息子との最後の会話
私は、ある部屋に向かって中に入る。
この部屋の主は、スヤスヤとベットの上で白衣をまとったまま布団に潜って寝ている子供がいた。
それに対して、ずかずかとわざと大きな足音を立てて部屋の中に入り、カーテンを勢いよくあける。 陽の光が部屋を明るく照らされる。
部屋の中は、変な機械やヤバそうな色の薬などが散らかっておりこれを見た私は怒鳴った。
「コラァ―‼ あんた、またこんなに散らかして。片付けろと何回も言っているでしょ‼ 」
そう大きな声で私は怒鳴り声をあげる。
のんきに寝てる私の息子は、唸り声をあげたが、また二度寝をしようとする。
「何寝ようしてるのよ‼ 起きなさい!!!!! 」
そう言って布団をひん剥こうとした時に白い手が反抗して布団を引っ張る。
「何をする‼ 僕はまだ睡眠時間を5時間38分しかとっていない。最低でも7時間寝ることで、脳は回復する‼だから布団を返したまえ!!!!! 」
そんな、正確な睡眠時間を聞いたらびっくりするだろうが、ここでは日常茶飯事の様に処理される。
「な、に、が、5時間ですよ‼ 遅くまで作業していたあなたが悪いです! 早く起きなさい、友達が玄関の前で待ってるわよ‼ 」
そう言うと、顔をひょっこりと布団でて来て銀髪の乱れたセンター分けの少年が私を睨む。
まるでその姿は、吠えるかわいらしいチワワように、少し黒いサファイアの瞳で私を見ていた。
すぐに飛び起きて昨日疲れて着用しっぱなしだった白衣を脱ぎ捨て、新しく何着もある白衣を適当に着用して、服を変え、髪を整えて、大きなリュックを取り出した。
リュックの中に昨日作ったのであろう、ヤバそうな液体など色々な物を入れて重そうな荷物を軽々と持って階段をドタドタと降りていき、キッチンに向かっていった。
▲ ▽ ▲ ▽ 「母さん、朝ご飯は?」
「待ちなさい、今から用意するから。ワッフルでいいよね?」
「うん」
私が聞くと息子は適当に冷蔵庫から適当に栄養補給でもするかのように生のリンゴを丸かじりした。
私は、少し飽きてその様子を見ていた。私が何回、注意しても聞かない息子にいつの間にか言わなくなってしまった。 息子はギフテッドだ。
息子は、周りの子供達よりも……いや、もしかしたら私達大人よりも知識があるかも知れない。
昔から同級の子供と余り馴染めてなかったし、なんなら同級の子供を見下しトラブルを起こしていた。
何もかもに興味がなさそうな息子も、夢中にするものがあった。それは、私の夫の研究で息子は夫の研究を熱心に聞いていた。
最初は見よう見まねで色々とトラブルを起こしていたが、今は本当に研究者のようなことをしている。 本当にすごい子だ。
「あれ? 母さん、父さんは?」
夫を探すかの様に周りを見渡し、リンゴにかじりつく息子。
いつもなら朝ご飯の時間は、ニュースでも見ながら向かい合わせのテーブルの椅子に座って片手にコーヒーを飲んで息子と楽しそうに今の研究の話をする夫、騒がしい朝は今日はなかった。
私の夫の仕事は、自慢ではないが科学者で今は血液のどうとかの研究をしながらも、忙しいのに私達の家族のことを優先して本当に大変な仕事があっても朝だけは帰って来る。
そして息子に研究の話をして、息子が分からないことを質問して、と二人で難しい話をしてついていけないがそれでも今の環境が幸せだ。
でも久しぶりに朝に夫がいないことは非常に珍しかった。 たしか……
「えーと、確か、研究でいいデータがでたからどうたら、て……早く食べ終わりなさい、待たせてるんだから。」
「はーい、母さんご飯は? 」
「もう食べました! 」
▲ ▽ ▲ ▽
そうして自分の皿を洗っていると、
「ごちそうさま~」
「あっ、ちょっと待ちなさい‼ 」
玄関に向かう息子を引き留めて朝に用意した弁当を渡した。 そして抱きしめる。
「気おつけて帰ってきなさい。いい、夜になる前には帰って来ること、それからまた変な事して周りに迷惑をかけないこと、それから……」
「母さん僕もう13歳だ。過保護なこと言わないでくれ、恥ずかしい。」
そう、少し嫌がるも私のはぐに大人しく息子は、抱き返したのだ。 そして私は満足して玄関のドアを開けると二人の少年と少女が待っていた。
「おせーよ、暇すぎて帰る所だったぞ」
怒った顔で玄関の前で待ってたのは、薄い金色の髪と瞳がヴィヴィッドピンクの少年。
見た目は外国人の様な見た目をしているが、日本語はペラペラで日本人とアメリカ人のハーフらしい。
この顔が整った少年は、息子の友達の 神月 スティーデン くん。
スポーツ雑誌で幅広い大会で優勝する今、活躍する天才スポーツ少年だ。
本当にどこで息子と知り合ったのか不思議で仕方がない。
「すまない、あと1時間22分の睡眠時間を取ろうしていたら野蛮な鬼が僕の睡眠を妨げたのさ。」
誰が野蛮だ。
と怒りの拳を我慢して息子たちの会話を聞く。
「野蛮て、自分の母親に言うことかよ。お前、絶対俺らが迎えに来なかったら約束忘れてただろ」
「……そんなことはないよ」
「目、逸らして言う言葉か? 」
そんな雑談を二人で話ていると、
「二人とも‼ 早くしないと日が暮れちゃう! この本を開ける約束、忘れたの‼ 」
黒髪の髪にクラゲのような髪型をし、瞳はイエローダイアモンド色の美しく整った美少女は、少し怒った様子で、本のような?物を二人に見せつける。
てか、何その頑丈そうな本。どこで見つけたの? とツッコミを入れてしまう。
「日が暮れるて、そんなのこいつがすぐに開けちまうて、なぁ? 」
「まあ、僕は鍵屋ではないけど、僕の父さん持っていた昔の使っていたメモ帳から面白い薬の作り方を見つけてね、一夜で作ったこの薬を使う。」
ヒヒヒ、とメモ帳を左手に持って魔女の高笑いをする息子。私は、半分呆れて、半分なるほどね、と複雑なきもちになった。
と言うか、いつの間にそのメモ帳持ってるのよ。 私は、無言の圧をかける。
家帰ってきたら覚悟してなさい。
それに反応したのか、息子は真っ青な顔で私の顔を見なかった。 その薬本当に大丈夫なのか? と疑問に思ったスティーデンスくんが息子に聞いてキラキラとした顔で薬の解説をしていた。
それを遠くから見ていた少女は、
「もう、二人とも早くしないと本当に日が暮れちゃうよ‼ 」
プリプリとほほを膨らませて怒った様子を見せる少女に、息子は冷静な態度で堂々と母親がいる前で、
「大丈夫さ、もしその本を開けられなくて遅くなってしまった場合、君のその生まれ持った天才的な演技で言い訳を作ればいい。ねぇ、天才子役の桐生 彩芽くん。できるよね? 」
イタズラ顔で指パッチンをする息子。それを見て頬を赤く染める少女、彩芽ちゃん。
彼女は天才子役として有名な活動家で演技は勿論、バライティやキッズモデルやドラマなどの仕事をしている。子供ながら芸術方面でも功績を残す程のガチの天才。
とゆうかなんかティーンズ天才多くない? どこで知り合った。 てか、息子は何、堂々と親の前でなんちゅ話をしているのだろうか。
『もっと他に場所があっただろ! 』
と突っ込んでしまいそうだが、そんなことより
「あら、もし約束破ったら承知しないわよ」
私はまた息子に圧をかける。息子は小さい声で
「わかってます」
と一言いった。
「まぁ、この天才子役様にかかればチョチョイのちょい!! ですよ! まぁ、もし何かあったら……その……」
鼻を高々と伸ばしていた少女は、次の瞬間に照れた様子で息子を上目遣いで見ていた。 あっ、これあれだわ。
『惚れた弱み』て奴だ。
「おい、そろそろ行こうぜ。俺んとこの母ちゃんから門限決められてるからさ。」
少し焦った様子を見せるスティーデンスくんの様子を見て
「おぉ、確かにそうだね! 僕も早くこの薬を使いたいからね! 少し長話が続いてしまったようだ。」
ハハハ、と笑いながら重そうなリュックを持って出発準備ができたのか、振り返り。
「じゃあ、いってきまーす!! 」
「えぇ。 じゃあ、二人ともこのバカよろしくね」
私は、二人のお友達にお願いすると、
「任せてください。このバカは俺たちがどうにかするので」
「もしも、門限超えそうになったら引きずってでも帰ってきます!」
二人は、任せてください!とゆう顔で私を見ていた。
本当に息子にいい友達ができて良かった。
「二人とも! 行くよー!」
「「はーい」」
そう言って、息子たちは前を向いて歩き始めた。
「リア!」
私が名前を呼んだのか息子は振り返る。
「……行ってらっしゃい!」
私が笑顔を作って笑うと、息子は笑って私に背を向け手を振った。
私の自慢の息子の名前は、リアード・ウィディックこの会話は息子と最後の会話になるのだった。