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【皮膚接触 すんな!!】

「パス」


みんなの視線を浴びた直後に発した言葉。 言葉の持ち主は......棗だ。


「嘘ぉん!!? まさかの幽霊怖い系!!? 棗」


きゃははっと あざ笑う紗奈。 キッと睨みつける棗だが、すぐに一歩後ろに下がった。


「......パス」


もう一度強調して言った。 これは絶対に...... 幽霊怖い系。


まさかの恐れを知らなさそうな棗が 幽霊なんぞを恐るとは!! 誰もが驚くそのことの間には、後ろに集る観光客の女子の声。


「やばい、かわいい」


皆言うその言葉は、聞こうとするのが困難な程の小声。 だがしっかりと聞こえた。

気に障らずずっと「パス」と言い続けるコイツも かなりの根性だ。


その棗を見たとしても、遠慮を知らない紗奈は、組織関係者は先に入れます。 の言葉につられ、「やります!!」と、入場券を受け取ってしまった。


「ここの肝試しは、全体が制御なので魔法が使えません!! あとは、最大でも3人ずつなんで......決めてくださいね」


そう言われた紗奈は、真っ先に賛成した大河と犬井を選んだ。


「んじゃ、行って来まーす!!」


さっさと行ってしまった紗奈。 まさかのマキ、ウパーと棗を残して行ってしまった。


やれやれ、と微笑むマキ。 先程から表情を変えない棗。 そこに、空気を全く読もうともしない生物が飛び込んで来た。


「よーし、いこー!!」


なんと 入場券を受け取ってしまったウパー。 一度受け取った券は無効には出来ませんよ。と、闇笑を浮かべる係員。


「あーあ」


無意識に呟くマキの言葉。 ......と同時に棗の顔が真っ青に。


「いってらっしゃーい!!」


と 爽やかに言う店員に向かって小声で「悪魔め」と呟く棗も、すぐに森の中に消えてしまった。


あの組織の森の中なんだ。 そんな簡単に出れるなんて思ってはいけない。

今の所は 何も出て来てはないが、やはり魔法の使用が無いなんて......


こんな恐ろしいことを毎日 街の人達は耐えられるよね......とか思いながら歩く。


さっきはまだ強気だった棗。 なんたっていちよう係員に「悪魔め」なんて言ったんだから まだプライドは捨てなかったんだろう。 でも今じゃ......


「ちょ......ストップ! 行きすぎんな バカ!!」


なんとも笑いたくなる態度っぷり。 もうめっちゃくちゃオドオドしてるし。

1年前もこれを隠したまま あんな上から目線とっていたんですかー......


そうずっと考えていると......


ガサガサっ


誰よりも早く反応した棗。 恐ろしい程反射神経がいいことにビックリ!!


今回初めて 起きた怪奇現象。 オドオドした棗の後方には、キラキラしたウパーがいる。


その瞬間。


「ばぁ!!」


木の上から落ちて来た おもちゃの手。 なんだ、この程度か......とがっかりするウパー。


......だが......


今にも溶けてしまいそうな程 ドロドロした肉体を支え、熱心に後方からマキに抱きつく。


と、同時に歯をガチガチさせている。......なんて私にはどうだっていい。


......怖いからって何勝手に 皮膚接触してんだよ!!!!?


いつも見たいな 一瞬で照れて愚痴を言うお前はどこ行ったんだぁぁぁああぁ!!!!!!!!


......と、叫びたいが 声が出るはずも無い。


顔を赤らめながら ずっと棗が離れてくれるのを待つ。 ......だが......


なっかなか 離れないんだ こりゃ。


しかも今度は また一段と強く抱きしめてくる。


ぐおおおおぉぉぉぉおおおおおおおおぉぉっっぉぉぉぉおおお!!!!!!!!!!!!!!


マジで勘弁!!!!!!!!


......の時に。


「お兄さん、いい加減マキちゃんから 離れなさいよ」


思い切り棗を睨みつけるウパー。 それでやっと本心?に戻った棗は


「......ぁあ......あ......ぁぁ……」


と 焦って 瞬間的に離れた。

かなり気まずくなったマキ達。 沈黙を破ろうとマキは


「......よし。 早くでよう」


もうこれしか 言えなくなってました......。




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