津井さんに話すこと
「雄一君がここに来ると言うことは、やっぱりアレを見たんだよね……」
「アレを見た? 津井さんは何を見たの?」
「二日前、私が忘れ物を取りに学園に戻ろうとしたとき、今と同じ時間、この門の前で、オレンジ色に光るものを見たの」
「オレンジ色に光るもの? 二日前……」
「私が見たオレンジの光は、目の前にありそうで遠くにあるような、不思議な存在だった。光ったと思ったら彗星のように、学園の裏の山の方に流れていったの」
「二日前って、たしかその日は……僕は少し遠くの本屋に出掛けて、帰りに大雨が降ってた日だ、大雨がやんだと思って学園の方が明るく光ったから、雷が落ちたのかなって」
学園の夜空が見える門の前、バス停横のベンチに座り、僕と津井さん、二日前の不思議なオレンジ色に光る物を見た出来事を話す。
「津井さんが見たのって、何だと思う?」
「友達に聞いたら、オレンジ色だからUFOじゃないかなと言っていたけど……私はそうは思えなくて、何か怖い大きい存在な気がしたの」
「そうなんだ……」
「次の日に起きたら、なぜかいつもお昼に見かける雄一君のことが気になって、その次の日に、今日の出来事があって……」
「もしかして、不思議なことの原因ってその光?」
「……そうかな?」
津井さんに話されたことは僕は二日前の光を見た出来事から、自分で気づかないフリをしていたのかもしれない。辛い数年前から望んでいて、押さえ込み生きていた過去の自分の望み、進学した今の出来事。
「津井さん今日の出来事って、実は、僕の心のどこかで望んでいたことが現実になったかもしれないんだ!」
「えっ?」




