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1.私は誰ですか

2話連続投稿となります。よろしくお願いしますm(_ _)m

「......誰もおらず、荒廃しきった世界を嘆かれた女神様が2人の男女の使徒をこの地に遣わしました。2人の名をアルスとロメリア。お嬢様、どちらが男性でどちらが女性でしょうか。お答えください」


「え?え、っと、アルスが男性でロメリアが女性......」


「はい、正解です。よく覚えてらっしゃいました。続きをいきますよ。......2人は人々にとって知恵をさずけ、道具をさずけ、世の中の真理をさずけました。人々は平和に暮らします。この後の流れをご説明願いますか?お嬢様」


「えぇ、それは簡単よ。人々はだんだん2人への感謝を忘れていき、2人は死んでしまうの。そして2人が忘れ去られそうになった時、神の怒りがこの地を襲うのよ!逃げ惑い途絶えない悲鳴、道端に転がる死体、人々は神の怒りから必死に逃れようとアルスとロメリアのような美しく聡明な男女2人を神の使徒として崇め始めるのよね」


「そうですそうです。さすが()()()()()()お嬢様。賢くていらっしゃる」


あ、れ?私部屋で独り言言ってるつもりだったのに目の前のおばさんに話しかけてた?というか話しかけられてた?しかもこのおばさんなんて言った?


―――――――レティシアナお嬢様。


そう言ったわよね。どういうこと?これが噂の転生?いやだって私死んでないもの。ほんとに意味がわからない。


目の前ですました顔をし、世界の誕生の流れを解説しているおばさんを無視して自分だけの世界に入る。私はこんなお嬢様口調ではなかったはずだ。どうして嫌に馴染んでいるのか。転生するならせめて本人ではなく、侍女に転生したかった。自分の運の悪さを呪わなければ。


深刻な顔をしてうんうん唸る私を心配そうな声でおばさんがたしなめる。


「お嬢様、大丈夫ですか?そんなに世界誕生の歴史はつまらないですか。まあお嬢様は完璧ですものね。わたくしもそろそろ次のステップにまいらなければと思っていたところです。次の授業はこの国の成り立ちからお話致しましょう」


あら、勝手に話がすすんでる。というか今更世界の歴史なんて私は一体何歳なんだろうか。世界の歴史は赤ちゃんの頃に履修を終えるくらい有名な話だったはず。


今日の授業はここまで、と言われたそばから挨拶をして鏡に向かった走っていった。レティシアナということは間違いなく可愛い。だから、容姿がどうかということを心配しているのではなくて、()()5()()()()()()()()を心配している。レティシアナの運命の出会い。レティシアナの生きる意味。それを私も体験することが、見つけることが出来るのか、それだけが気になる。


「まあ、お嬢様。そんなに走って、はしたないですよ。さあ、止まって。旦那様のところに向かいましょう。家庭教師の前に約束されていたでしょう?」


あ!私を呼び止めた彼女はいつもレティシアナのそばにいた侍女!私が転生したくてやまなかった!会えたことは嬉しいけど今はそれどころじゃなくて......。


「少し確かめたいことがあって、ちょっと待ってて頂戴」


「ダメです。旦那様とのお約束が優先ですよ。もうすぐ誕生日を迎えられるんですから、もう少しお姉さんになりましょうね」


ん?誕生日?それは1体何歳の誕生日なのかしら!?


「お嬢様がもう5歳だなんて私感動します。お嬢様がお生まれになった時からずっと一緒ですからね」


5歳、5歳、それは運命の数字!レティシアナが会いたいと願った彼に会える年!


侍女から聞いた情報にすっかり舞い上がった私はその場で踊り出さん勢いで歩き出す。苦笑しながらついてくる侍女、もといモーラは注意しても意味ないと悟ったのか、せめて怪我をしないようにと声をかけてきた。

そして私はとある問題に直面する。

意気揚々と歩き出したのはいいんだけど、旦那様......つまりレティシアナのお父様はどこにいるのかしら?


場所がわからず急に立ち止まった私を察してかどうか、モーラはすごく馬鹿な子を見る目で、苦笑しかけたあと、手を握って案内してくれた。

だってしょうがないじゃない。ゲームでは全然記述がなかったのよ、屋敷の案内図なんて。いや、まあ記述がある方がおかしいんでしょうけど。


私はモーラの暖かい右手をぎゅっと握り返して重厚な雰囲気をまとう扉に手をかけた。



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