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不思議な路地裏?
「…………はぁ」
高校一年生の、ある夏のこと。
人ひとり見当たらない、閑散とした住宅街――その一本道を、そっと息を洩らし一人歩みを進めていく。……ふぅ、やっと終わった。でも、今日はまだ月曜日……明日も明後日も、また同じことの繰り返し。そして、そんなことがあと二年以上も続いていく日々……もう、いっそのこと――
そんな鬱屈とした気持ちを抱え、歩みを進めた先は小さな路地裏。仄かに揺れる朱色の提灯、そして優しく響く風鈴の音――そんな風情漂う細道に、なんだか心が穏やかに……あれ? そう言えば、こんなところに路地裏なんて――
「…………え?」
刹那、思考が止まる。と言うのも……路地裏を抜けると、卒然ハッと辺り全てが光に包まれたから。思いも寄らない光景にしばし茫然としていると、徐々に光が消え視界が開けていく。そして、僕の視界に映ったのは――
「…………じん、じゃ……?」