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第十二話:物語の行く末と、次なる物語へ

この物語は、AIによって執筆されました。

### 宮中に響く、もう一つの物語



「紫式部殿も、ついに私の本質に気づいたようね。でも、もう遅い。私が蒔いた種は、すでに宮中に深く根を下ろしてしまったわ」



 私は、紫式部の困惑した様子を思い出し、不敵な笑みを浮かべた。

 私が宮中に密かに広めてきた「新・源氏物語」は、もはや彼女の一存で止められるものではない。

 それは、まるで空気のように、宮廷の貴族たちの間に浸透し始めていたのだ。


 清少納言としての私の随筆は、相変わらず雅やかな言葉で綴られていた。

 しかし、その行間に隠された「BL的な解釈」のヒントは、一部の聡い貴族や女房たちの間で、ひそかな楽しみとなっていた。

 特に、私が創造した新しいキャラクターたちが、既存の登場人物たちと織りなす関係性は、彼らの想像力を掻き立てた。


 ある日の夜会で、私は耳にした。



「殿方の間に、かくも深き絆があろうとは……清少納言殿の筆は、まことに人の心の奥底を見透かすようだ。特に、頭中将の君と光源氏の君の、あの張り詰めた関係性が、読み進めるごとに胸を締め付けられる」



「ええ、あの夕霧の君と柏木の君の、師弟にも似た関係が、いつしか互いを深く理解し、支え合う仲となっていると噂され、心を打つわ。また、薫の君と匂宮の君の間には、友情を超えた、しかし形にならない情熱が渦巻いているとも」



 噂話は、日を追うごとに具体的な「萌え」の形を帯びていく。

 私の書いた物語が、人々の間で、口づてに、あるいは筆写されて、もう一つの『源氏物語』として広まり始めていたのだ。

 それは、紫式部の正統な物語とは異なる、しかし確かに人々の心を惹きつける、新しい形の物語として。


 紫式部も、この状況に手をこまねいているわけではなかった。

 彼女は、私の随筆とは異なる、より純粋な男女の物語としての『源氏物語』の執筆に、一層の情熱を傾けた。

 彼女の書く物語は、確かに人々の心を打ち、深く感動させた。

 その文学的価値は、誰もが認めるところだった。

 しかし、私が広めた「新・源氏物語」は、それとは別の層、より個人的な「萌え」や、新たな感情の形を求める人々の心に、確かに響いていたのだ。

 それは、正史には載らない、裏の物語として、人々の想像力を刺激し続けた。



### 終わりと始まり、そして次なる世界へ


 やがて、清少納言としての私の生にも終わりが近づいてきた。

 私は、来るべき時に備え、最後の筆を執った。



「この世に生を受け、美しき宮廷にて、心揺さぶる物語を紡ぐことを許された。私の筆は、真実の愛の形を、時に捻じ曲げ、時に創造し、ここに新たな『源氏物語』を世に送り出す。それは、正しき歴史には刻まれなくとも、人々の心には、確かにその香りを留めるであろう」



 私の日記や随筆は、一部の熱心な読者によって密かに筆写され、あるいは口伝で広まり、時代を超えてひっそりと伝えられていくかもしれない。

 それは、紫式部の壮大な物語とは異なる、秘められた「BL源氏物語」として。


 清少納言としての生を終えた私は、意識が薄れていく中で、自分が現代のBL作家・橘薫であった頃の記憶をより鮮明に思い出した。

 そして、次に目覚める場所がどこであっても、私の「物語を創造する」という情熱は、決して消えないことを知っていた。



「ふふふ……平安の次は……そうね、戦国時代の武将たちも、きっと素晴らしい『萌え』の宝庫だわ!」



 私の意識は、柔らかな光に包まれていく。

 物語は、終わらない。

 私が存在し続ける限り、新たな「萌え」は、常にどこかで芽吹き続けるだろう。


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