あなたを愛してる
「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「知りたいのなら探してごらん。いつかどこかで巡り合う。きっと必ずわかり合う。そんな愛が見つかるはずよ」
女の子は旅に出ました。
彼女は旅をしています。
愛を探して旅しています。
ある人に、彼女は問いを投げかけました。
「私は愛がわからない。私は愛を知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「愛とはその身を焼くものよ。身体を焦がし、心を溶かし、他の全てを焼き尽くす。愛さえあれば、あらゆるモノが塵芥。愛一つで、あなたの心は満たされるのよ」
「ありがとう。私にはよくわからないわ」
彼女は旅を続けます。
彼女は旅をしています。
愛を探して旅しています。
ある人に、彼女は問いを投げかけました。
「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「愛とはただの勘違い。一瞬の気の迷いだ。思い込んで自分を騙し、幸福の内に全てが終わる。愛一つで、君は全てを縛られるのだ」
「ありがとう。私にはよくわからないわ」
彼女は旅を続けます。
彼女は旅をしています。
愛を探して旅しています。
ある人に、彼女は問いを投げかけました。
「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「愛とは神の恩情です。神が与えたもうた、人への救済措置なのです。愛持つことで天へと召され、神の御下へ導かれん。愛一つで、汝は救われることでしょう」
「ありがとう。私にはよくわからないわ」
彼女は旅を続けます。
彼女は旅をしています。
愛を探して旅しています。
ある人に、彼女は問いを投げかけました。
「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「愛とは悪魔の誘惑じゃ。あらゆる罪過を内に秘め、堕落と腐敗を撒き散らす。ただ有るだけで忌まわしい、悪鬼悪夢の象徴じゃ。愛一つで、お前はその身を滅ぼすじゃろう」
「ありがとう。私にはよくわからないわ」
彼女は旅を続けます。
彼女は旅をしています。
愛を探して旅しています。
ある人に、彼女は問いを投げかけました。
「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「愛とは受け入れ叱るものさ。どんなに嫌でも包み込み、正しい道への標となる。そうしていつも見守ってやるのさ。愛一つで、あんたはどこまでも成長できるだろうさ」
「ありがとう。私にはよくわからないわ」
彼女は旅を続けます。
彼女は旅をしています。
愛を探して旅しています。
ある人に、彼女は問いを投げかけました。
「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「愛とはいっぱい食うことじゃねぇかな。腹が膨れりゃほんわかするけど、空きっ腹だとやる気出ねぇし。食べられる事への感謝だろ。愛一つで、姉ちゃんはほんわかできるのさ」
「ありがとう。私にはよくわからないわ」
彼女は旅を続けます。
彼女は旅をしています。
愛を探して旅しています。
ある人に、彼女は問いを投げかけました。
「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「愛とは僕にもわからない。けれども一つ、わかることがある。僕は貴女と添い遂げたい。貴女を思うとこの身が満たされ、貴女を思って縛られたい。貴女によって救われて、貴女によって滅ぼされたい。貴女と共に成長していき、貴女と共にほんわかしたい。貴女と愛を探したい。貴女と愛を見つけたい。2人で愛を、夢見ませんか?」
「……ありがとう。やっぱり愛はわからない。……だけど私も思ったの、貴男と一緒にいたいって。これが愛なのかはわからないけど、それでも貴男といてみたい。貴男と愛を形作りたい。そんな私でもいいかしら?」
彼女の旅は終わりました。
彼女は旅路を戻ります。
ある人に、彼女は声をかけました。
「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」
「うん、姉ちゃんなりの愛が見つかるといいぜ。姉ちゃんがずっと、腹一杯ほんわかできるのを願ってるよ」
「ありがとう」
彼女は戻り続けます。
彼女は旅路を戻ります。
ある人に、彼女は声をかけました。
「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」
「ああ、あんたなりの愛を見つけるといいさ。あんたがずっと、受け入れ成長できることを願ってるさ」
「ありがとう」
彼女は戻り続けます。
彼女は旅路を戻ります。
ある人に、彼女は声をかけました。
「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」
「ほう、お前なりの愛を見つけりゃいい。あんたがずっと、誘惑に身を滅ぼし続けるよう願っとくよ」
「ありがとう」
彼女は戻り続けます。
彼女は旅路を戻ります。
ある人に、彼女は声をかけました。
「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」
「はい、汝の思う愛を見つけると良いでしょう。汝がずっと、神に救われることを願っております」
「ありがとう」
彼女は戻り続けます。
彼女は旅路を戻ります。
ある人に、彼女は声をかけました。
「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」
「おう、君なりの愛を見つけるのだな。君がずっと、勘違いして縛られていくことを願っておくよ」
「ありがとう」
彼女は戻り続けます。
彼女は旅路を戻ります。
ある人に、彼女は声をかけました。
「愛はまだわからないけど。全てが愛だとわかったの」
「ええ、あなたなりの愛が見つかるといいわね。あなたがずっと、焼かれ満たされることを願っているわ」
「ありがとう」
彼女は戻り続けます。
そうして彼女は戻ってきました。
そこにはもう、あの人はいませんでした。
彼女は問いかけられました。
「私は愛がわからない。私は愛が知りたいの。知っているなら教えてくれない?」
「知りたいのなら探してごらん。いつかどこかで巡り合う。きっと必ず分かり合う。そんな愛が見つかるはずよ」
女の子は旅に出ました。




