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番外編 ヒルデの独り言。

若に婚約者が出来た。なんか、お相手がかわいそうだと思う。


女嫌いで引きこもり、豚のように太っている、、、というのが若の仮のお姿です。

本物も、実はそう変わらないと睨んでいます。めんどくさそうな奴だなあ、、、というのが正直な感想です。




いらした婚約者のクリスティーナ様は、、、天使のような方でした!

もう、ファンです。ついていきます。好きです。




「ねえ、ヒルデさん?白い結婚てなんですか?」


髪が逆立つほどの怒りでございます!あの男、、、今に見ていろ、、、



奥様が小間物屋の一角でハンドメイドの商品を売り始め、、、忙しくなってきたからどこかに作業所を作りたい、と、おっしゃるので、、、、フフフッ、、、、

実は若が仕事用に借りているぼろ長屋の隣の部屋が空いているのは調査済み。

驚け!そして、、、奥様の素敵さに当てられてから、捨てられてしまえ、、、そう思いまして。





若奥様を最高に仕上げた。


白のドレスの裾に、青い刺繍が入っている。デビューも兼ねていますからね。

律儀に、ロンググローブに結婚指輪をされています。どうでもいいのに、、、そんな、何の感情もなく買ってきた指輪なんて。


女嫌いで、いい年して親に反発している若は、なんだか大人げない。

こんないい子、、、いないよ?マジ。


「私、、、田舎者でしょう?礼儀作法とか大丈夫でしょうか?ね?ヒルデさん?」


大丈夫です。クリスティーナ様ですから。


あの男、、、エスコートもしないでナニやってんだ?と、思っていたら、今日は給仕係に潜り込んでいた。なんだかんだと、奥様を目線で追っている。は?

ふらりと中庭に出てしまった奥様の後を追ったら、あの男、、、、口説いてやがる。これでなびくようなら軽蔑してやろうって魂胆が丸見えでムカつく。


結局、、、酔っぱらって寝てしまった奥様をどうしていいか分からず、救いを求めてきた。馬鹿じゃねぇの??





2年目の春の舞踏会。

奥様は淡いブルーのドレスにふんだんに使われたレース、、、素敵です。

なんて美しくお育ちになったんでしょう!!来たばかりのころは、ガリガリでしたが、栄養バランスを考えて、私が責任もってふんわりした貴婦人に仕上げました。うん。いい。


今日も若は、、、今日は片眼鏡とかして、、、執事に扮しているようですねえ、、、なにやってんだか。


観察していたら、、、どうも、奥様に近づく男をけん制し、田舎者のくせに、みたいに鼻の穴を広げたご令嬢方を押しとどめ、、、、ほんと、、、なに?




王太子殿下の結婚式も無事に終わり、若の仕事もひと段落したのか、最近屋敷でよく姿を見るようになった。あの、変な変装もやめたみたいだ。


「まあ、、、、旦那様お痩せになったわよね?お疲れなのかしら?」


奥様、、、、、、ほっておきなさいませ。



貧乏長屋も引っ越しし、新しい生活でございますね。ヒルデは精一杯応援致しますからね!!!さようならですね!若!フフッ


・・・そう思っていたら、、、若が何を思ったのか、奥様にネックレスを贈ってきた。

い・ま・さ・ら?


知ってますか?キンセンカの花言葉には、別れの悲しみ、ってのもあるんですよ?今ですか?気が付くのが遅すぎます!!!ほんとに気が付いたのか?あ??



12月の大舞踏会では奥様はシンプルな淡い青の背中が大胆に開いたドレス!!

もう!すてき!!イルデ様からのネックレスをお付けになった。ふふん、、、ざまあ見ろ、と思ったら、どうしても、というので、、、、若にもらったネックレスは髪飾りに使った。あんな奴に気を使わなくてよろしいんですよ?


若は、、、、まあ、、、黙っていれば、、、本性を知らなければ、いい男。女の子たちが大騒ぎしている。この子たちさあ、、、豚伯爵、とか呼んでたのに、変わり身早いよね?

奥様は、若の事判んないし、、、、ぷぷっ




ハンドメイドのお店も軌道に乗って、儲かっているはずなのに、相変わらず無駄遣いしないなあ、、、、と思っていたら、アカデミア卒業と同時に、諸経費分を若に叩き返していた。さすがです。すっとしました。

見ましたか?あの若の、がっかりと肩を落とす姿、、、、笑いが止まりません。笑いませんけどね。




さて、春の舞踏会も最後の回になりますねえ、、、、私は奥様が若の妹になってもついていきますけどね、、、、


白いドレスに、淡いブルーのふわりとした生地を重ねて、、、、若に貰ったネックレスをしています。何というか、、、、、、、、義理堅い?まあ、そこが、奥様のいいところなんですけどね、、、、あいつが喜ぶかと思うと、、、なんか、、、


例によって、時間通り来ない若を待っている間、、、、飲み過ぎですよ?

給仕係が何度も何度も奥様の回りを通りかかります、、、、わざとだな、うん、、、こんなきれいな方が一人でいたら気になるよな?そわそわしているのは、周りの紳士も一緒の様で、、、はらはらします。

奥様がまたしてもふらりと中庭に出たので、、、、何人かの男どもが追おうとして、、、、若に睨みつけられています。お前が遅れたせいだろう!!!!心底、頭に来ます。


支度が間に合わなかったのか、上着もタイもうでに抱えたまま、、急げよな?まったく!!!




間にあいましたかね?

まあ、、、、ギリギリでしたが。

人違いですがね、、、、ぷぷっ、、、、



それでも、、、、ヒルデは奥様の幸せを願っておりますよ。




大奥様から頂いたウェディングドレスの着付けも、ヒルデが一生懸命やりますからね?









たくさんの方に読んで頂けて素直にうれしいです。ありがとうございます。


誤字脱字チェック助かりました。またよろしくお願いいたします。


寒くなってまいりましたので、皆さんもお身体お大事に。


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― 新着の感想 ―
面白くて一気読みしました。 賢くてたくましくて良い子なクリスティーナがすごく好きです。 こんな良い子を粗末に扱ったダンナ様には最後までモヤモヤしました。ささやかな望みも叶えてあげずに3年間過ごしたダン…
第一話から最新投稿話まで目を通して、真っ先に思う事ですが。 明治に生まれて、第二次大戦後の、文芸出版業界における、既に一般社会で規格統一されていて、義務教育レベルでの知識習得が暗黙の了解と化している、…
面白かったです 帳簿から人柄や行動の真実を読み目はあるのに 対面しての軽い変装に騙されるのがどこか純粋なのに玄人っぽい感じでアンバランスで面白いw でも本当にそんなことあるぅ?っていう気持ちと それだ…
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