12.王立高等学校入学試験2
いよいよ魔法の実技が始まる。自分の魔法がどれくらい強いのか全く分からないから他の人の魔法を見るいい機会だね。
「それでは1番の者から順当に前に来なさい。」
「よっしゃ!!俺からだぜ!!」
1番の人はそう言うと私の方を見てきた。なんか目で訴えかけてるような......アピールしますって事なのかな?多分自意識過剰なだけだと思うけど。
「それでは.....始めっ!!」
「いくぜ、見てろよ!!火炎!!」
「.......よし、次っ!!」
「はい!!」
…………ん?威力弱っ!!用意されている的に当たったは当たったけれども、的を焦がす程度だった。若しかしてみんなの魔法の威力ってあんなものなのかな。まあ私の順番は最後の方だからもっとじっくり見られるから結論はそれからにしようかな。
その後私の番まで他の人の魔法を見ていたのだけれど、どれもこれも意外と大したこと無かった。
「よしっ、次っ!!」
「はぁーい。」
いよいよ私の番だ。どうしよう手を抜いた方がいいのかな?実力は隠すべきなのかもしれない。
「えーっと....蒼電の弾丸!!」
ちゅどん!!!
私の放った電撃は的を物凄い速さで貫いた。
「ふぅ。」
「……よ、よし、つ、次っ!!」
「.………え、何あれ?」
「何が起こったのですか?」
「速過ぎて全然見えなかったぜ.....」
「うっそぉ、的を貫いたなんて......」
あれでも威力調整したつもりなんだけどなぁ。まだ強かったのかな。まあそれで弱すぎたら話にならないからこのぐらいで良かったと思うけどね。
そのまま受験者全員の魔法の威力測定が終わった。はっきり言ってレベルは低いかな。私が5歳の時の魔法の方が強い気がしなくもない.........
「えーー、次はいよいよ最後の試験となる。内容としてはトーナメント表を事前にこちらで組んであるので、それに従って1対1の魔法を使った戦闘をしてもらう。勝ち負けの判定はこちらで戦闘不能と判断した場合か気絶した時、定められたステージから出た時だ。詳細なルールについてだが、相手を殺すような威力の魔法の行使を禁ずることと、剣、斧、弓などの武器の使用を禁ずることと、必ず魔法を使用することだ。尚勝敗がそのまま合否に関わるとは限らない。何か質問はあるか?ある者は挙手しろ。」
私は聞きたいことがあったので挙手した。
「そこの君、どうぞ。」
「ありがとうございますですわ。それでは、武器の使用は禁じられていますが、素手での格闘戦やロッドなどの魔法を放つための補助具はどうなるのでしょうか?」
「先ず、近接戦闘についてだが、武器を使わない限り認める。また魔法を放つための補助具については、それを近接戦闘で用いない限り使用可能とする。以上だ。」
「了解いたしましたわ。」
どうやら肉弾戦は有りらしい。といってもやる気は全くないんだけどね。
「それでは初戦の組み合わせを発表する。先ずはカルロス=バシル=フォン=コーリウス対ファニス=イオセス=フォン=グリワールだ。」
「「はい!!」」
遂に最終試験の対人魔法戦闘が始まった。実際試合が始まった時どうするか考えとかないといけなかも。その場凌ぎの魔法撃って怪我でもさせたら、いや怪我ならまだましな方か。死傷させたら流石にまずいよね。
とりあえず蒼電の弾丸を相手の首筋に当てて気絶させたらいいかな。謂わば遠隔スタンガンみたいな物だから威力を抑えれば殺しはしないと思う。あとの対策はまた考えよう。
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それから何試合か終わったけれども、あまりいい策は思いつかなかった。いやぁ、よく考えたら人に向かって魔法撃つことほとんど無かったからね。
「えー、次の対戦だが、アウラ=レオニダス=フォン=フランク対ディミトラ=ダモン=フォン=トリメテスだ。」
「奇遇ですわね。まさか初戦で貴女と当たるだなんてなんて幸運なのかしら。いや、貴女にとっては不運かしらね!!」
「えーーっと...誰でしたっけ?」
「あ、貴女私の顔をお忘れになって!?」
「あーー.....着替えの時に絡んできた方でしたっ
け?」
「そっ、それよりも覚えてなさったのね。」
そのセリフを言ったらさっきの私の質問を肯定してることになるんですけど...気づいていらっしゃらないようですね....
「まあいいわ、正々堂々と勝負いたしましょう!!」
「ええ、こちらも望むところですわ。」
「両者準備はいいな?それでは....始めっ!!」
「風...」
「蒼電の弾丸!!」
「きゃー!!」
バタッ
「.………」
「し、勝者アウラ=レオニダス=フォン=フランク!!」
「「うおぉーーー!!!」」
「すげぇ〜、一瞬だったぜ。」
「速すぎて見えなかったよ...」
「強すぎるだろあれ。」
「なんかイカサマって言われても納得できそう...」
みんなが野次や賞賛の言葉を述べる中私は対戦の場を後にした。
「ふーー。予定通りで何よりだよ。」
取り敢えずなんとかなった。
それにしてもここまでうまくいくとは。防御魔法で防がれる可能性もあったんだけど、その時は防御魔法を貫通できるだけの威力にしたらいいだけなので特に問題はないのだけどそれすらしない、いやさせなかったのかな。相手の詠唱中に魔法撃っちゃったから。だって私にとって詠唱は副次的なものであって、イメージさえ出来れば詠唱は要らないからね。まあこのことは秘匿するつもりだけれど。
「アウラ、おめでとう!!」
「あ...ありがとうですわ、エスラティオス」
急に話しかけてきた人がいると思ったらエスラティオスだった。考え事中に話しかけるのはやめて欲しいかも。
「そういえばエスラティオスって呼びにくくない?」
「た、確かにそうですわね...」
「じゃあ、これからはエティって呼んでくれないかな?」
「エティ......ですか?」
「そうだよ。僕の親しい人達もそう呼んでるからね。」
「分かりましたわ。じゃあエティも頑張って下さいね。」
「任せといてよ!!!」
そう言うとエティは足早に試合会場へと向かった。女子に励まされた男子ってこうなるのか。まああっちでもよくあったことなのだけどね。エティって現金な人はだったのかな......いや男子が現金な人の方が正しいかな。
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それからと言うものの、順調に勝ち進んでいった。何しも受験者が無駄に多いのでトーナメントの対戦数が凄いことになっていた。私はもう5回ぐらい戦った。中には私の蒼電の弾丸を防御魔法で防ごうとする人もいたけれど、それを貫通させる威力でぶっ放した。まあ計画通りかな。
「それでは、決勝戦を始める。対戦する両者は前へ!!」
長い間戦っている...まあ一戦一戦は瞬殺だけど、うちに気付けば決勝戦を迎えていた。
「やあ、アウラ。まさか君がこれほど強いだなんて驚きだよ。」
「此方こそエティがここまでお強いとは想像いたしませんでしたわ。」
「ま、まぁね。これでも自分に自信があるからね。」
「そうでしたか。それでは正々堂々と致しましょうか。」
「そうだね。お手柔らかにお願いするよ。あっ、でも手加減はしたらダメだからね。」
て、手加減をするな………だとぉ?本気を出しちゃうとほぼ確実に殺っちゃうんですけど?まあ流石に本気は出さないけどね。と言うか出せないんだけどね。
「それでは両者準備はいいな?」
「はい!!」
「大丈夫ですわ。」
「それでは.......始めっ!!」
こうして最後の試験であるエティとの魔法戦闘が始まったのであった。
まだ終わりませんでした………想像以上に話が膨らんでしまって、でも次で試験編は終わります。たぶん......いや、必ず。
P.S アウラの魔法の詠唱がどの属性にも属していないのは理由がありますので、それは以降のお話で紹介したいと思います。




