第5話 不良って、ボランティアするの?
俺って、可愛そうな奴だよな。宇宙人に殺されかけるなんて・・・。
「宇宙人に恨まれる様な事、したっけ?」
俺は自販機でジュースを買っているところだった。
「おはにょう(おはよう)。」
おはにょう・・・?
俺は声のした方に、振り返った。
「青樹・・・か?」
誰か分からなかった。だって、顔が包帯でぐるぐる巻きで、鼻にティッシュが詰め込まれていたんだぜ?・・・って、俺の所為なんだけど。
「えっと・・・昨日は悪かったな、色々と。」
「べふにひひっへはんふらひ(別にいいってあの位)。」
何言ってるか、分かんねえ。
「お、お詫びに奢るよ。何がいい?」
俺は罪悪感を感じ、せめてものお詫びとして、ジュースを奢る事にした。
「ひゃあ・・・ひゃはいひゅーひゅ(じゃあ・・・野菜ジュース)。」
馬だから?
「分かった。野菜ジュース・・・っと。」
「おい、ちんたらしてんじゃねーぞ。」
何処かから、低い声がした。なんか、喋り方からして不良っぽい。今度は何か?ジャガーとかか?
俺は後ろを振り返った。
「あれ?何処に・・・?」
何かが足に触った。
「何?」
足元を見てみると・・・
「か、可愛い!!」
ハムスターが俺の靴の上に、乗っかっていた。
この人絶対、いい人だ。不良だけど実は、海のゴミ拾いとか、募金とかしてるタイプだ。
「は、ひょうひまひぇんひゃひ(あ、條島先輩)。」
「青樹、知ってんの?」
「ふん!!ひょのひゃっひょーへひひひゃんふひょいふひょふふんはんほ、ひーはーはっへ!!(うん!!この学校でいちばん強い不良軍団の、リーダーだって!!)」
いちばん強い?
「ぷ・・・くくく。」
やばい、笑いが抑え切れない。
「笑ってんじゃねー!!!」
條島先輩はそう言い残して、その場から去っていった。
あ・・・また何か、起こったりして。