表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなたを愛してる

作者: k5

「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「知りたいのなら探してごらん。いつかどこかで巡り合う。きっと必ずわかり合う。そんな愛が見つかるはずよ」

 女の子は旅に出ました。





 彼女は旅をしています。

 愛を探して旅しています。

 ある人に、彼女は問いを投げかけました。

「私は愛がわからない。私は愛を知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「愛とはその身を焼くものよ。身体を焦がし、心を溶かし、他の全てを焼き尽くす。愛さえあれば、あらゆるモノが塵芥。愛一つで、あなたの心は満たされるのよ」

「ありがとう。私にはよくわからないわ」

 彼女は旅を続けます。


 彼女は旅をしています。

 愛を探して旅しています。

 ある人に、彼女は問いを投げかけました。

「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「愛とはただの勘違い。一瞬の気の迷いだ。思い込んで自分を騙し、幸福の内に全てが終わる。愛一つで、君は全てを縛られるのだ」

「ありがとう。私にはよくわからないわ」

 彼女は旅を続けます。


 彼女は旅をしています。

 愛を探して旅しています。

 ある人に、彼女は問いを投げかけました。

「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「愛とは神の恩情です。神が与えたもうた、人への救済措置なのです。愛持つことで天へと召され、神の御下へ導かれん。愛一つで、汝は救われることでしょう」

「ありがとう。私にはよくわからないわ」

 彼女は旅を続けます。


 彼女は旅をしています。

 愛を探して旅しています。

 ある人に、彼女は問いを投げかけました。

「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「愛とは悪魔の誘惑じゃ。あらゆる罪過を内に秘め、堕落と腐敗を撒き散らす。ただ有るだけで忌まわしい、悪鬼悪夢の象徴じゃ。愛一つで、お前はその身を滅ぼすじゃろう」

「ありがとう。私にはよくわからないわ」

 彼女は旅を続けます。


 彼女は旅をしています。

 愛を探して旅しています。

 ある人に、彼女は問いを投げかけました。

「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「愛とは受け入れ叱るものさ。どんなに嫌でも包み込み、正しい道への標となる。そうしていつも見守ってやるのさ。愛一つで、あんたはどこまでも成長できるだろうさ」

「ありがとう。私にはよくわからないわ」

 彼女は旅を続けます。


 彼女は旅をしています。

 愛を探して旅しています。

 ある人に、彼女は問いを投げかけました。

「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「愛とはいっぱい食うことじゃねぇかな。腹が膨れりゃほんわかするけど、空きっ腹だとやる気出ねぇし。食べられる事への感謝だろ。愛一つで、姉ちゃんはほんわかできるのさ」

「ありがとう。私にはよくわからないわ」

 彼女は旅を続けます。


 彼女は旅をしています。

 愛を探して旅しています。

 ある人に、彼女は問いを投げかけました。

「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「愛とは僕にもわからない。けれども一つ、わかることがある。僕は貴女と添い遂げたい。貴女を思うとこの身が満たされ、貴女を思って縛られたい。貴女によって救われて、貴女によって滅ぼされたい。貴女と共に成長していき、貴女と共にほんわかしたい。貴女と愛を探したい。貴女と愛を見つけたい。2人で愛を、夢見ませんか?」

「……ありがとう。やっぱり愛はわからない。……だけど私も思ったの、貴男と一緒にいたいって。これが愛なのかはわからないけど、それでも貴男といてみたい。貴男と愛を形作りたい。そんな私でもいいかしら?」

 彼女の旅は終わりました。


 彼女は旅路を戻ります。

 ある人に、彼女は声をかけました。

「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」

「うん、姉ちゃんなりの愛が見つかるといいぜ。姉ちゃんがずっと、腹一杯ほんわかできるのを願ってるよ」

「ありがとう」

 彼女は戻り続けます。


 彼女は旅路を戻ります。

 ある人に、彼女は声をかけました。

「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」

「ああ、あんたなりの愛を見つけるといいさ。あんたがずっと、受け入れ成長できることを願ってるさ」

「ありがとう」

 彼女は戻り続けます。


 彼女は旅路を戻ります。

 ある人に、彼女は声をかけました。

「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」

「ほう、お前なりの愛を見つけりゃいい。あんたがずっと、誘惑に身を滅ぼし続けるよう願っとくよ」

「ありがとう」

 彼女は戻り続けます。


 彼女は旅路を戻ります。

 ある人に、彼女は声をかけました。

「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」

「はい、汝の思う愛を見つけると良いでしょう。汝がずっと、神に救われることを願っております」

「ありがとう」

 彼女は戻り続けます。


 彼女は旅路を戻ります。

 ある人に、彼女は声をかけました。

「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」

「おう、君なりの愛を見つけるのだな。君がずっと、勘違いして縛られていくことを願っておくよ」

「ありがとう」

 彼女は戻り続けます。


 彼女は旅路を戻ります。

 ある人に、彼女は声をかけました。

「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」

「ええ、あなたなりの愛が見つかるといいわね。あなたがずっと、焼かれ満たされることを願っているわ」

「ありがとう」

 彼女は戻り続けます。


 そうして彼女は戻ってきました。

 そこにはもう、あの人はいませんでした。





 彼女は問いかけられました。

「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」

「知りたいのなら探してごらん。いつかどこかで巡り合う。きっと必ず分かり合う。そんな愛が見つかるはずよ」

 女の子は旅に出ました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ