表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

解決編

 その後、数々の物的証拠が発見されたことにより、赤ずきんの母親は逮捕された。2日前の夜、介護のために老婆の家に訪れた時に口論となり、突発的に殺害してしまったのだという。元々老婆の介護と仕事に追われて一人親だった母親は、精神的にもかなり追い詰められていたらしい。


 そして老婆を殺したことを隠ぺいするために、オオカミに襲われたように見せかける計画を思いついた。さらに老婆を殺害した時刻を偽装するために、娘の赤ずきんに老婆がまだ生きていると思い込ませ、偽証するように仕向けた。娘の寄り道癖を知っていた母親は先回りして老婆の家を訪れ、老婆に化けてベッドに入ったのだ。



 母親が逮捕された後、泣きじゃくる赤ずきんの身柄を狩人が引き取った。けれどあの小さな娘が、これからどうやって生きていくのかはわからない。きっと赤ずきんの目には、母親を連れ去った刑事たちが悪い大人に見えていただろう。


「......悲しい事件だ。子供を利用してまで自分の親殺しの罪を隠そうだなんて」


 馬車の中で、刑事はつぶやく。


「だがこれが俺たちの仕事だ。世の中にはオオカミのように狡猾で残忍な人間がごまんといる。そいつらを捕まえることが、例え誰かの悲劇になろうとも、誰かの悲劇は食い止められるんだ」


 そう言って刑事は、森の村を後にした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ