表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/24

第3話 はじめまして。

ゆっくりと頭を上げる。

自分の婚約者との初対面だ。


朝からヒルデさんが張り切って、着付けをしてくれた。髪も整えてくれた。


まあ、、、今までの生活状況を考えると、髪につやが無かったり、お肌が荒れていたり、少し肉付きが良くなかったり、、、するのは、御愛嬌だ。実年齢より、若く?幼く、見える自覚はある。


伯爵家で用意してくれたドレスは、どれも洗練されている。着こなす自信はないが、揃えてくれたであろう皆様に感謝したい。ありがとうございます。


ゆっくり、、私の目に入ったのは、綺麗な金髪、、、で、お顔が良く見えない、ほっぺぷくぷくの、子豚ちゃん?あら、、、思ったよりかわいい、、、おててもぷくぷくね。手袋越しだけど。お腹もぷっくり、、、、かわいいわ、、、肉屋のオヤジさんに似ている。いつも、削ぎ落した肉のかけらを取っておいてくださる、、、、タダじゃないけどね、、、


「ウィルマーだ。」

「はい。よろしくお願いいたします。クリスティーナと申します。」


とんでもないお年寄りに嫁ぐのかと思っていたら、申出をくださったのは大旦那様で、ウィルマー様の父上だったらしい。昨日、ヒルデさんに聞いた。


「屋敷では自由に過ごしていい。何かあったらヒルデに。足りないものは購入してくれ。」

「いえいえ、十分にご準備頂きましたので。」

「学院の手続きは済んでいるから、春から早速通える。制服も手配済み、、、だな?ベルノ?」

「はい。」

「まあ、ありがとうございます。では、ベルノさん、できれば予習をしたいので、教科書は届き次第頂いても?」

「承知いたしました。」


まあまあ、、、ベルノ、と呼ばれた若旦那様の秘書官は、、、、シャムネコ??ね?銀髪にブルーの目、、、シャムネコ、、、ぴったり!!!


「学院に通うのは構わないが、、特定の人と、深くかかわったりするのは遠慮してくれ。」

「はい。」


まあ、、、だって知り合いもいないし、、、問題ないわね。


「君が16歳になったら結婚することになるが、書類上だけだから。式もしない。」

「はい。」


そうですわね、、、そんなお金があったら、お父様の領のために使います。だいたい、、、家族みんなで王都に出てくるお金がもったいないですもの。


「私の部屋は執務室を兼ねているので、立ち入らないでくれ。」

「はい。」


、、、、と、言うことは、、執務のお手伝いはない?、、、学業に専念しろ、という事??!!なんてお優しい!!


「来週、私の父と母が、君をお茶に呼びたいらしい。私は、、、丁度仕事が立て込んでいて一緒に行けないが。」


「はい。承りました。」




*****


まあ、、、、経験から言うと、こういうおとなし気な子って、裏があるよね?

始めはおとなしくしておこう、って感じ?どうでもいいけど。


結婚して3年たったら、3年たっても子供が出来なかったら、離婚できる。

手を出す気は最初からないから、、、、3年、、、まあ、、いいか、、、


母は、何時も泣いていた。


父上が仕事ばかりして、家庭を顧みなかったから。

他所に女がいるのか?と思うほど、家にも寄り付かなかった。後で調べたら、女はいなかったが、、、、

母は寂しさを紛らわすために、頻繁に茶会を開き、社交に出、衣装を作り、宝石商を呼び、、、俺のことをいつも心配した。痩せすぎなんじゃないの?と。


恰幅のいい父親に負けないように太れという事か?



・・・・守銭奴、、、


父は、、、一部の人間から、領地の人間も含めて、、そう呼ばれている。不作でも税を下げず、帳面は個々人の分まで管理する。教会に身を寄せている老人や母子家庭の母親まで、ただでは食べさせずに、働かせているらしい。


そして、、、、家門のために嫁を取れと?



*****


「まあ、あなたがクリスティーナさん?まあ、まあ、よろしくね?」


お茶に呼ばれた私を待っていたのは、いかにも貴婦人然としたお義母様。

艶やかな緑色のドレスがお似合いの、お化粧ばっちりの女性。金髪は高く結い上げられている。どうなっているんだろう?芯があるのかしら?髪に宝石が散りばめられている。子豚ちゃんのお母さん?って感じではないわねえ、、、孔雀?いや、、、、、違うわね、、、ユニコーン?そうね!!!、、、見たことないけど。


スカートをつまんでご挨拶。


「まあ、いいだろう?座りなさい。お茶にしよう。」


大旦那様の侍従?が椅子を引いてくださったので、ありがたく座る。侍従さんは、、おっとりした大きい犬みたい。栗毛色の。


大旦那様は、、、、子豚ちゃんのお父様ね?そのまんまだわ!!

ぷっくりしている。


「クリスティー?あなた、もう少し太ったほうが良いわ!このケーキも食べなさい。美味しいわよ?」


ははん、、、、こうして、あの子豚ちゃんは出来上がったんだなあ、、、でも、美味しいからありがたく頂戴する。ケーキ、、、、生クリーム、、、この時期にいちご、、、

経済格差をひしひしと感じる、、、大丈夫かしら私?いや、、、弱気になっていたら、父の領地も、弟の未来も、私の学院生活もなくなってしまう!!しっかりしろ!!私!!!


「ウィルマーは、王太子の秘書官をやっていてね、仕事で留守がちなのよ。困ったことがあったら、相談してね?私たちはすぐお隣の離れにいるんですもの。」


「はい。ありがとうございます。」


「うちの領地は、今のところ、私が管理しているんだけどね、ゆくゆくは君たちが見ることになるから、時間があるとき、私の執務室で帳簿を見なさい。」

「はい。かしこまりました。」

「まあ、、、、あなたったら、、、こんな時にもお仕事の話?」


拗ねたように、お義母様が言う。


「いえいえ、必要な事ですから。問題ありません。」

「まあ、、、、クリスティー、、、無理しなくてもいいのよ?」

「いえいえ、、、学院が始まるまでは時間もございますので、、、早速、お邪魔しても?」


私は勧められるまま、ケーキを食べ、美味しいお茶をご馳走になり、、、


大旦那様の弟子になった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
跡取りはブタの上にクズとか救いようの無い家ですね…。
頭皮、身長、顔面は人智の及ばぬところですが肥満は自分の努力でなんとかなるんだから デ◯の分際で15才の子に「裏がある」とか文句つけてんじゃねーよ!人様に不満を言う暇があったら筋トレしろ!! 年齢差1…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ