無限の叡智を持つ絶対者 暇つぶしで世界を謳歌する
神々などの手を離れた【終焉世界】、絶対者と言われた存在がそこにいた。
山のように重なり合い置かれているあらゆる屍。
その存在は聞くものを落ち着かせるような、それでいて魅力するような美しい声で呟いた
『...この世界も終わりか。』
この世界は《神》の管理下から離れ自分を殺せる存在が消えた《魔獣》や堕ちた《神獣》達が暴れ、増え、
人の世を壊しまわりその末、彼らしかいなくなり闘争しかない世界になった。
そしてこの屍は全て絶対者が殺し尽くしたのである
本来なら殺せるはずのない強大な存在も同じ上位者なら可能であるがそれは1体1の場合の話であり山のように積み重なった存在を全て相手取り殺せる存在などほとんどいない。
『既に人が消された世界、超越者も生まれなかったのか。
しかしどうしたものか、修復は可能だがここから文明を築くのは不可能だろう』
過ぎてしまったものは仕方なしとこの世界の救済と脱出を行うため権能を発動する
『顕現』
そう言って美しい装飾がされ魔術陣のような模様が掘られた夜の星空のような紺色に煌めきがある本が現れる。
そしてそれが一人でに開きさらにその上にそれぞれの色が違う本を複数召喚し術式を発動する。
『[次元転移]』『[界霧]』『[次元創造]』
同時に発動した術式は正常に起動し絶対者はそこから消える
それと同時に世界が霧のように霧散し消えた。
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概念の存在しない虚無の空間に空間を創造しそこに転移した絶対者は思考する。
『既に何千年も世界をまわり見てきたがなかなか上手くいかないものだな』
死の概念がない上位者にとって無限の寿命を持っているため好きに生きているものが多いのだがこの絶対者は少々面倒くさかった
『さすがに上位者と人間が共存する世界などそうそう見つからんか』
当たり前である。絶大な力をもち世界を創造することすら可能な絶対者にとってわざわざ下位存在と関わることなど必要も無いからである。それでも人の世界を神々が管理するのは理由があるのだが…
『こうも上手くいかないとは。自身で世界を創造するのもいいがそれだとただの箱庭になるだろう。何より元人間としては面白くない』
その時付けていた指輪が青く光る。
『おお!我でも簡易干渉できぬ世界とな。滅多に居ない力が同格なものがいるのか』
この絶対者の力だと簡易な干渉でもほとんどの世界に干渉できる。何千年ぶりにそれを弾く世界があるとなったら声も弾むだろう。
『よし。この世界に転移するか。しかし記憶力が良すぎるのも考えものだな。いらん知恵が増えていく』
そう言って権能である本を顕現させそこに今まで生きてきた記憶を叩き込む
『これでいいだろう。折角新しい世界だ。記憶も権能と最低限の知識を記憶させておけばいいだろう。必要な知識は向こうで引き出せばいい』
このように無限の知識の大本である万象とその知識の消去として霧散の持つ上位者の中でも最上位の権能を持つ絶対者は術式を構築していく。
『[記憶消去]』『[次元接続]』『[虚式転移]』
干渉出来ない世界に対して空間と世界を接続し自身を虚数化してあらゆる障害を無視する転移を発動し絶対者は消えた。
これは絶対者が世界を謳歌し好き勝手に過ごす物語である