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その後リア達は、用意された部屋に側近の人から案内される。
「荷物は中に置いてありますので、部屋はご自由にお使いください。明日、お迎えに上がりますので私は、これで失礼致します。」
側近の人は部屋から出ていった。それを見た彩芽とスティーデンは、身体を落とし気を楽にした。
「「つかれた〜……」」
二人揃って玄関の前で崩れ落ち、二人は苛立ちをながらあのジジイの話をする。
「にしてもあのジジイキモすぎだろ。吐きそうになったわ。」
おぇ〜と舌を出すスティーデンに彩芽は真っ青な顔で下を向いた。
「私もよ。なんなら私なんて「だぁいすき♡」なんて付けてたんだからね! あ"ぁ"、あのジジイ思い出すだけで悪寒がする。」
肩に手を付けブルブルと震える二人にリアは部屋をチェックしていた。
部屋の中は、まあまあ広くテーブルが窓の前に一つ、ベットが三つあり、机の上にはリアがからっていたリュックが置いてあった。
「おや、一緒に来てしまったようだね。」
リアは、リュックの置いてある机まで行き、中身を確認し、盗まれてないかを確認していた。
それを見ていたスティーデンは、呑気なリアを見て先程、リアがなにかを考えついたのかと思ったスティーデンは、少し拍子抜けしてしまう。
「なに呑気にしてんだよ。お前なんか考えついたのだと思ったのに拍子抜けしちまったじゃないか。」
それを聞いたリアは、リュックの中身を確認しながら聞き耳をたてながら話す。
「おや、スティーデン、君の考えは当たっているよ。……そうだね、僕達は今から【魔王】を倒すために勇者になる鍛錬をするよね。」
そんな当たり前のことを言うリアに彩芽は、「それがどうしたの? 」 と言うと。
リアは、狂気的な笑みを浮かべながら椅子に座る。
そんなリアを見てスティーデンと彩芽は何となく(あっ、絶対ろくでもないことだ)と直感した。
「ふふふ、僕達は【魔王】を倒す。そして【魔王】を倒した後は、あのクソがつく変態ジジイを【社会的】に殺してやろうでわないか!! 」
ハハハッ!!! と笑うリアにスティーデンと彩芽は、絶句していた。だからさっきあんなに楽しそうだったのか、とスティーデンは思った。
ただ二人には、疑問点があった。なぜ【社会的】に殺すのかを。そして何故そんなことをするのだろうかと。
「なぁ、なんで【社会的】になんだよ。どう考えても普通に殺した方が楽だろ? それに何でそんなことする必要があるんだ? 」
スティーデンがそう質問すると、リアは口元を手で覆い隠し目元はニヤリと笑っていた。
「そんなの簡単じゃないか。僕にこの屈辱あたえ恥をしたからだ。それに、普通に殺してしまえばそんなの苦しみもなく簡単に死んでしまうじゃないか。」
「だから【社会的】に殺すことで自分から慟哭するところを見る方が気持ちがいいじゃないか。僕はあのジジイを【社会的】に殺す。楽に死なせず、苦しみ、踠く所が見たいのさ。」
「さすが!! 」と言う彩芽にスティーデンは(このサイコ野郎に今後ついていかなきゃ行けないのか……)と遠目で見ていた。
「まぁどう考えても今は、あのジジイを殺すことは不可能だ。だから、鍛錬でもしながらのんびり考えようじゃないか。」
リアはそう言って椅子から離れベットにダイブした。
スティーデンはというとリアが持っていたリュックの中身を見ていた。
リュックの中身はほとんどパクられて居なかったので、良かったと内心思いながらチェックしていた。
すると、リュックの奥底からっていたあの【本】がリュックの中に入っており、驚いたスティーデンは、リアに確認する。
「なぁリア、お前この【本】リュックに入れた? 」
それを聞いたリアは「本? 」なんの話をしている? という顔で見ていた。
それを見たスティーデンは、リュックから本を出すと彩芽とリアは、驚いた顔をしてスティーデンを見ていた。
「スティーデン、あなた何でその本持ってるの?? 」
スティーデンが持っている本を見て彩芽は、驚いた顔をしていて、スティーデン自身も分からないとゆう顔をしている。
「いや、知らねぇよ。中身チェックしてたら奥にあったから、リアがあの時中に入れたのかと……」
そんな顔で見るスティーデンにリアは否定する。
「僕、本当に何もしてないよ。とゆうか今初めて知ったのだが……」
「「「……」」」
沈黙が部屋に漂い気まずい雰囲気になった三人。
が、それは突然起こった。スティーデンが持っていた本がガタガタと動き始める。
それに驚いたスティーデンは本を落としてしまい床に本が転がった次の瞬間、本はガタガタと鳴り響き勝手にページがパラパラと開きはじめる。
散らばる紙くずの中から白い布を包み赤い髪が強調された美しい一人の女性が出てくる。
そんな三人は、部屋の隅っこに避難して近くにあった花瓶や枕などを持って武装体制に入っていた。
そして美しい女性は目を開け誰かを探す様子を見せる。
『ご主人様は、どこですか? 』
キョロキョロとあたりを見渡す女性に三人は部屋の隅っこでその女性を観察していた。
すると謎の女性は、何かを見つけたのか目を見開いて、ずかずかと僕達に近づいてくる。
僕達の目の前まで来た女性にスティーデンは、混乱しながらも花瓶を女性に突き付け質問する。
「てめぇ、なにもんだ? どこから現れた? 」
スティーデンは、自分たちより身長の高い女性を睨みつける。僕達小さい子供が睨みつけても相手の女性から見たらただの警戒心の強いチワワの様だと口にはしないが、リアはそう思った。
そんな様子を見せるスティーデンに彼女は無表情な顔でスティーデンの目を見つめていた。
「……なんだよ。」
そんな居心地の悪い空気に耐えられなくなったスティーデンに彼女は、
『【スティーデン】様ですね。初めまして、私はご主人様に御用がありましてこのように姿を変えお会いにきました。』
それを聞いたリアは、スティーデンをよけ彼女の目の前に行き質問する。
「ご主人様とは、誰のことかな? 」
割って入ってきたリアに彼女は跪き冷静な顔でリアの目を見てニコリと笑う。
『はい、私めのご主人様は【リアード・ウィディック】様でございます』
「ほう……」
そんなリアに二人は全くついていけなく彩芽は慌てた様子で質問攻めをしてくる。
「えっ? えっ? えっ?! 誰よあんた! てかリアあなた知り合いなの!? 」
混乱してリアの来ている白衣をつかみグラグラと揺らす彩芽に、
「いや会った事は無いが、初めましてではないよ。てか、離して……」
「初めましてじゃないて、どうゆう事だよ」
スティーデンは意味が分からない、という顔で見ていて、リアは、彩芽が掴んでいたところのシワを伸ばし服をは炊いていて、愉快そうに謎の女性を見つめる。
「彼女の声、何処かで聞き覚えはないか? 」
「「えっ? 」」
重なる声に彩芽とスティーデンは、今までの記憶を振り返る。
その時彩芽は、「あっ!! 」と大きな声で興奮したかのように手を上げる。
「思い出した。彼女の声、私達が【転移】する時に【スキル】とか言って私達の言葉、全無視したやつ。」
「あぁ〜。なるほどね。」
スティーデンは、手をクロスして納得する。
「そういえば、あなた名前あるの?」
彩芽は、何となく彼女に聞くと、
『私は、本です。名などありませんよ。』
それを聞いたスティーデンと彩芽は、(名前ないなら、なんて呼べばいいんだろう)そう思っていると、
「じゃあXで! 」
「「適当……」」
突っ込む二人に、彼女はとゆうと祝福に満ちた顔でリアを見つめた。
『X……良い名でございます。私めは今後Xと名乗ります、ご主人様』
「うむ! 」
((アルファベットなのに!? さすが、ネーミングセンス壊滅王))
そんなくだらないことを考えている二人にリアは、呑気にXに話しかけていた。
「X君に質問したいことがあるのだかいいかな? 」
『はい、何なりと申し下さい。』
「じゃあ、遠慮なく。最初は……そうだね、【スキル】について聞いていいかな?」
Xはそれを聞くとリアから離れて机に向かい机の上に置いてあった花瓶のいけた花を触り淡々と説明し始める。
『わかりました。では皆様に分かりやすくお話をしましょう。【スキル】について。』
【X】
リアをマスターと呼んでおり謎が多いい存在。赤髪に金の瞳は、誰もが惹かれるその姿。 三人は、多分女性だと解釈しており、性別は不明。 あまり表情を変えない堅い人物かと思えば表情豊かである。 三人は神のように崇める。