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6.変なやつ

とてつもなくギリギリなってしまいました!漢字テストがあるのでその勉強をしてたのです( ;꒳; )

ついに暗殺者様が登場致しました。

あの後、ずっとバルコニーにいたことがお父様にバレて大変だった。風邪をひいたらどうするんだ、知らない男について行っちゃダメじゃないか、心配過ぎてレティを鎖に繋いでしまいそうだよ!と何度も何度も繰り返され、復唱させられた。


いや、最後のは犯罪ですからねお父様。


お父様の過保護には疲れたけど、寝着を来てしまえばついに暗殺者様と会える。そんな気持ちで、テキパキと動いていた。着替えを終えて侍女たちをさがらせてから、ベットの上に座り込む。


まだかな。まだかな。




......まだ来ない。



あれぇ?中身がレティシアナじゃないからシナリオバグった?おかしいな。とりあえず寝てみる?起きたらいるかもしれないしね。そうしようか。寝よう。


暗殺者様が来ないかもしれない不安をかき消すようにありもしない未来を望む。そして布団の中に潜った。




全然寝付けないこと数十分後。ひとつの物音がした。きっと暗殺者様だ。


これは起きた方がいいの?寝たフリを続ける?


私が結論を出す前に、暗殺者様はナイフを私の首にそっと突き付けると、グッと力を入れた。が、一向に首が切れる気配がない。不思議に思って思わず目を開けてしまうと、暗殺者様は驚いた様子でナイフを首からはなすと、少し後ずさる。バレたと思って警戒しているのだろう。こちらの様子を伺っている。


私は暗闇の中で息を潜める暗殺者様に向かって手を伸ばした。


「......私を殺しに来たの?こっちに来て、顔を見せてよ。私は別に誰にも言わないから」


暗殺者様がさらに警戒を強めたのがわかる。距離が離れた。


彼が来てくれないなら自分から行こう。


ベッドから降りてゆっくり、ゆっくりと人間を信用していない捨て猫に近づくように、彼との距離を縮める。

月明かりに照らされて見えた黄緑色の瞳は神秘的だった。この世界はもとはゲームの世界だから赤とか青とか紫とか色んな色の瞳が見られるけど、彼ほどの鮮やかな黄緑色は初めてだった。


「きれい......。アスールにも負けないくらい、綺麗な目よ」


私が物怖じせずに話しかけるのが意外だったのか、彼は何も答えられず、たじろいだ。細められた黄緑色の瞳は、困惑を顕にしている。


「......怖くは無いのか」


「ええ。怖くないわ」


むしろあなたに会えるのを待ってました。


心の中でそうつけ加える。


「俺はお前を殺そうとした。わかってんのか?」


ぶっきらぼうに答える様子は見た目と性格が一致しないことを示している。見た目的にはもっと愛想のいい元気な少年って感じなんだけどね。


「わかってる。でも殺さなかったでしょう。でも、誰から頼まれたのかは気になるわ。私を殺したってなんの利益もないのに」


私の疑問に、暗殺者様は手元のナイフを弄びながら答えた。


「一つだけある。お前の母親に関することだ。これ以上は言わない。......質問は以上か?さっさとお父様に言いつけるなりなんなりしろ」


見つかったからって諦めの境地に入ってるわね。あなたなら私を今のうちに殺して逃げることだってできたでしょうに。なぜしないのだろうか。ゲームのシナリオでは明かされなかった彼の心情。それを理解したい。


「言いつけないわ。私はあなたのことを知りたいだけなの。ねえ、お友達になりましょう?」


「は?いや、なんっ」


「お友達になりましょう?」


戸惑う彼の声を遮って手を握る。ナイフが音を立てて床に落ちた。私から目を逸らせないようにじっと彼の目を見つめる。黄緑色の瞳は心なしか潤んでいるように見えた。暗闇の中、星明かりに照らされながら手を握っている私たちはなんて素敵に見えるだろうか。実際は振り払われようとしている手を根性で振り払われないようにしていると言うだけなのだが。


「なんだよお前。離せ!俺と友達になったってなんのメリットもないだろ!......っ!」


暴れだして大きな声を出し始めてしまった彼の口を両手で抑える。誰か来てしまうかも......!!


幸いなことにすぐに口を塞いだおかげで誰にも気づかれることは無かった。


「ふぅ。危なかった。少しボリュームを下げ、て?」


そう言いつつ顔を下に下げていくと、


顔ちっっっっか!


私が少し重心を前に傾ければ唇と唇がくっつきそうなほど近くに彼の顔がある。しばらく見つめあって動けないままでいた。心臓がうるさい。


妙な雰囲気が私たちの間に流れ始めた時、急な浮遊感が私を襲った。

次の瞬間にはベッドの上に倒れていて、暗殺者様は窓に足をかけている状態だった。早すぎて何もわからなかったわ。


私はベッドに倒れたまま窓辺に目を向ける。


「なんなのお前。全然怖がらないじゃん。しかも俺と友達になりたいって言い始めるし。よく分からん。今日は帰る」


早口でまくしだてたあと、後ろをサッとむくと華麗に窓から飛び降りていった。


私が引き止める間もなく。


「あ、行っちゃった......。どうしよう。まだ名前も聞いてない......」


ぽつりと呟いた言葉は夜空の方へ吸い込まれていった。





次話更新予定日:6月18日(木)

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