初めての魔物狩り
俺がエインといつもどうり、朝食を食べていると、
「あっ、そうそう翔、私今日魔法の研究で家に帰ってこないから」
「えっ」
俺は思考が停止したかのような感覚に襲われた、いつも帰ってくるのは遅いが、帰って来ない日はないエインが、今日は帰ってこない?もしかして
「何かあった?」
「何もない、と言えば嘘になるわね、でもこれは極秘事項だから貴方にも言えないわ」
今日エインが帰ってこないのなら訓練の時間を伸ばせるな、などと考えていると、
「ということで翔には【東の森】にいってもらいます」
東の森?たしかあそこは、
「あそこに出てくる魔物は弱いわ、だから翔のレベルアップ、実践経験を積んでもらうわ」
これは願っても無いことだ、この2ヶ月、村から出ていない、久しぶりに村の外に出て外の様子も観てみたい。
「明日の昼頃には帰ってくるからそれまでには帰ってきなさいよ」
「大丈夫だよ、さすがに暗くなったら帰るさ」
そう、魔物は日の光が無くなると急に強くなるらしい、そのため夜になる前に帰るのは基本らしい。
「それじゃ、行きましょうか」
「わかった」
食器を【浄化】の魔法を使い綺麗にして、重ねて家から出る。
「こうして並んで歩くって久しぶりね」
「そうだな」
「全く、無愛想なんだから」
「そんなことを言われてもなぁ」
実際、俺は自分の心臓がバクバクなっているのがわかっている。エインは綺麗だ、綺麗に伸びた銀髪の髪の毛、大きい赤い目に、今は白い白衣を着ている。そんな人と隣で歩いているのだ、これで緊張しなかったら男ではない。
「ここでお別れね、じぁ、また明日」
「ああ、また明日」
そう言ってお互いに別れた、ここを真っ直ぐ行けば村と外とを繋ぐ結界から出ることができる。俺は結界を守っている兵士さんに挨拶をして、村から出た。
◇◆◇◆◇◆
さっそく東の森に着いた俺は、魔物狩りを始めた、訓練の成果か、剣を振るえば魔物は切り裂かれ、魔法を放てば魔法は消し飛ぶ、これではただの作業である。
しかし、そこに猪型の魔物が表れる、俺がこの世界に来てはじめて殺した猪と似ている、違いは体の色が赤いとこくらいか、そう思い剣を振る。しかし避けられる、もう一度、また避けられる、なのでスキル【一閃】を使用した。猪を倒した、‥‥‥本当に作業である、これでは来た意味が無いので帰ろう、そう思っていた時
「グルゥァァァァァ!!!!!!!!!」
空から真っ赤なドラゴンが俺の前に降り立った
「これはちょっと、やばいかもな」
俺は、背中に冷たい汗をかくのを感じ、ドラゴンに向き合った。