神々の土下座 2
再び同じ風景の中で目を覚ました。
あゝもう。大人しく死なせてくれよ。
ぶつぶつ言いながら、起き上がってみる。
さっきと違う点が2つある。
土下座している人が増えていた。
私が意識を回復したのを察したのか、2人が顔を上げる。
さっきとは違う、多少大人びて見えるこれも綺麗な女性と、白い髭を生やした年配の男性だった。
「増えた。」
「何人でも増えます。」
男性の方が答える。さっきのミズーリだか目薬だかの上司だろうか。
「お願いです。生きて下さい。」
自殺の名所に立つ看板みたいな事を言い出したぞ。
「私に生きる必然性が無さそうなんですが。」
「それでもです。」
「それでもですか。」
「貴方を間違えて死亡させてしまたった女神ミズーリは、自身の累積ミスで下界に現在落とされています。」
なるほど、神を名乗るにはポンコツ過ぎたんだな。
「しかし、ミズーリがいないと死を司れる女神の絶対数が足りなくなります。」
おいおい、神様の人手不足って何?
それに、後ろの美人さんがいるのでは?
「彼女はミズーリの代わりに配置となりますが、他の世界と兼任となる為、勤務時間が天界規定を超えてしまいます。」
神界はブラック企業だった。
「何人でも増えられないじゃない。」
「貴方を説得するまで関係各所から集めて何人でも増やします。」
本当にブラック企業ですね?
「実はこの方は創造神にしてありとあらゆる生命の父たる大神なのですが。」
後ろの美人さんが喋りだした。秘書みたいな立場かと思った。
「結構、かなり、相当いい加減な方なので、朝令暮改その場その場で適当な事を言い出して、放っておくと世界のシステムを滅茶苦茶にしてしまうのです。」
四文字熟語や英単語を使い始めた美人さん。
偉い神様に対して容赦ないな。
「まあ、私の世界でも神話の神様って大体欲に塗れたどうしようもない神様ばかりですから。むしろ人間が修行や受難で神仏化して行く話の方が尊敬に値します。」
「ですよね。」
なんか美人さんが食い付いて来た。創造神様はそっぽ向いてるとこ見ると自覚はある様だ。
「そこで貴方様にはミズーリのお手伝いをしていただきたく思います。」
「私には何の得もなさそうですが。」
「いえ、2点ございます。まず、ミズーリのお手伝いしている限り貴方は万能になります。
貴方には不可能が無くなるのです。何をどうしようと、人を殺そうと救おうと、なんならミズーリを夜伽に呼んでも結構です。どうせミズーリの身体ですから。どんなプレイでもご自由にお使いください。」
おいおい。
「それから、次の人生に神の加護をつけますので、財産と異性に不自由しない幸運に包まれた一生をお約束します。」
ふむふむ、一考に値しそうではある。
「で、何をどうしたら?」
「わかりません」
はい?
「ミズーリを天界に返す条件も探していただきます。」
「そこにいる創造神様に聞けば?」
「わからん。」
即答された。
「女神堕天なんか初めての事で、私の想定外なのだよ。」
ポンコツ神パート2
「なので貴方様が頼りなんです。私の残業時間を減らせるのは貴方しかいません。」
パート3もいた。大丈夫か天界。
「いやでも、私である必要性を感じませんが?」
「貴方は死にたてホカホカで、しかもミズーリとの縁が今一番深い方だからです。」
理由になっていない。
「それではよろしくお願いします。」
という訳で、私は再び元の森に落とされた。
唐突だし不親切だな神様。
第二話です。
ダークファンタジーって何?
最初は神様すら退治する事も構想に入れていたんですけどねぇ。
創造神様は裏に表にウロウロし続けますが、ブラック企業のOLと化した女性神はフェードアウトです。