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白亜の魔女ミレーヌの旅行記  作者: 彩音
第一章-幼女時代-
4/43

03.魔導士試験 その1

 目差せ合格です!!

.

.

 試験は七日後。属性の曜日がぐるっと一回りしてから行われることになりました。

 お母さんがお母様に私のことを話した当初は半信半疑だったようですが、百聞は一見に如かずということで訓練場に三人で行き、魔法を使用して見せたところ、お母様の目の色が変わり試験日が決定したのです。

 普段は私にとことん甘いお母様ですが、こと魔法に関してはそこに私情を挟むようなことはない人です。

 魔法バカとでもいうのでしょうか? お母様はきっとこの国で誰よりも魔法に精通していて、故にその素晴らしさや怖さを知っています。

--------------------

 魔法は使い方、使う人によって性質が変わる。毒にも薬にもなる。

 だからこそ魔法は正しく使わなければならない。

-------------------- 

 というのがお母様の口癖です。

 そんなお母様だからこそ宮廷魔導士という職に就けたのでしょう。

 そう言えば今日訓練場に宮廷魔導士がいたことを話しました。

 その方は仕事でミスをしてお母様にこっぴどく叱られたそうです。

 そのストレス解消に来ていたのではないかとお母様は楽しそうに笑いながら教えてくれました。

 なるほど。王宮離れの宮廷魔導士魔法訓練場では少々体裁が悪かったということですね。

 それで民間の魔法訓練場に来ていたということですか。納得です。


「その宮廷魔導士がとんでもない子供がいたと話していたけど、ミレーヌのことだったのね」

「ええ。私も本当にびっくりしたわ」

「水・炎・風の三つの属性を使えるなんて、宮廷魔導士にもそうはいないわ。

 それにもしかしたら他の属性魔法も使えるかもしれないんでしょう?

 我が子ながら末恐ろしいわね」

「でもミレーヌちゃんだもの。大丈夫よ」

「そうね」


 ふふん。期待と信頼が大きいですね。

 大体の人はこのような感じを受けるとプレッシャーに感じるのでしょうけど、私は逆に燃えます。

 こうなるとお母様に度肝を抜かせてみたいですね。

 試験日までに試行錯誤しましょう。


 それから私は毎日のように魔法訓練場に通い様々な魔法を試しました。

 一度は魔力枯渇状態に陥って倒れてしまい、いつもは優しいお母様たちに散々叱られてしまいましたが、これも良い経験になりました。私の魔力がどれくらいあるのかの目安のようなものが分かりましたし。はい、私ですから転んでもただでは起きないのです。


 そうこうしているうちに試験日がやって来ました。

 筆記試験、面接、それから魔法実践が試験内容です。

 今回の場合筆記と面接に関しては私がまだ五歳ということもあって試験の点数にそれ程大きく関係しないようにしているらしいです。大切なのはあくまでも魔法実践試験。


「だから筆記と面接は出来なくてもなんとかなると思っていてね」

「はい! お母様」

「頑張ってね。ミレーヌ」

「はい!!」


 お母様の励ましを受けて試験開始です。

 筆記試験。どんなものかと思っていたら、文字の読み書きと作文、計算と歴史問題でした。

 

〘この程度なら余裕だね。中学生くらいまでに習うことばかりだ。

 歴史についても神様から色々聞いてるしね〙


 私、神様と会ったことあるんでしょうか? そんな口ぶりですけど。

 私は一体何者? いえ、そんな筈ありません。

 本当に突然脳内に出てくる言葉や映像には困惑させられます。

 悔しいことに役に立つことも多々ありますけど……。


 全て解き終えて時間が余り、おかげで見直すことも出来ました。

 そこそこいい出来なんじゃないでしょうか?

 続いては面接試験です。



「ではこちらへどうぞ」


 筆記試験が終わり、試験担当のお姉さんに手を引かれて会場に向かいます。

 お姉さんは会場に着くまで私をちらちら見ては笑んでいました。

 美幼女すぎるのも罪ですね。また一人ファンを増やしてしまいましたか。


 それにしてもこの会場は何故か既視感がありますね。


〘日本の学校みたい〙


 実際ここは魔法学園ですからね。

 いつもは生徒たちがいますが、今日は無属性の日なので私たちの貸し切りみたいな感じです。

 石作りの廊下を歩いていきます。いえ、これは大理石でしょうか?

 贅沢な作りですね。教育に力を入れていることを示すため? 多分そうなのでしょう。


"コンッコンッコンッ"

「失礼します。ミレーヌさんをお連れしました」

「入りなさい」


 さて、面接会場に到着しました。

 入室するとお母様を含めた他二人の女性が私のことを興味深そうに一瞥します。


「へぇ、こちらがエミリア士団長の秘蔵っ子のミレーヌちゃんですか」

「マチルダ、私語は慎みなさい。……ミレーヌさん、紹介します。

 私は宮廷魔導士団長補佐のソフィアです。真ん中が士団長のエミリア、その左が副士団長の……」

「マチルダでーす。よろしくね。ミレーヌちゃん」

「マチルダ。真面目にやりなさい!!」

「はいはい。ったくソフィアは口煩いなぁ」


 マチルダさん、軽いですね。

 まぁ、このような方も組織という枠組の中には必要ですよね。

 では、次は私ですかね。


「ミレーヌさん、自己紹介をお願いします」

「はい。私はミレーヌ・エル・スタールと申します。

 本日はこのような時間を設けていただきありがとうございます。

 まだ五歳という年齢ですので合格出来るかは分かりませんが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします」


 自己紹介を終えたらカーテシー。

 顔を上げるとお母様は平然としてるのに対して、ソフィアさんとマチルダさんは呆けています。


「士団長、ミレーヌちゃんは本当に五歳なんですか?」

「ふふ、私とカナリアの子だからね」

「なるほど。士団長が職場でよく自慢される意味が良く分かりました」


 お母様、私のこと自慢されているのですか。それは嬉しいですね。 

 良いことを知ってニコニコ微笑んでいると次の質問が投げかけられます。

 

「では志望動機とこれから成したいことを教えてください」


 志望動機ですか。これは少し難しいですね。

 実際私利私欲ですから。言いませんが。


「はい。これはこれから成したいことと同じ意味合いとなるかもしれませんが、私が魔導士となった暁にはこの国、ひいてはこの世界に生きる人々の暮らしを今よりも豊かなものにしたいと考えています。そのために新たな魔道具の開発を行っていく所存です」

「ミレーヌ、そんなことを考えていたのね」

「はい、お母様」

「そう」


 お母様が顎に手を置いて何やら思案顔になります。

 なんでしょうか? ここで意味深な顔をされると怖いものがあります。


「士団長?」

「あ、うん。これで面接は終わりね。

 次は魔法実践なのでこの学園の訓練場に移動しましょう。

 どんな魔法を見せてくれるか、期待してるわ。ミレーヌ」

「はい! お母様」


 面接官共々私たちは揃って移動します。

 この間マチルダさんが私の頭を撫でてくれたのはいいのですけど、髪がぼさぼさになりました。

 手加減を知らないみたいですね。この方のこと、私は苦手かもしれません。


「もう! 髪がぐちゃぐちゃです」


 ぶつぶつ言いながら手櫛で髪を整えます。

 女の子ですから。身だしなみには気を使いますよ。


「えっと、ごめんね? ミレーヌちゃん」


 またマチルダさんが近寄ってこようとしていましたが、ソフィアさんが私に近寄らせないようガードしてくれました。ありがとうございます。

 マチルダさんはガッカリしていた顔をしていましたが知りません!


 学園の訓練場に到着しました。

 いわゆる体育館ですね。

 第一と第二があるみたいで、第一が魔法訓練場、第二が武闘訓練所と分かれているようです。

 ここでも案山子が使われています。

 そこまでの距離は民間魔法訓練場よりも近いです。

 私は試験官に促されて魔法行使者の立つ円の中に入ります。

 

「では始めてください」


 試験官の号令がかかりました。

 お母様を驚かせることが出来るでしょうか?

 私の私による試験合格のための舞台幕開けです。

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