人の心は、分からない
所長は、面接の前にトイレに行く癖がある。
今日は、面接が3件ある。
面接の担当の宮田さんが、面接に来た人の履歴書のコピーをとっていた。
いずれも、女性だった。
翌朝、生田は、何もなかったように出勤してきた。
そして、「羽田君、セーシェルダイビングの件は、どうしたの」
「生田さんでないと分からない件もあるから、私は手をつけていません」
「生田さん、昨日、セーシェルダイビングの中山さんから、電話がありましたから、伝言メモを残して置きましたよ」
「金田さん、ありがとう。」
その後、生田は、セーシェルダイビングと電話をしていた。
私も、生田さんも今日は、午後から、顧問先訪問だ。
私は、自由が丘にある奥沢ハウジングだ。
折角だから、自由が丘のあの店で、お昼にしようと考えて、早めに出掛けた。
自由が丘で、昼食を取り、奥沢ハウジングへ行こうと思ったとき、
食事をしたレストランのあるビルのエレベーターから、生田美穂が出てきた。
生田は、私に見つかってしまった。と分かると、私と目を合わさないようにして、そそくさと出ていった。
このビルのテナントに、水野会計事務所なる会計事務所があった。
私は、生田が、分からないように、転職活動を始めたと感じはじめた。
この日は、そのまま、直帰した。