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誕生日

歳には勝てん。はぁ〜


「おい、ジジィー聞いてんのか?

ジジィー!!!!」


「はっ!?わ、悪い聞いておらんかった。

なんじゃ?」


「お前はもう俺のパーティーにはいらない。」


とうとう言われたか。

今日の朝、ギルドのもっとも低いランク『F』に

戻されてしまった。

ほんの2年前までは片腕が動かなくても『S』

だったのじゃが・・・・・・。


「そうか、覚悟はしておった。

今までお世話になったのぉー楽しかった。

パーティーは抜けてもギルドにはいるからな。さらばじゃ。」


わしは杖をコツコツつきながらギルドを静かに出た。


「はぁ〜さむい。

今日のディナーは鍋じゃな。

あいつらちゃんと飯は作れるじゃろーか?」


家に帰り昨日の残りもんの魚や野菜で

わし自家製のみずたきを作った。


「うん、うまい。そういえば明日はわしの

たんじょうびだったな。

ギルドに行けばプレゼントがもらえるのぉー。」ズズズズーー。


少し明日たのしみがあると寝付けなくなるのは

歳をとっても同じじゃな。


「ファ〜。でも歳には勝てぬな。」


寝てしまった。明日からはどうするか?暇になって仕方がないのぉー。




カァーカァーカァーカァー・・・・・・。


「・・・・・・ん?もう朝か。

鳥におこされるとはいい朝じゃな。」


たしかこの世界で『最強』の称号をもらった

1380年前もこんな朝だったけな?

よくもまぁー1000年近くもそう

呼ばれたよな。


「ははっ今じゃもぅこんなオンボロじゃが。」


たわいもないひとりごとを言いながら静かに

コーヒーを飲み朝をすごした


「よしっ行くか。」


ゆっくりのったり家を出てギルドへ向かった。


ガチャッギィィィィ。


「おっとそういえば今日わしはたんじょうびだったな。昨日も同じようなこと言ったような。

頭までおかしくなっちまうとは、はははは。」


「おいっ!!!!何来てんだジジィー。」


「いやっわしがここにいようといなかろうと

自由じゃぁないかのぉー?」


「ジジィーがギルドにいる権利はねぇーよ。

出てけ!!!!!!!!!!」


「ここまで言われる理由が分からないん

じゃが?」


「うるせぇーー近づくなジジィー!!!!!!!!」


ダァァァァーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!


「うわぁっ!!!!」


追放された身じゃがここまでされるか?


「おじいさん大丈夫で・・・・・・。」


「お前らもじゃまだ!!!!!!!!!!」


ドンッ!!!!

「キャッ!!!!!!!!!!」

バタンッ


「オラッ早く立てよジジィー!!二度とギルドに来れねぇ体にしてやるよ。」


「お主・・・・・・そこまで腐ったとはな。

わしは思わんかった。」

シュンッ!!!!!!


「ちぃーとばかり反省せぇ。」

チョンッ!!!!


「グハッッ!?

(な、なんだ?ジジィ何しやがった?

体が言うこと聞かない!?)」

ドサッ


「ジジィを舐めくさり罪もない人を傷つける

からじゃ。

そんなこともできんようじゃなら

いくらお主が強くてもわしには勝てんよ。」


小さくことが済んでよかった。


でもまぁわしも1つ学んだな。

このわしのようなオンボロジジィを

かばってくれる優しい心を持った人間がいる

ことを。


「あ、あのっ、けが大丈夫ですか?」


「大丈夫じゃよ。

このギルドもあなたみたいな人がいたら

平和じゃのぉー。」


「えへーそんなぁー照れちゃいますよぉー。」


「そうじゃった。

わしはギルドの受付にようが・・・・・・。」


グサッ!!!!!!!!!!

「グファッッ!?」


「な、なんじゃと!?お主もう動けるのか?」


「おうよ。あんたがジジィでよかったぜ。」


「お主はやってはいけない事をした。

もうあやまっても許さん。」


「ジジィ、てめぇーのそのボロボロの体で

何ができる?」


「人1人を守る盾になれる。」


優しいこの子は絶対に守りたい。

どうにかして守りたい。


「しょうがねぇーな。

おいっ!!ちょっとあのジジィーおさえてろ。」


「なに!?う、うごけん!?」


「もう引退だよ。ジジィーー!!!!!!!!!!」


ドカッ!!バキッ!!ボコッ!!ドカッ!!


「・・・・・・。」


「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!!!!!!」


わしは元パーティーリーダーからサンドバッグにされた。


「はぁはぁ・・・・・・このくらいにしといてやる。明日から来んなよ!!!!!!!!!!」


「ゴホッゴホッ・・・・・・はぁー。

元パーティー仲間のリーダーにこんなこと

するとはな思わんかった。」

ドサッ


体が言うことを聞かなかった。

それは歳が原因とかそういうのではない

やつじゃ。


「せめて、たんじょうびプレゼント

くらい・・・・・・。」


「あなたはロイガーザールさんですね。

ギルドからたんじょうプレゼントです。

とうとう1400歳になられたんですね。

おめでとうございます。」


「ありがとう。」


「プレゼントの内容は好きな願いを1つかなえる

です。

なんなら今言ってくれてもかまいませんよ。」


「わ、わしに若さを・・・・・・

18の頃の若さを、永遠の若さをくれるか?」


「分かりました。」


サワサワサワサワ・・・・・・。


わしに波のようなものが幻ながら襲ってきた。


そして今わしは復活した。

かつて『最強』と言われた時と同じ姿で。


「このがんじょうな体ありあまる体力

そして力。懐かしい。」


久しぶりの若い体、体力、力についはしゃいでしまった。


「まてっあの子をまず治癒しなくては!!」


「治らない!?」


わしのことを心配してくれた子は体の奥まで

刺されていたためか治癒に苦戦している。


「わしが治してやろう。」


「お。おじいさん?いやっ違う。だれ?」


「そうだ!!さっきのボロゾウキンのような

ジジィだ!!そしてその正体はわしじゃ。

信じられないなら信じなくていい

これは俺からの恩だ。」


若返ったわしの姿とジジィのころの姿は

似ても似つかない程のものじゃ。

分からないのも覚悟の上だがギリニンジョウ

だけはさせて欲しかった。


「ほんとうにさっきのおじいさん?

信じられないんだけど私。」


「私は信じます。」


「え?ほんとうに。」


「だって同じにおいがして優しさが

伝わってくるから。」


「ざんねんだが若さを手に入れてしまった

わしに優しさなんてもんは無いよ。」


「ありますよ!!!!私には分かります。

あなたの悪になりきれない心を見れば。」


「わしはとりあえず

元パーティー仲間のリーダーに仕返しが

したい。なぁー悪じゃろ。」


「いやっあなたは

『今後またこのようにして欲しくない』

という学んで欲しいという優しさが

あります。」


全てこの子には分かられてしまうな。

遠回しに言っても分かりずらく言っても。






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