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【ワケあり】

みんな......輝く笑顔。 私はこの為に......頑張ってきたんだ。


ホッとしていつも腰をかける石段に座る。

フゥー......と言う温かみのある息を吐いて、顔を前に向ける。


それと同時に何かが頭にのっかかる。 何かと思ってマキも頭に手を乗せて見る......


と 同時に今度はマキが止まる。 頭に乗っかっていたのが......


「......変に捉えるなよ」


「何 のっけてんの」


棗の手だったからだ。


「嫌なのかよ」


「嫌」


「嘘つけ。 嬉しいです とか言ってんじゃん。 油断すんなよ、いくら制御したって魔法は使えんだから」


子供のような言い争いをして 最終的にはマキが 「あーもう」と言って終わった。


まだまだ マキの頭に乗っかる棗の手。 木の影に隠れている為、余計に鼓動が高まってしょうがない。


沈黙が続くこの雰囲気でも 耐えていられるなんて思ってもいなかった。

話すのが嫌な奴でも、話していないと落ち着かない。 素晴らしい矛盾じゃないか 棗さん


そうゆうことを またまたずっと考えて微笑んだ表情をしていると 乗っかっていた棗の手が動きたした。


......まるで......撫でられてるような......?


「......何?」


うつむいたまま 問いかけると、珍しく返事が早くかえってきた。


「頑張ったじゃん」


そうとだけ言って 石段を離れる棗。


「......なんなんだよ」


いっつもこうなんだ。

何かを思うと......いっつもコレ。


心臓に......悪いだろ。


そろそろ長い針が 30分に着く頃だ。 よいしょと 小声で立ち上がり、うーんと背伸びをして言った。


「私も 楽しもう」


観光客に紛れて駆け抜ける。 キラキラと散っているような 輝く魔力、表情は、もう有名な殺人犯なんてあり得ない程の 優しい笑顔と魔力。 それは、初めて人の為に真剣に魔法を使った努力の塊だろう。


いつもは静かな広場も、今は屋台でいっぱいだ。 新しくかいだ 甘渋そうな匂い。

お金がなくとも 組織の関係者は楽しめる。 だって頑張ったじゃん


「おーい、マキーーー!!!!」


珍しく前方から聞こえた声。 久しぶりに こいつの叫ぶ声を聞いたな。


「犬井!!」


「あっちでみんな集まってんだ!! 一緒に回るか?」


「うん!!」


急いで犬井の方へ駆ける。 少し頬を赤くした犬井にも......気づかないように。


人混みを 避けてついたところは、誰も近づかない森の中。

そこに集まる 紗奈たち。 みんなはもう どこかの屋台に行き、食べ物を食べている様子。


紗奈は......多分 でっかい虫? 触覚があるからそう決めつけただけだけど、どちらにせよ食べたくはない形で色。 どうにも言えない赤紫が気持ち悪いが、もぐもぐとよくかぶりつくので、突っ込むのをやめた。


大河は、なんともシンプル。 おにぎりだ。 だが聞いたところ 混ぜてある具が......またもや虫。 なんでみんな......虫?


久しぶりにみた大河の肩にいるウパーは、食用のドラゴンの肉らしい。 虫よりは 美味しそうだな......


「犬井は何を食べてるの?」

全員を聞き終えたマキは、犬井を指摘。


「......焼き?」


よく聞き取れなかったのか? もう一度聞く。


「いや、だから 焼き。 もとはたこ焼きなんだけど 具を明かしてないらしくて......焼き」


どれもこれも ワケありだらけじゃないか......




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