【対象以外】
23時を廻る。 一般人にとってやっと と思える時間が来た
選ばれた者は皆 階段を上がり、皆の前に立った。
余計目立つ棗の青髮は、照らされる光によって 一段と目立つ。
女4人に男6人。 その中の組織の人間は男子の方に3人。
龍雅 棗、秋山 涼介 そして川村 京介。
台にはいない川村。 どこにいるんだよと、マキの周りでは緊張感が漂っている。
台にいる秋山は、丁度......狙ったのかもしれないが 棗の隣にいた。
「......棗さ」
改まった表情で、下の人間にばれないように話しかけた。
「知ってる。 アイツだろ」
近くの一般人にも聞こえない声で、秋山は言う。
「おかしいよ。 組織内にいるのならセガレが知ってるはず。 お察しの通り、いませんでした」
ニコッと言葉とともに微笑む秋山は またもやつぶやく。
「これは、立ち聞きした......程度で聞いてて。 このラストダンスは組織内の人間なら 一人だけ辞退出来る。 まぁ、誰にも指定が無ければだけど。 なんなら僕が調べてあげようか?」
スゥッとフェロモンでも混ぜて吹きかけているような声だったが、情報は本物。
しかも裏方の方向である秋山には一様 不可能はないはず。 迷わず棗は頼んだ。
ラストダンスでほとんど指名を受けた棗は、全部文句を言わず受け、自分の時にはダンスを断り ラストダンスは無事終了。 深夜0時に到達し、日付が変わる。
観光客はみんながみんな帰り、選ばれた一般人は、魔力向上委員会へのハガキを受け取った。
最後に残るは、祭の片付け。 魔法を使えば一発の組織人間にとっては屁でもない。
コピー持ち主のマキは、セガレに頼まれ、“破滅”の魔法で 店もろもろを吹き飛ばすように消した。
「終わり~!! みんなもう帰っていいよ。 あ、最上級生は残ってねぇ」
最上級生......Lv.5の人間だ。
組織にはマキ 棗 犬井を含んだ10人。
みんなそれぞれ個性的な魔法の持ち主だ。 番人であるマキは、Lv.5なのかと聞くと怪しいが、セガレが言うには同じようなもの。 ......任務実行者なら同じだと言う。
セガレがみんなを集めた理由は、数時間前にマキ達が目撃した......川村 夏香と悠のことだ。
「今回から君たち以外の人が ちょっと任務に加勢することになった。 共にいるわけじゃないけど 任務がかぶる可能性があるからね。 気をつけて」
こうなると考えることはほとんど合致するだろう。 ここのみんなは まず任務を嫌う者。 裏へいけば好む野郎もいるだろうが。
Lv.5以外の人間が任務を受けるとなるとかなりおかしい。 まず第一にどんな能力者でも対象レベルでなければ選ばれないからだ。 ......分かるとおり、これは自主的な答え。
単純に言えばこれは......『人を殺したい』ということなのだ。




