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一時の別れ

次の日、側近の人が来る前に三人は起床して、X(エックス)は、三人にある魔法をかける。


『これは【守護魔法: 神の守り(ゴットプリート)】と言う上級【ゴットスキル】です。』


『このスキルは魔力暴走を抑えることと【スキル】を隠す能力が備わっていますのでバレることはないとお思いください。』


三人は歓喜極まった。さすがは【アブノーマル烙印】を世界でたった一人解除出来るのだから優秀なのは当然か。とX(エックス)を褒め称える。


「おお!! なんとも便利な能力なのだろうか! これで僕達の一番の心配事は無くなったようだ。」


嬉しそうな顔をするリアにスティーデンや彩芽も心の底で深く安心した様子でホッとため息をつける。


『では、呪文はかけましたのでこれにて失礼いたします。』


そう言ってX(エックス)は元の本の状態に戻って行った。本はドンと床に落ちリアは落ちた本を回収しリュックの中に入れた。


その後はやることがないので三人は、側近の人が来る前にリアが三人で寝たベットの上に二人とも集まり、二年間の間と今後について話す。


「まず、今後のために情報が欲しい。この二年間で外の世界や【魔王軍】そしてここのジジイについて、できるだけ情報が欲しい。」


「確かに情報があった方が、今後どのようにして旅支度を済ませればいいのか物によっては変わるからね」


彩芽は口元に手をのせ、リアが言っていることを理解した。


「さすが、理解が早くてとても助かるよ。」


そんな話をしていると、コンコンとノックされた音が聞こえて来てスティーデンが別途から降り扉を開ける。


するとスティーデンの目の前には昨日の側近の人と後ろには身長が高く、少し細い体で、白く短い髭を整えた、初老の男性とフードでよく顔が見えないガタイから見て男性のような人が後ろで待っていた。


「おはようございます。よくお眠りになられたでしょうか? 」


にこにこと笑う側近にイライラして目がキッとなる。


「いや、いきなりこんな意味わかんねぇ世界にきたんだ寝れなくて早く元の世界で、柔らかいベットで寝たいね。」


皮肉ったような言い方に側近の人はあまり気にしていないのか、


「そうですか。ですが今後このような贅沢はございませんので覚悟していてください。あなた方三人には【西口】【東口】【沖琉高山(ちゅうりゅうこうざん)】に別れて鍛錬をしてもらいます。」


そう言って側近の人は扉から少し離れて初老の男性が部屋の中に入ってきて、にこりと笑顔をみせスティーデンを見た。


「おはようございます、スティーデン様。私の名前は【アンドリー・ヲン・スティーブ】と申します。【東口】からあなたをお迎えにきました。」


「はぁ? 俺? なんで俺だよ。」


悪態をつく態度を見せるスティーデンだが、初老アンドリーは気にしていないのかのようにニコニコと笑顔を見せる。


「はい、貴方には【剣術】を習い私達【イザラ王国騎士団】があなたをミッチリ鍛え上げましょう。」


初老アンドリーはニコリとスティーデンに笑い圧をかける。


その時のスティーデンはこの初老のおじいさんの目を見て直感的に自分よりも()()ことがわかった。


ある大会に出た時に自分よりも強いやつほど圧をかけるだけで、プレッシャーのような冷や汗が出てくる。今、それと同じことが起こっている。


多分だか、このじいさんはめちゃくちゃ強い【騎士団長】とかで歳だから定年したのだろうと、スティーデンはそう思った。


嫌々だが、逃げれるような相手では無いと判断しスティーデンはポッケに手を突込みリア達に別れを言うため後ろに振り返る。


「……じゃあ俺、先行くから、またな。次は三年後に会おうぜ。」


別に最後の別れでもない為、軽い別れの挨拶をするとリアは呆れた様子でスティーデンに近ずき別れの挨拶をした。


「うん。まぁ君のことだから三年間でとても強くなっているだろう。……一時の別れだ、体には気おつけたまえ。」


「あぁ……」


リアとスティーデンはグータッチをしてあっさりとした別れを告げ、スティーデンは初老の男性アンドリーについて行った。


スティーデンが見えなくなったのか側近の人は部屋に入りリアに近ずく。


「では、リア様。あなたは【西口】に向かい【魔導師】になるための鍛錬してください。」


「ほう……僕は【魔導師】になるのか。(魔導師よりも【錬金術師】の方がよっぽど魅力的に見えるが……まぁ贅沢は言えないか) わかった、誰について行けばいい? 」


リアは後ろにいるフードの男をジッと見ていると、フードの男が近ずいてきて目の前まで来た。


「彼らは【四季影】と言って、あなたを【西口】まで案内してくれます。喋りませんので、質問しても何も返答しないので、ご注意を。」


真面目な顔の側近にリアは興味深そうにその【四季影】を見ていた。


思い出してみたら【四季影】は、僕達を襲い僕達に【烙印】をつけた奴らだと思い出し警戒心を強めた。


そんな様子を見ていた彩芽はリアが着ている白衣の裾をつかんで心配しているのか上目遣いで泣きそうな顔をして裾を強く握る。


「リア……気おつけてね。私あなたの為ならなんだってしてあげるし、あなたの為にも強くなるから。」


少し不安そうな顔でみるが、リアは彩芽の目を見て思った。

【覚悟の目】をしていることに気が付きリアは、さすが と思う尊敬の気持ちになった。


「ありがとう、彩芽。でも『()()()()()()』はあまり感心できないね。自分の体は大事にしないと。」


リアは彩芽の触り心地のよい髪に触れ、頭をなでる。


その時の彩芽は、リアの紳士的な発言と自分が子供扱いされているとゆう複雑な気持ちと、かっこいいとゆう色々な感情で頭がパンクしそうになり顔を真っ赤に染めていた。 そんな彩芽は祝福の時間に浸っていると、


「イチャイチャしないで、そろそろ行きますよ。」


側近の人はその様子を見て呆れ、声をかけると、リアは切り替え彩芽の触り心地の良い頭から手をはなした。


「おや、待たせてしまってすまないね。……じゃあ、僕は行くから体には気おつけたまえ」


「うん……リアも、気おつけてね」


もじもじとした様子で見送る彩芽にリアは少し心配な気持ちで【四季影】についていった。


そのあと、リアが見えなくなったタイミングで側近の人は彩芽を見て真剣な表情になる。


「いいですか。あなたは、三人の中で一番厳しい鍛錬です。覚悟はできていますか?」


ギラリと鋭い表情に怖気ついてしまいそうだが、断っても自分には暗い未来しかないため断る理由もなかったため自信を持って側近の人の目を見て前にでて手を胸に添える。


「はい、覚悟はできています。」


二人とも二年間でどれくらい強くなっているか分からないが、二人も覚悟を決めて行ってくるのだ。


自分も頑張らなければ。


覚悟を決めた表情を見せると、側近の人は安堵のこもった声を出すが直ぐに気持ちを切り替えまた真剣な顔で彩芽を見る。そして、


「では、あなたには()()()沖琉高山(ちゅうりゅうこうざん)】の登山しますので、準備してください。」


「……はあ???? 」


猜疑(さいぎ)深い表情をして眉間にくっきりと皺を寄せるのであった。

【イザラ王国の街並み】

イザラ王国は、四角い塀で守られており中心に【イザラ城】があり周りには貴族などが住んでいて、中心から【北口】【西口】【東口】【南口】と門が別れている。 【西口】は【錬金術師】【魔道士】などが住んでおり、【東口】は【騎士団】の稽古場でもあり王直属の鍛錬場でもある。 【北口】には作物など育てる農民が暮らしており【南口】では専門の武器や色々な商品が揃っており、一般人も多く住んでいる大都市である。


【沖琉高山】

この世界で四番目に高い山で、その先は、ある戦闘民族が住んでいる。

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