【驚】
なかなか言葉を交わせない。 今じゃ静か過ぎて相手の呼吸も分かるくらいだ。
もう15分は経ったのだろうか。 カナン達は未だに帰っては来ない。
今さっき甘えた犬井のジャケット。 体温がまだ残っていて 震えはなくなった。
毎回思ってしょうがない。 大河にはつい先ほどあったダンスで触れた。 でも何かが違う。
それに比べて犬井の時。 これはまた変だ。 楽しいとも言えなく楽しくないとも言えない。
......あーもう 嫌だなぁ。
マキは、石段の上で深く考えた。 犬井と大河は違う、何が違うのだろう。 その下りで辿り着いた。
「......んじゃ、何で行ったんだ コノヤロウ......」
やっと理解が出来たマキは、思わず呟く。
内容は まとまっている。
つい先ほど大河と踊ったわずかな時間。 そこで言われたある言葉。
「困ったらいつでも おいで」
犬井では感じないものが自分にはある。 それは貴方にとって有効にはなるよ。
それは多分 異性ではなく 同性として見ていいよ というコト。
それならなぁ~んで2人にしちゃうかなぁ? あの人
色々思い込んで10分が経ってしまった。 もう震えは完璧に消え去った。
なので「もう大丈夫だから。 ありがとう」と言って返した。
受け取った犬井は一瞬表情を変えてから「......あぁ、いいよ」と返事をした。
とても気まずくなってしまったのか、犬井はそのあと
「あいつら遅いね。 見に行って来るわ」
と言って何処かへ行ってしまった。
もうこれじゃあ......沈黙とも言えなくなったじゃないか。
犬井が行って数分。 未だにみんなは戻らない。 何ならもう部屋に戻ってしまおうか、そう思った時。
ガサぁっ
後方のある程度大きい草木が大きく揺れた。 見に行く暇すら与えず、その姿は現れた。
「何、犬井いねぇじゃん」
いつも通りの短い言葉。 紛れもない棗だ。
なぜ草木の中に居たのかは、聞いてしまうとまたアレなので辞めておこうか。
「さっきみんなを探しに行ったよ」
不安に追い込まれ マシな返事を返せなかったのにもかかわらず、悩み続けるマキ。 そこに棗はマキとの間に一人はいるくらい開けて座った。
「どうやら悩んでるな」
沈黙だけは避けたいの一心で、話しかける。
気にないのは分かっているけど、無視なんざする理由もあるはずがない。 速攻で答えた。
「......そうでもないけどね」
またもやせっかくの会話を断ち切ってしまったマキ。 後悔ばかり繰り返す自分も嫌になりながら、先程の反省をし直す。
時間が立つに連れ戻る体温。 震え始めるのも時間の問題......と言っている間にはもう震え出している。
さすがに棗には借りれない。 てか借りるのがおかしいか。
マキはある程度の頑張って、震えを堪える。
あまり上手くは続かない。
下を向きながら、寒さに耐え、反省を行う。 甘えずやったろ!!......とおもった時だ。
この出来事にはみんながみんな、驚かされる。




