【腐り派てる少女漫画】
素早い動きにスローな動き。 攻略するにはこの時間だけでは不可能。
これじゃあ、コイツと踊ってる私が恥ずかしい!!!!
精一杯 相手の動きに合わせて動き続ける。 なかなかいかないのは分かっていても、やってやらないと負けた気分だ。
「お前 調子こき過ぎたな。 少し手加減してやろうか?」
マキにとっては恥から逃れる 素晴らしいお言葉。 迷わず
「お願いします」
素早かった動きが、ある程度マキにも踊れるくらいまで 遅くなった。
同時に 複雑な所では 動く方向、タイミングを言ってもくれた。
だんだんと慣れて、いいペースで時間が過ぎていった。
余裕が出て来たマキは、目線を足元から顔にズラした。 そこには、あまり真っ正面から見たことのない棗の顔。 どこを見ているか分からないが、なぜか目が離せない。
(何かこんなに ガン見する自分が恥ずかしい......)
こんなことまでも思い、スっと足の緊張感を吹き飛ばした......とたん。
ぐぅっ
「痛ぇっ⁉」
完璧に足元を見た棗。
緊張感をなくしたマキが......足を踏んでしまった。 棗の
「......ぁ」
さすがに停止が出来なかった2人は、踊りながら状況を確認した。
かかとが とても鋭いハイヒールを履いていたマキ。 革靴を履いていた棗だが、その痛さは甲をも貫く。
「調子こき過ぎたな。......また」
はい、 ごめんなさい。 と心の中で呟いた瞬間。
ぐぃっ!!
エグい音が鳴り響く。 マキはもちろん......なる直前から何の音か気付いてる。
「......負けず嫌いとも言いづらいよ」
踏んだお返し......なんともくだらないことを......
「口調またかわんの? 面倒臭いよ......?」
イラつきを見せた棗は元のペースに戻した。 かなり慣れたマキにとってはもう何の攻撃でもない。
先ほどの棗の言葉。 珍しい声量で、口調もいつもとは比べ物にならないくらい優しいもの。
そこに癒される者がいれば...... 頭にくる者だっているものだ。
「くだらない仕返しは 控えてください......!!」
そういって今度は 本気で足を踏み潰す。
......こうなると......
「エンドレス」
そうそう。
周りの人は、楽しく静かに滑らかな動きでダンスを進める。
そこに組織の人間は、せっかくの祭をぶち壊すかの様な汚れ満載のダンスで会場を惑わせる。
呆れるほど聞こえるのは いい年した女と学生年齢、20代の女。
今日 何回聞いたのだろう?
「あの人イケメンじゃね⁉」
「いやぁ~ん、棗様と踊ってるわぁ!!」
「なんなの、あの女!! 腹ただしい!!」
腐り派てる少女漫画のワンシーンのよう。 周りに人気のある男に、評判の悪い娘。 嫌々しい
そんな感情を抱きながら、足を潰し合いながら過ぎる時間は、思ったよりも多かった




