーーーっ、私、今度こそ、氷川にいい案があるんですっ!」
「えっ??」




