第41話 違和感の理由と胸騒ぎ
学園都市ヘスターに作られた人工ダンジョン、マキシムラビリンス。
ギルバード達Dクラスの生徒達はその施設を踏破し、無事に長期休暇を迎える事が出来た。
最下層の攻略後には祝勝会が開かれ、その中で『どこかへ遊びに行こう』という話がされる。
『そもそもどこへ行くのか』という問題はロイが別荘地を手配して解消し、彼らは休みの半分をそこで過ごすことになった。
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ロイが僕達を招待した別荘地はヘスターから少し離れた場所、デルカに近い位置に存在する。
ここは少し前まで何度も挑んだマキシムラビリンスとは違い、非常に快適な環境だ。
物思いに耽る時間を得た僕は、いつからか抱いている『この世界は何か違う』という違和感について考えるようになった。
そうした違和感の大半は魔法やスキル等、この世界での一般常識に抱いている。
「でも、マキシムラビリンスは……」
そうした一般常識に違和感は抱くが、マキシムラビリンスや古代遺跡には違和感を感じない。
この世界の技術と似つかわしくないマキシムの技術からは、違和感を感じないのだ。
その理由は考えても分からないが、一端は僕が持つスキルにあると感じている。
このスキルもマキシムの技術と同じく、この世界に合わない異質なスキルだからだ
「だからと言って、何が分かる訳でも無いんだよねぇ~……」
僕はスキルの真理を探求する学者でも無ければ、世界の真理を探求する学者でもない。
スティージ学園に通う一人の学生で、デルカ支部に所属するハンター。そしてクリフ家で育てられた子供だ。
違和感の正体を考えずにはいられないが、僕は頭を切り替え休暇に集中する事にした。
……のだが、その矢先。
僕の目には酷く焦った様子で走る人影が映った。
「……ロメオさん?」
「ギルバード様ー! やっと見つけたっ!!」
「一体何があったの?」
彼は僕がヘスターへ向かう道中で襲ってきた盗賊団の頭領だ。
現在はクリフ家に雇われ、訓練を受けていたと聞いている。
そんな彼がボロボロになる程の事態となると、嫌な予感を覚えずには居られない。
僕はロメオさんが息を整えるのを待ち、同時に何があっても驚かない覚悟も決めていた。
「デルカが……スタンピードで大量の魔物に襲われてるんです!」
「スタンピード? 父さん達やハンター達が居れば問題無いと思うけど……」
「それが遠方から多数の依頼が来てて、ハンターは遠方へ出た後だしウェイド様とジュリアン様も王都に向かっちゃって……」
「何とか呼び戻す事は出来なかったの?」
「出発したのが結構前なんです。なので今から呼び戻そうにも間に合わないだろうから、一番近くに居るギルバード様の判断を仰いだ方が良いだろうとウェイン様が……」
「分かった、行くよ」
「良いんですか!? 休暇中だったでしょうに……」
「十分休んだから大丈夫だよ。それに街の事が心配だから……」
招待してくれたロイを始め……Dクラスの皆には悪いが、僕は黙って別荘地を抜け出した。




