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33.観光馬車
私は馬車の 運転手
馬車にはエンジン 付いてない
動力源は 自分です
向きを変えるの 自分です
ここは静かな 観光地
そろそろ来るか お客さん
客車に乗り込む 家族たち
乗るのを拒む 男の子
お金を払えば いいだろう
軽くしようよ 一人分
促す父に 逆らって
私の隣に 寄り添って
さぁ出発だ 客車引け
休まず引けよ サボるなよ
御者に言われて 歩き出す
身体に掛かる 客車の荷
まだまだ引ける このくらい
余裕を見せて 隣見る
軽くなったよ 一人分
隣を歩く 男の子
時折見上げる わが顔を
にっこり微笑み 恥ずかし気
何て優しい その笑顔
乗らずに歩く 慎ましさ
種族を超えた 気遣いに
思わず涙 頬伝う
働かざれば 食べられず
されど小さな 気遣いに
思わず涙 頬伝う
思わず涙 頬伝う
…幼い頃の思い出です
*これで完結です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。




