表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルファのオメガ。   作者: 河杜 和空
22/35

廊下と教室

「チョコバーのスネッカーズ!」


 お昼休みが終わり、購買で何も買えずに空腹の中で早足で教室に戻る。そんな中、太子タイシが手に持っていたのはスネッカーズだった。しかし前回のスネッカーズ早食い競争で勝ち、購入代金を支払わずにすんだのはいいけど。食べ過ぎたせいか、結局は甘ったるさがトラウマになったチョコバーだった。


「太子それはいらない!」


「はははっそっか!」



 僕と太子は、購買から早歩きで教室の前に到着した。休憩も終わりもうすでに授業が始まる寸前なのか、山背高等学園やませ こうとうがくえんの廊下は静まりかえっていた。静けさの中、僕と太子教室の扉が閉まっていることに気づく。


「あっ! 教室こっちも閉まっている! そうだよな……」


「太子これ授業……」


「雄一! 皆まで言うな!」


 廊下側から見て、扉の閉まった教室を見ることの緊張感は半端がない。なぜならクラスの中が見えなく、なおかつ午後の授業が始まっているかも分からない。もし始まっていたら先生とクラスメイト達に声を出し、謝らないと行けない。しかし逆に授業が始まっていないのなら、セーフになる。それは僕と太子が、中身が見えない教室のブラックボックスを開けるようなかけでもある。


「太子! 一緒に扉をあけて、遅くなってスイマセンでしたって謝ろう!」


「同じタイミングで言おうな!」


「せーの!」

「せーの!!」


 緊張が走る、教室の中はセーフかアウトなのか……。


「遅くなってスイマセンでしたっ!」

「遅くなってスイマセンでしたー!」


 扉を開けた瞬間、すでに着席状態のクラスメイト達が僕と太子をぽかーんと見ていた。教壇のほうに目を向けると、先生はいない。その時僕と太子は悟った、授業はまだ始まっていないのだと。

 その反面、大声で謝ったので僕たちはフライングをしたのだ。授業前、つまりセーフでもあり、恥ずかしいという意味でアウトだった。その後、クラス中が大笑いに包まれた。


「めっちゃ笑われてるよ……」

「雄一! 耐えろ! 俺たちは、笑いがあるだけでも、救われているんだ……」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ