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死んだんだけどね

 今度こそ死んだと思っていたけど、そんな事はなかったんだぜ!


 いや、死んだんだけどね。


『神は言っている。ここで死ぬ定めではないと!』


 いや、死んだんだけどね。


・・・


 今、私の目の前には、なんだか神っぽい人っぽい何かがいるっぽい?


「いやー大変でしたねぇ。まさか地球滅んじゃうとは驚きでした!」


 なんとも軽い感じで話しかけてきてくれた。

 私は、相変わらす猫の姿の様だ。


「いやーほんとビックリしたのニャー♪」


 正直十分生きたので心残りも少なく、

どうしようもなさすぎて、いっそ開き直って軽く言う。


「あれ!?声がでるのニャ!」


 猫になってから、一切喋れなかった声が出た。

 語尾が少しおかしいけど・・・。


「さすが!達観してますね♪話が早そうで助かります」


 何やら褒められたようだ。しかし・・・


「あなたは神ですかニャ?ずっとお礼が言いたかったニャ」


 最後は、ちょっと残念な感じだったけど、

猫としての日々は素晴らしいものだった。私はずっとお礼が言いたかったのだ。


「そう言えばあなたは、神にお会いした事があったんですよね。

 では、私は神を名乗る訳にはいきませんので・・・」


 どうやら猫に生まれ変わらせてくれた神とは違った様だ。


「かと言って、あまり的確な表現も出来ませんので『観測者』とでもお呼び下さい♪」


 それは名前と言っていいのだろうか・・・。

 しかし、ここはどこだろう?地球はもうないし真っ白だし。


「観測者さん、ここはどこですかニャ?」


 喋れるって素晴らしいなぁ。

 意思疎通が出来ると、生きてる事を実感しやすい。

 死んでるけど。


「ここは・・・口では上手く説明出来ないんですよね。

 実は私達の間であなたは大人気でして・・・」


 ん?人気?どゆこと?


「しかも、あなたって完全記憶と莫大な知識を持ってるじゃないですか?

 なのでそれを活かして新しい世界を作るのを手伝って欲しいんですよ♪」


 新しい世界を作る?私の事も色々と知ってるっぽい。


「それは生き返れるって事かニャ?」


 十分生きたと思ったけど、生きれるなら、まだ生きたい。


「乗り気ですね!さすがです♪あなたには異世界で生きて問題点を改善して欲しいんです。

 既に、転移者を受け入れた事のある世界なのですが問題だらけでして・・・」


 まさかの異世界転生!?ライトノベルも沢山読んだ。

 この手の話もお手のものだ。


「上手くいけば、地球にあった沢山の魂の受け口に出来ますので、

非常に助かります。出来るだけサポートもしますので宜しくお願いします」


 頭を下げられてしまった。

 まぁ、このまま死ぬくらいなら願ってもない申し出だ。

 いまいち、何をするのか分からないけど出来るだけ頑張ろう!

 

「猫のままでは色々不便ですので、あなたは獣人として転移します。

 あとサポートに妖精をつけますので仲良くしてあげて下さいね♪」


 こうして、私の異世界生活は始まった。


 人間→猫→獣人という二度の死を乗り越えて、

私は今日も、楽しく生きていくのニャ!

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