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神々の無責任な後始末  作者: compo
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なんか迎賓館らしい私んち

という訳で勝手に迎賓館にされた我が家です。


確かテントの代わりにと、万能の力ってどんなもんじゃらほいと出した、元の我が家を手本にしたガレージ面積、ベッドを並べたら終わるお試し用コテージだったはずですが。

いつの間にやら家族が増え、ペット(?)が増え、温泉が湧き、本棚一個分だった蔵書はミズーリと姫さんが取り寄せる漫画とファッション誌で溢れたので、元は姫さんの座敷牢として急遽こさえた部屋がウォークスルークローゼット+書庫になっているのだけど、そろそろ増築が必要になり。

かと言って、個室を作ろうとすると猛烈な反対を受けたし。


今ではおおよそ20畳のワンルームに、応接間と厩舎が付随し、空に浮きっぱなし。

馬が空を飛び回るという、百鬼夜行の化け物屋敷になっています。

どうしてこうなった?

「トールさんに自覚なし。」

うるさいミズーリ。


なんでもキクスイの王子様が来ているようで。

誰だっけ?

「こないだキクスイとの交易を始める時に立ち会ってくれた子ですわ。」

「旦那様は記憶力があやしい人でしたか。生まれてくる子供は大丈夫かしら。」

何?何もまだしてませんよ?

「「「まだ?」」」

君ら何故ハモる?


とにかくメサイヤさんから、街の少年兵まで色々な人と交流がありすぎて濃すぎる生活ですから、他所様の王子様とかいちいち覚えてらんないんです。


「王族がいちいち覚えてらんない対象なのね。」

「だって!私の皇女っていう地位に何の価値観も見出してくれないんですよ。」

「(私も一応、精霊なのに)」


そりゃ君達と一緒に居るのは、本来なら至高の存在の筈の神様だからね。

創造神やら女神やらが、使い道のない碌でもない連中なのはよーくわかっているし。

「あの、トールさん、見捨てないで下さい。」

突然土下座を始めた女神様に倣って、皇女と精霊が土下座し始めました。

朝からなんなのコレ?


とにかく我が家が迎賓館らしいので準備しますか。今日は今日でやる事は大雑把ですが決まっているので、朝食を共にするって事で勘弁してもらいましょう。

折角新しく建てた司令部に応接室とゲストルームを作っといたのになぁ。

ここには姫さんが居るからしゃあないか。

その姫さんは土下座が面白くなったみたいで、如何に土下座しながらチビを捕まえられるかゲームに夢中になってるし。

頭の良いチビは、ぎりぎりで捕まらないように姫さんのそばに近づいちゃあ離れるを繰り返している訳で。

ありゃ、姫さんにチビが遊ばれてんじゃん。


迎賓館だろうかなんだろうが、我が家は我が家。私が主。

私が食べたいものを家族に食べさせます。

それが我が家の掟。


って程でもないですが、いきなりいつもみたいに納豆と生卵とお新香、メインはハムステーキか鰯の干物どっちが良い?

はいはいはい!目差しが食べたいですわ!

若い娘達が肉より魚を取るかねえ?

つうか姫さんの食生活がどんどん所帯染みてくるなぁ。

って馬鹿騒ぎをする訳にもいかず、朝から石窯を作動します。


小麦粉を練ってパン生地を作るとしばらく発酵。更に小麦粉と強力粉でマカロニパスタも作ります。

厚切りベーコン、サラミ、竹輪を石窯で加熱する間、マヨネーズとオリーブオイルでホワイトソースを作ろうとしたらミズーリに奪い取られので、キャベツを適当に切り分けようとしたらツリーさんに奪い取られました。


なお、姫さんはコーンポタージュスープ作りにレシピ本と睨めっこしてます。


パンとパスタの発酵を万能さんが進めてくれたので、石窯に放り投げて待つ事数分。

美味しそうな匂いが漂って来たところで取り出すと、マカロニは冷やして竹輪、キャベツと共にマカロニサラダ行き。ミズーリがボールを引っ掻き回します。 

私は焼けたパンにベーコン、サラミとチリソースを挟んで今度はホットサンドメーカーにガチャンコ。

トーストが焼ける頃には姫さん特製ポタージュスープも出来上がるので、ミルクをたっぷりとピッチャーについで朝ごはんの完成です。


で、チャイムが鳴ったので姫さんが出迎えに行った訳ですが。

「お久しゅうございます!」

なんか女の人がいきなり土下座し始めた。

慌てて一緒にいた男の子が土下座して、釣られてうちの娘達も土下座し始めた。

久しぶりの土下座ブーム再来?

「なんですか?コレ。」

カピタンさんがいつものように戸惑ってます。

さあ?

あれ?後ろで土下座してるのイリスさんじゃん。何してんの?

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