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【パレード】

もちろんその名にも大歓声。だがマキの周辺では全くの逆。

何たって“川村 京介”は 川村 夏香の兄であり、以前命を掛けた戦闘の相手だったからだ。


死んではいない。 それは妹の夏香で知らされた。

多分奴は 校長側の人間である。 なぜ組織内に居るんだ? その疑問が大きく残る。


「川村だって......⁉」


棗が呟く。 犬井は「え?」とだけ。

周辺で知っているのは棗とマキだけだ。 紗奈と大河は記憶を無くし忘れていたから。


「秋山先生が来るはずだよ。 それまでは......」

ある程度大きくしない方がいい。 川村がいるのなら、校長側の人間がもっと入り込んでいるかもしれないから。


嫌な予感が生まれた発表が終わり、後夜祭第一部が始まった。

この時間だけに出せれる高級デザート店や、Lv,3、4のパレードなどで賑わう。


そんな感じじゃないのは マキ達だけだった。



事情を知らない犬井達は、ただ単に「先輩羨ましいっす!!」の言葉だけ。

私達にとっては呑気な野郎だ。 何だが、知らないのが当たり前。 イライラするのすら、こちらが悪いのだ。


「せっかくの後夜祭何だから難しいコトは忘れよう!! ね?」


......それもそうですね。


「あとで秋山来るだろ。 それまではお預けだ」

棗ですらそう言うのなら......ねぇ?


辺りザワつく人混みに入るとしますか!!


昼間とはまた違う雰囲気の広場。 ベッタリした匂いも消え、上品な匂いで充満。

ワイングラスを持ち、立ち話をする人を見れば 恥の方で食い意地たてて高価デザートを食う人もいた。 またのカンナの提案で、何か欲しい物を買って パレードでも見てようと言い出した。


Lv,5の人間に見られると 何かとやる気が出るのがLv,3、4というものだとも言った。

何かしら棗はかなりの有名人らしい。


みんなある程度買い、また集まった。 昼間に食べ過ぎた紗奈とマキだったが、人一倍食べる紗奈には通用しなかった。


丁度タイミングよく通り始めたパレード台。 マキであっても見たコトのない魔法ばかりで、思わず思い切り楽しんだ。 もちろん内心は『すごい』があれば『欲しい』だってある。


コピーの持ち主なのだから。


女子で固まってパレードを追いかけ、男子をおいて行く。

なぜか大河が女子の方にいたのだが。


残された男子は、ゆっくり女子のあとを行く。 さっきまであんな態度だったマキがよくやるもんだ。と思いながら。


「1年前からあぁなんだよなぁ......ホント」


人混みの中で呟いた棗の声は、ただ一人 犬井にだけ聞こえた。


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