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126.再会

「あら?もしかしてマリーちゃんかい?」


 飲み終わったコップを片付けにマリーが運んでいると近くで清掃していた高齢の女性に声をかけられた。一体誰かと思いその女性の方を見るマリー。


「オバちゃん!え、まだここに居たの!?」


「あったりまえよ。まだ10年は働けるんだから。」


 マリーにおばちゃんと呼ばれた女性が胸を叩きながら言う。




 返却カウンターでマリーと食堂スタッフが親しそうに話しているのをモイラとレイラは席で見ていた。


「あの女性は?マリーと親しそうですけど。」


「あの人はこの大食堂の料理長ですね。かなり昔からいるようなのでマリー先輩のこと知っててもおかしくはないですね。」


 レイラが淡々と答える。


「私達も挨拶に行きましょうか。」


 レイラが立ち上がりマリー達の方に向かう。モイラも慌ててついていく。


「そういえばマリーちゃん結婚はしたの?前にここに来たときに一緒にいた男、なんて言ったかしら…まあともかくあんな男はだめよ。マリーちゃんに甘えているような男じゃ。男はやっぱり女を守れないとね。」


 そんな事言われてまさか婚約しているとは言えないマリー。そこにモイラとレイラが到着した。


「こんにちは料理長。お加減いかがですか?」


 レイラが声をかけると料理長が顔を向ける。


「おやレイラちゃん。いや、今は副司令官様でしたね。」


「レイラでいいですよ。料理長にはいつもお世話になってますし。」


 珍しく笑顔で答えるレイラ。


「嬉しいこと言ってくれちゃって。あら?そちらのお嬢さんは初めて見る顔ね。」


 料理長がモイラを持て言う。


「あ、はじめまして。聖女モイラと申します。一応冒険者もやっておりますのでよろしくお願いします。」


 

 モイラは深々と頭を下げる。


「あら聖女様!?司令官から聞いたことはあったけどこんなに可愛らしい子だったなんて。」


 料理長がはしゃいでいる。その時大食堂の扉が開き一人の人物が入ってきた。


「おや、バレーンの爺さん。これから昼食かい?」


 料理長が入ってきた人物に声をかける。


「そうなんだよ料理長。さっきまで新しい剣打っててやっと規定数出来たから飯が食える。ランチもう無いなら『にく肉にくセット』お願いするよ。」


 そう言ってバレーンは席に座った。


「そいじゃ作って持ってくるから待ってな。」


 料理長も厨房に行ってしまう。


「は〜、全く上も何考えてんだか。今まで一度来れば数カ月は来なかったんだからそんなに早く来るわけ無いだろうに。」


 バレーンは独り言をいい、ふとマリーたちの方に顔を向け目を見開く。


「ふ、副司令官殿!?あ、いやさっきのは…」


「気にしないでいいですよバレーンさん。私も正直そこまで早く来るかなって疑問はありますから大食堂でのグチくらい…」


 レイラは苦笑しながら言う。


「いやほんとうにもうしわけない…」


 バレーンは小さくなりながら席に座り直した。


「さて、そろそろいい時間ですし司令官室に戻りましょう。エルド先輩が忙しすぎて萎れてないといいですけど。」


 3人は大食堂を出て司令官室に向かった。


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