魔王の存在
「時は、百年前の事です。私達の平穏な暮らしが一夜で一変したのは。 」
『私達の世界は、平和で緑溢れる草や川などで仲良く他種族と暮らし、平和に過ごす日常をしていました。』
『ですが、ある時に音もなく現れた【化け物】。私達の国や、近くにあった町。ある時には他国にまで現れ、私達の平穏は、一夜で崩れ去りました。』
『私達は、あの一夜で起こった出来事に人間では、有り得ないと考えにいたりました。私達は、その化け物の名を【魔王】と名ずけました。』
(((!? 魔王 !?)))
と思いながらも側近の話しを聞く。
『【魔王】のせいで私達の暮らしは一変します。住む家もなく食事も取れない時期が続き、多くの人が貧困に陥りました。私の一族もその一人です。』
『ですが! 私達の目の前にいるこの【ダリア】一族のお陰で貧困は少しづつなくなり、私達に食事の提供などをしてくれました。』
『私は当時、生まれてもいませんでしたが私の祖母が語ってくれました。その時の【ダリア】一族の勇姿なお姫様の姿を』
『【ダリア】一族の|お姫様のお陰で私達の貧困生活もなくなり今はこのように平和な国を再復興することが出来ました。』
『ですが、あの憎っくき【魔王】は、今でも私達の国に侵入して、無関係な市民を殺していく。』 『【魔王】を倒そうとする人達は何人もいましたが、皆死んでいきました。私の姉も……』
側近の人は目から涙を浮かべるが、服で涙を拭き取る。 そして、言葉の整理が付いたのか彼女は、僕達に向かって言った。
「なのであなた方には、【勇者】になってもらいます!」
リア達は、その言葉を聞いて固まってしまった。 僕達は、なんともまぁ傍迷惑なことに巻き込まれてしまったのだろう。
と、思っていた。 他の人(平凡)な人達が聞いたら同情して、協力するだろう。
が、僕達だ! 今すぐに断りたい!! なぜなら僕達三人は小さい子供で、自分でも言うのはなんだが周りの大人達よりも僕達は賢い。
こんなの受け入れた場合、命が何個あっても足りない。 受け入れず断って今すぐにでも帰りたいが、帰る方法は分からないし、断った場合すぐに用無しになり【処刑】される運命だ。
そして何より側近の人は、「もらいます」と言っていたので、強制的なのがわかった。
だから断った場合は、首が今すぐ吹っ飛び、承知した場合は、首は無事だが命懸けで【魔王】を倒さなければならない。
そんな事を思っていると王様は、空気を読まずなんとも憎たらしい言葉を発した。
「まぁ、お主らはどうせワシら王族の奴隷になるのだからな! 断っても強制じゃがな! 」 そう、高笑いをする王様。それを聞いた僕達は、 「「「はぁ!? 」」」
と、大きな声で叫んでしまった。それを聞いたリアは失礼のないよう慎重に質問をする。
「えっ、失礼ですが。勇者になるのわ分かりますが、|奴隷になるとはどうゆう事ですか? 」
真っ青な顔で王様に質問すると、ニタニタと笑いながら口軽く話す。
「そのままの意味じゃ。お主らが寝ている間に身体をほんの少し|弄っただけじゃ。」
王様は愉快そうに笑っていた。
それを聞いた三人は、寝ている間に自分の身体に何かされたのだと嫌でもわかってしまい、自分達の顔に汗冷が流れ恐怖に陥る事が嫌でもわかってしまう。
彩芽は、それを聞いた瞬間に演技していた顔にも汗が流れ落ち目に涙か浮かび絶望していた。
リアは、自分達の身体に何をして、どうしてこんな事をしたのかを頭の中で整理し、顔に汗を流しながら恐怖と好奇心の気持ちで恐る恐る質問する。
「僕達の身体に何をしたのですか? 」
リアは、王様の目を見て勇気をだして王様に聞く。
それを聞いた王様は、ニヤリと引きつった顔を見せ高笑いした。
「聞きたいか? お主らは、勇者になる。じゃが、わしら王族の奴隷になるのじゃよ。一生、魔王を倒すまで不老不死の身体でな!! 」
「まぁ、お主らも嬉しいじゃろ。一生死なぬ身体になれたのだから。あっ、でもお主らわしらの一生の奴隷か! 」
顔に手を起き高笑いをし、笑っている時に唾を吐き出しながらツボったように笑う。
それを聞いたスティーデンは、堪忍袋が切れたのか、縄で縛られ立てない状態で怒りに震えながら叫ぶ。
「てめぇ! 何言ってんだよ! てめぇらの奴隷? ふざけんな、こんなキモイ変態ジジイの所で奴隷になるくらいなら死んだ方が……」
「スティーデン!!! 」
彩芽が涙目で、割って入りスティーデンを落ち着かせようと視線を向ける。
それを見たスティーデンは、流石に言い過ぎたのだと分かり静かになる。
リアも彩芽の判断を見て安心した。今僕達は、天と地の権力の違いがある。
この王様のイカれた実験に体を弄られたというのに周りは何も反応しないのだから、ここには自分達の味方が一人も居ないことが分かる。
もし、最後までスティーデンが王様に向かって暴言を吐いた場合何をされるかわかったもんじゃない。本当に良かった。
「申し訳ごさいません。王様、口が滑ってしまったようでスティーデンを許してください。」
お願いします。と言って彩芽は頭を下げた。スティーデンもその後に頭を下げ僕も頭を下げる。
「フンッ、聞かなかったことにしてやる。次なんか言ったら、こうじゃからな。」
王様は右手で親指を出し左肩に指した状態で首を切るハンドサインをした。
そして、今まで静かだった側近の人が私達の目の前に来て説明し始める。
「これは、強制です。もし断った場合あなたがたの首とはおさらばすると思ってください。」
普通子供にそんな事するだろうか、この大人達は自分が助かれば子供をどう扱おうが関係ないように話す。
この側近の女性もそうだ、子供に向ける視線じゃない。周りの汚い大人達も僕達に冷酷な視線で向けてくる。 こんなの断って首が吹っ飛ぶ方がマシに聞こえる。
一生奴隷になるのだから……。
けど、僕達は子供だが、周りの大人達より優れている自信があり、まだ未来がある。
僕達はまだ花も咲かないただの種だ。このただの種が芽を出し新芽を開けて花になる。 運命に抗おうじゃないか。さっきの『X』の存在もあるんだ、この世界の事を知らないことが沢山ある。
この大人達よりも強くなって、魔王さっさと倒して、このクソが着く王様を僕達のやり方で【社会的】に殺してやろう。
そう思うと、顔が狂気的に笑顔になってしまう。 答えが出たリアは、一度深呼吸をして、息を吐き出す。
そして、
「わかりました。引き受けましょう。」
覚悟が出来た顔で側近の女性に言う。
それを聞いたスティーデンは驚いた顔をして訴えてきた。
「リア、何言っているんだ! お前らしくないないだろ?! 」
焦った様子を見せるスティーデンにリアは冷静に答えた。
「確かにらしくないけど、この方が効率的だ。すぐに死ぬ訳じゃないのだから、この世界で異世界ライフルでも楽しもうではないか 」
リアは、理由がある様にスティーデンを見つめる。
すると何となく察してくれたのかこれ以上の事を聞かなかった。
やはり、スティーデンは、僕が言葉に出さなくても意思疎通ができてしまうようだ。僕達は、前世で双子だったのかな? と冗談交じいた考えをした。
それを横目で見ていた彩芽も察して黙っていた。
「分かりました。良かったです、馬鹿な判断する頭の悪い連中と一緒にならなくて、」
「頭の悪い連中……? 」
それを聞いた彩芽は、思った。まるで私達が来る前にも居たような言い方に聞こえたのだった。
「それでは、あなたがたには三年間の訓練をしていただきます。」
側近の人が言われた瞬間に私達の思考は、一時停止したが、何とか取り戻した。
「「……えっ!!」」
彩芽とスティーデンは、びっくりしていた。ちなみに、リアは当たり前だとおもっていた。
二人今すぐ何か剣とか色々武器揃えていざ、しゅぱーつ みたいな事を想像していた。
それを見ていた側近の人は呆れた顔で説明する。
「どう考えても、小さい子供が今すぐ【魔王】倒しに行くなんて100%無駄死にしますよ。なので、そうならないようにここで訓練して勇者になってもらいますので、頑張ってください。」
側近の人はニヤリと笑みを浮かべた。
「言って起きますけど、訓練内容は、地獄と思ってください。【魔王】を倒すのですからね! そして、あなたがたはにその三年間『会えなくなる』そう思っていてください。」
「「「……えっ? 」」」
三人は、青ざめた顔で理由を聞いた。 さすがのリアもそれは予想外で何とも間抜けな声が出てしまった。
「あなた方、三人は、【特性】が違います。なので、その身体に合った訓練をしますので、会う時は魔王軍が奇襲して来た時だと思ってください。以上」
リアは(【特性】て、なんですか?)と聞こうとしたが、何となくで聞くのをやめた。そんな雰囲気ではなかった為。
「訓練は、明日からです。今日は、ここの王室の小部屋を使ってお泊まり下さい。もしかしたら会うのはこれで最後かもしれませんのでね。」
その時の側近の人は、ニヤリと笑っていた。
【王様】
最低のクズ。皆様はこのようなゲスにならないでください。ロリコン(可愛い女の子)が大好きなやばい変態。 ゲスは、絶対に粛清!
【側近の人】
名前はニーナ、黒髪で真面目そうな顔をしている。辛い過去があり、三人の子供をガチめできつい鍛錬することを決意している。
【魔王】
平和な世界に突然現れた謎の存在。正体は不明だが一夜で街を破壊する悪魔のような存在であることはたしかである。