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4.フレンド2人?目。②

「冒険者ギルドは……ここか」


中央広場に面した建物の中で、1番大きくて目立つ建物。


それがシルドラの冒険者ギルドだった。


シルドラはこのグロウワールドにおける始まりの町であり、中央都市だ。


この町にある各種ギルドは全てがそれぞれの『本部』となっている。


そんな中でも、『冒険者ギルド』は冒険をする人ならどんな職業の人でも入れる間口の広いギルドで、実際にほとんどのプレイヤーが入会しているらしい。


そんな場所であれば、建物もそれに応じて大きく立派な物になるのは当然だ。


「何だか緊張するな」


クレオの首を撫でてその温もりで気持ちを落ち着かせながら、足を止めて建物を見上げる。


そうしている間にも他の冒険者が横を通り過ぎて中へ……あれ?さっきまで結構人の出入りが激しかったはずなのに、誰も入って行かないな?


「……っ!?」


何の気なしに後ろを振り返ると、何故か勝手に列が出来ていた。


おかしい。


さっきまでは列なんか作らずに皆どんどんと入って行ってたはずだ。


いつの間にか列の先頭になっていて、交通妨害をしていた俺は慌てて一歩横に除けて道を開ける。


だが……皆こっちの様子を見ているだけで中に入ろうとしない。


何故だ?


困惑していると、列の少し後ろの方でボソボソと囁き合う声が聞こえて来た。


それに耳を澄ませる。


「……おい、今の黒騎士さん除けてくれたんじゃないか?」


「いや、でもあの人の前を通って中に入るのはちょっとな……」


「噂の黒騎士さんとスレイプニルを見られたのは嬉しいけど、どう対応するのが正解かわかんないよ~」



……そうか。


この列は俺のせいなのか。


って、何でだよ!!普通に一般人扱いで前でも横でも通って行ってくれれば良いじゃないか!!


俺、別に威圧してないよ?


クレオだって……まぁ、こいつは見た目が既に威圧状態かもしれないけど、でも本当は優しい奴なんだよ!!


俺は後ろに並んでいる人達にどう対処して良いかわからない。


向こうも俺にどう対応すべきかわからない。


お互い視線は向けているのに、無言の時間が過ぎる。



こ、ここはやっぱり、俺の方が笑顔で「お先にどうぞ」と言うべきか?


気まずさから、なかなか言葉を発する事が出来なかったけれど、大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、なるべく明るく穏やかな声で話そうと口を開く。


「あ、大型の魔獣をお連れですね。ギルド内にはご一緒に入って頂く事は出来ませんので、こちらでお預かりしますぅ」


いざ、コミュニケーション!と第一声を発しようとしたその瞬間、冒険者ギルドの扉脇に立っていたNPCが俺の所に駆け寄ってきて、笑顔で声を掛けてくる。


ちょっとホッとした一方で、残念さも感じる。


折角頑張ろうと思ったのに、毎回毎回、何でこうもタイミングが悪いんだろう?


これはあれか?コミュニケーションが苦手な人の為に、上手く話せなかった時には絶妙なタイミングでNPCがフォローが入ってくれるサポートか何かがあるのか!?


……って、さすがにそんな訳はないか。


「……頼みます」


何だか居た堪れない思いを抱えたまま、クレオの首を更に数回撫でた後、ウサギ耳の可愛い女性のNPCにクレオを預ける。


可愛い容姿をしているが、しっかりと武器を身に付けているあたり、ギルドの警備担当か何かなのだろう。


……あぁ、これがNPCじゃなくてプレイヤーだったらなぁ。


思っても仕方ない事を考えつつ、ウサギ耳のNPCがクレオを連れて行くのを見送る。



「……何だ。黒騎士さん、スレイプニルの預け待ちしてただけか」


「じゃあ、さっきのはやっぱり道を譲ってくれたんだな」


背後では、俺がクレオを預けるのを見て納得した様子のプレイヤー達がホッと息を吐いているのを感じる。


別に悪気はなかったのだが、結果として道を塞いだのは拙かったかもしれない。



「……悪い事をしたな」

「「いえいえ!」」


本当は、「悪い事をしたな」と呟いた後に「すまなかった」と頭を下げて謝るつもりだったのに、それより先に並んでいた人達の方から返事が返ってきてしまい、謝罪の言葉は途中で止まってしまった。


焦ったように首を振っているすぐ後ろに並んでいる男性の姿を見て、これ以上何かを言っても更に気まずくなるだろうと思って、軽く会釈だけしてギルド内に入る。



……これって、明らかに新人プレイヤーの態度じゃないよな?


偉そうだよな?


わかってるし、改めたいのに上手くいかない。


会話ってこんなに難しい物だっただろうか?



冒険者ギルドの中に入ると、チラチラと見られる事はあっても声を掛けられたり、露骨に避けられる事はなかった。


そこで改めて、自分の着ている装備以上にクレオの存在が周囲にプレッシャーを与えていたのだと痛感する。


だからといって、俺の相棒になったクレオを必要以上に遠ざける気にはなれないけれど。



……下手に遠ざけたら、怒り狂ったクレオの方から突撃してきて蹴られそうだしな。



「新規登録は……あっちか」


ギルド内は意外と親切な作りになっていて、所々に看板が吊り下げられていたり、建物内の地図が張り出されていたりして、目的の場所をすぐに見付ける事が出来た。


今回はすぐに目的の受付が見つかったから声を掛けなかったけれど、館内の要所要所に事務職っぽいNPCが立っているから、きっと困ったらNPCに尋ねれば説明してもらえるようにもなっているんだろう。



「ようこそ、冒険者ギルド本部へ」


看板の案内に従い、新規登録者用のカウンターに行くと、笑顔の好青年が出迎えてくれた。


これもNPCだ。


……プレイヤーのギルド職員とかいたら、例え並んでいたとしても迷わずその人の所に行くのに。


「新規登録を頼みたいんですけど」


「畏まりました。登録料は1000Gになりますがよろしいですか?」


「はい」


笑顔のまま淡々と作業を進めていくNPCの青年の指示でアッという間に登録が済む。


ちなみに、初心者冒険者の登録料は比較的安め設定されている。


これはゲームを開始した時に共通で与えられるお金が10000Gしかないからだろう。


俺のように課金すれば、初期投資として使えるお金も増やす事が出来るが、課金なしでプレイしようと思ったら、収入を得るようになるまでは、それなりに節約しながら活動しないといけない。


初期装備は一応与えられるとはいえ、ギルド登録料や空腹状態に陥らない為の食料、それにポーション等もその与えられたお金で買わないといけないのだから当然だ。


この段階で、ギルド登録費用が高ければ、入会出来ず依頼自体を受けれないプレイヤーや、ギルド登録をする為にお金を使ってしまって必要な備品が買えないまま依頼にいかないといけなくなってしまうプレイヤーが続出してしまうだろう。


きっと運営もそういう事はきちんと考えてくれているんだと思う。


「後は依頼と……パーティー募集だな」


受付の青年の説明によると、ギルド内にある依頼ボードに現在依頼中の依頼は全て張り出されれているらしい。


依頼にはランクがA~Fまで存在して、冒険者はどの依頼を受ける事も出来るけれど、自分の力量に見合わない依頼を受けてしまうと、達成する事が出来ず、報酬を貰えないのは当然の事、依頼失敗のペナルティーを科せられてしまう。


依頼失敗のペナルティは依頼ごとに違うらしいが、多いのは奉仕活動をさせられたり、ギルドへの貢献度を下げられたり、お金を支払わされたりするものらしい。


笑顔の好青年が「自分にあったランクの依頼を受ける事をお勧めします」とニッコリ笑った時の目があまりに真剣でちょっと怖かった。


まぁ、俺としては無理をする気は今の所ないし、自分とクレオの戦闘力がどの程度かもまだわからないから、一番下のFランクの依頼から地道に様子を見ながら行っていこうと思う。


「依頼ボードはあれか……」


周囲を見回すと、ギルドの中でも特に人が集まっている一角に依頼ボードはあった。


様々な装備に身を包んだプレイヤー達が真剣にボードを見ているその輪に混ざり、俺も依頼ボードを見始める。


掲示されている依頼には、大きく分けて4種類あった。


1つは冒険の基本、討伐依頼だ。


指定された魔物を討伐する事で達成される。


これは指定された魔物を討伐した段階で依頼達成と見做される為、もしドロップした素材やアイテムがあれば、それは自分の物にする事ができる。


次に採取依頼。


これは植物や鉱物等を指定の個数集めて持ってくれば依頼達成となる。


魔物の素材を集めてくる依頼なんかもあるから、素材が必要な魔物の討伐依頼が出ていれば、一緒に受ければ、一気に2つ依頼を熟せるだろう。


そして、雑用依頼。


ペットの猫を探したり、引っ越しや片付けの手伝いをしたり、内容は様々だけど、街の住人達の依頼した雑事を熟す事で依頼が完了した事になる。


町の中で熟せる依頼も多いから、仲間と待ち合わせをしているその合間のちょっとした小遣い稼ぎかなんかで依頼を受けるのは良いかもしれない。


まぁ、俺には待ち合わせする仲間が妹位しかいないから、やるとしてもちょっとした息抜きの気分転換にという感じになりそうだけど。


最後に護衛依頼。


行商人と一緒に旅をしながらの護衛や、お店の護衛が主な仕事内容だ。


違う町に移動する時なんかに行商人の護衛依頼を受ければ、移動も出来て更にお金も手に入るという、一石二鳥の状態になる。


俺もレベル上げが済んで、次の町に行く時なんかはこいう依頼を受けるのも良いかもしれない。


その他にも、複数のパーティーや冒険者で受ける大型の依頼なんかもあるらしいけれど、そういったのは何かのイベントが絡んでいたりする事も多い為、滅多になく、あっても緊急依頼になる事が多いから、その場に居合わせないとなかなか受けられないようだ。


大勢の人と一緒に1つの依頼を熟す。


実に楽しそうなイベントだが、受けたくてもこればかりは運次第というやつなんだろうな。


俺の運50が上手く働いてくれるといいけど……期待せずに待っていよう。


「よくわからないから、これとこれで良いか」


暫く依頼ボードを眺めて、ビマナの森で行える採取依頼と討伐依頼を1つずつ受ける事にした。


受けた理由は薬草の採取依頼の場所のほとんどがビマナの森だった事。


折角第2職業を薬師にしているのだから、ついでに適当に薬草を積んで薬を作ってみようと思ったんだ。


採取依頼は常時依頼の回復草10本。


討伐依頼も同じく常時依頼になっているフォレストラットの討伐だ。


どちらもFランクの依頼で期限が10日と長めだし、きっと焦らなければ俺にも出来るだろう。


受付の青年に説明してもらった通り、操作画面を開き、依頼選択を画面を選択して、そこに張り出された依頼の所に掲載されている番号を入力。


そのまま依頼受付カウンターに行くと、すぐに担当の年配の女性NPCがそれを受理してくれる。


こういった方法を取る事で、周囲にどの依頼を受けたのか知られずに依頼を受ける事が出来るのだけど……俺をが依頼ボードの前から去った後に、コソコソと「黒騎士さん、どんな依頼を受けたんだろう?」と囁き始めるのは止めて欲しい。


聞いてくれれば、普通にFランクの採取依頼と討伐依頼を受けたって答えるよ?


だから、勝手にAランク依頼受けたんだろうなんて話にしないでくれないかな!?


……気持ち的には戻って訂正したいけれど、自分の噂をしている人達の輪に入る勇気は俺にはない。


いいんだよ?ヘタレと呼んでくれて。


自分でも思う。俺はヘタレだって。


あぁ、いつになったらちゃんとした身の丈にあった認識をしてもらえるようになるのだろうか。


少し暗い気分になりながらも、パーティー募集のボードを見に行く。


何個か募集が掛かっているけれど、内容は募集職種が違うだけでほぼ似たり寄ったり。


初心者が多い町という事もあり、募集してる規定レベルは5~10がほとんどだ。


まだ、冒険者らしい活動を何もしていない俺は、経験値も全く上がっておらずレベル1のままだ。


当然、応募する事は出来ない。


数は少ないけれどレベル規定なしの募集もあった。


でも、そういったものは反対にレベルの高い人が来てくれるのを待っている感じだったり、募集内容が曖昧過ぎて応募しにくいものばかりだった。


恵の言っていた通り、まずは1人でレベル上げをするべきだろう。


本当は、このボードを見ている人の中で気が合いそうな人がいれば、個人的に声を掛けて一緒にレベル上げしないか誘ってみたかったんだけど……気が合うどころか目が合わない。


隣に立っていた槍を持った冒険者なんか年齢も近そうで良いかなって思ったんだけど、ジッと見詰めてもこっちを見てくれない。


目が合ったらそれを切っ掛けに話し掛けようと思っているのに……あっ、目が合わないまま依頼ボードの方に行ってしまった。


……うん。わかってたよ。


偶然目が合わなかったんじゃなくて、わざと避けられていたのは。


俺はそこまで鈍くない。



「……まずはレベル上げだな。5~10の間のレベルになれば、応募できるパーティーもあるし。さっさとレベル上げして戻ってきて、応募しよう」


最後に、冒険者ギルド内のショップを見に行ってみた。


冒険者ギルドのショップは色々な職業の冒険者が集まる事もあり、多種多様な物を売っていた。


ただ、その分凝った物は少ない印象だ。


広く浅くという感じなのだろう。


しかし、どの冒険者も使える『冒険の必需品』のような品物だけは比較的多く置いてある。


俺はその中から、携帯食料と夜営用の料理用具セット、それから一人用テントを購入した。


このゲームの中では一定時間何も食べないと、『空腹』という状態に陥り、ステータスが一気に下がってしまうらしい。


そうならないように、料理や携帯食料という満腹指数を素早く上げる事に特化した食べ物を定期的に食べないといけない。


折角、変わった食材が沢山あるゲームの中なのだから、いろんな料理を買ったり作ったりして食べたいとは思っているけれど、冒険中に料理をしている余裕があるかどうか、食材となるような物を手に入れる事ができるかどうかはまだわからないから、料理用具と携帯食料のどちらも購入しておく事にした。


調味料も欲しいけれど、冒険者ギルドのショップには売っていなかったから、何処か別のお店で基本的な砂糖や塩、胡椒等の調味料は買おうと思う。


一人用テントについては、これを張っている間は周囲に小規模な結界のようなものが出来て、魔物が襲って来なくなり、安全に休憩を取れるという事だったから、旅のお供用に購入した。


ちなみに、あくまで休憩を取る為のアイテムな為、テントの傍にいてもプレイヤー側が攻撃を仕掛けてしまうと魔物も戦闘態勢に入り、襲ってくるようになる。


また、このテントは一人用だから、使用したプレイヤー以外のプレイヤーが近くにいてもそのプレイヤーにテントの効果はもたらされない。


例外として、テイマーのテイムモンスターだけは、主であるプレイヤーの付属品扱いだから、効果があるようだけど。


その他にも、装備なんかも色々な種類の物があって、見ていて楽しかった。


ただ、俺は当分はこの黒騎士もどきの装備を使用する事になるから、買う事はなかった。


冒険者ギルドのショップでの買い物を終えた俺は、外に出て出入り口に待機していたウサギ耳のNPCにクレオを連れてきてもらい、冒険者ギルドを後にする。


次に向かったテイマーギルドでは、入口の脇にテイムモンスター預り所が常設されていて、冒険者ギルドの時よりもスムーズにクレオを預かってもらう事が出来た。


この辺りは、やっぱり専門のギルドと総合的なギルドの違いだろう。


「ようこそ、テイマーギルドへ」


冒険者ギルドより少しこじんまりとしたテイマーギルドでは、中に入るとすぐに狐獣人の少女のNPCが笑顔で出迎えてくれた。


この子はどうやらテイマーギルド唯一の案内係らしく、俺が新規登録がしたいと伝えると、5つある受付の1番左に行くように案内してくれた。


そして、そこにいたフワフワとした癖毛がチャームポイントな癒し系の女性の受付NPCに説明を受けつつ、また1000G払って登録を済ませる。


その後、彼女に紹介されたギルド職員のズパーキーさんという40代位の作業服を着た男性NPCにテイマーギルドの案内兼説明をしてもらった。


「基本的にな、テイマーギルドはテイマーがテイムモンスターを育てる手伝いをする事が目的なんだ」


そう言って案内されるテイマーギルドの中には大勢のテイマーとモンスターがいた。


ズパーキーさんの話によると、テイマーギルドには登録や依頼、買取などを行ってくれる受付のある本館の建物の他に、モンスターの預り場と餌などの飼育に必要な物を売っているショップ、それからモンスターの卵を孵す為の施設があるらしい。


テイマーは、レベルに応じてテイム出来るモンスターの数が決まっている。


レベル1の俺は2匹までテイムが可能だが、その内の1枠は初期テイムモンスターであるクレオで埋まっている為、実際テイム出来るのは1匹という事になる。


これが段々とレベルが上がるにつれて、少しずつテイム出来る数が増えていくんだけど、最終的に連れて歩ける数はMAXで5匹までなのだ。


そうなると、連れて歩いている5匹以外のモンスターはどうなるか。


基本的にはお留守番という事になる。


モンスターを置いておける拠点を持っているテイマーはそこにモンスターをそこに待機させればいいけれど、拠点を持っていないテイマーはそういうわけにはいかない。


モンスター達を待機させておける場所がない為、レベルが上がっても同行できる5匹以上のモンスターがテイム出来なくなってしまうのだ。


そんな時に対応してくれるのが、テイマーギルドの預り場。


一定の金額を払えば、待機モンスターを預かってくれるのだ。


こういったシステムがある事で、テイマーは所持できるモンスター数が5匹を超えても、安心して新しいモンスターをテイムする事が出来る。


しかも、プレイヤーが場所を移動すると、預けたタイムモンスターも自動的にプレイヤーがいる場所に一番近いテイマーギルドに送られる為、何処のテイマーギルドに行っても預けてあるテイムモンスターと会えるし、連れ歩くモンスターを交換する事も出来る。


反対に拠点を持っていてそこに留守番をさせる場合は、拠点に戻らないと会う事が出来ない。


ただ、基本的に拠点には『聖樹の苗木』もしくは『聖樹の鉢植え』というアイテムを設置する事になっており、それを使うと聖樹や世界樹を通じて簡単に行き来が出来る。


もちろん、聖樹の苗木や聖樹の鉢植えは個人登録が出来るアイテムな為、他のプレイヤーが自分の拠点に勝手に行く事は出来ない。


「預り場はモンスター達を遊ばせる広い空間が必要だから、町の外に作られているんだ。だから、ギルドからはこの聖樹を使っていくんだ。この聖樹はギルド職員が一緒じゃないと機能しないから、預けたモンスターに会いたい時や受け取りに来た時には必ず職員に声を掛けてくれ」


ズパーキーさんはそういうと、俺の肩に触れてから聖樹に触った。


一瞬視界が光で真っ白になり、眩しさで目を瞑る。


次に目を開けた時には、大きな建物と柵で囲った牧場のようなものがある場所に移動していた。


「ここが預け場だ。職員に行ってくれさえすれば、ここで預けたモンスター達と遊ぶ事も出来るからな。あ、預けてないモンスターでも使用料を出せばこの場を使って遊ばせてやる事は出来るからな」


確かに、よく見ると柵の中にはモンスターが何匹かいる。


あいにく、今日はテイマーは誰も来ていないようだけれど、来ていればここでモンスター達を一緒に遊ばせながら、テイマー同士交流なんて事も出来るかもしれない。


これはフレンドを増やす為のチャンスになる。


もし、拠点を持つ事になっても、定期的にこの場所にモンスター達を遊びに来させようと頭の中にしっかりとメモをする。


今日は案内だけという事だったから、簡単な使用方法の説明を受けた後はすぐに元のギルド本部へと戻った。


ショップは簡単に場所だけ案内され、最後にモンスターの卵を孵す施設――孵卵場に連れて来られた。


「ここでは、テイマー達が拾ってきた卵を保護して孵してテイム用のモンスターを育てている。基本的にお前達が見付けて拾って来れる卵というのは、親のモンスターが既にいなかったり、育てるのを放棄したりしているものだ。一定時間以上放置すると消滅してしまう。だから見付けて拾ってきて欲しい。そうすれば買取という形でギルドで保護したり、自分で育てたいという事であれば一時的に預かって孵してから返す事も出来るからな」


「売った卵から孵ったモンスターはどうなるんですか?」


「他のテイマーがお金を払って引き取って相棒にしたり、一定の訓練を受けてから多方面で活躍してもらう形になる」


ズパーキーさんの話によると、そういったモンスターがショップでも購入可能なんだそうだ。


ちょっと気になるから、この後にショップに行ったら見て来よう。


でもまぁ、テイム出来る枠は残り1つしかないから、購入はせずに見るだけになるだろうけど。


出来れば、残りの一枠を使って、自分でモンスターをテイムしてみたい。


……とびきり可愛い奴をな。


「それから、ショップで売っている孵卵用抱っこ紐を購入すると自分でも卵を孵す事が出来るが、卵は常に身に付けていないといけないし、繊細だがら衝撃を与えるとすぐに消滅してしまうから注意しろよ。まぁ、無事に孵すのは難しいが、その分生まれてくるモンスターとの絆は強くなるし、モンスター自体も強い個体になったり特殊な能力を持つ可能性は高くなるがな」


要するに、自分で卵を孵すのはハイリスクハイリターンになるという事か。


特に戦闘を行うプレイヤーにとってそのリスクは見過ごせないものだろうな。


「自分で卵を孵すのは面白そうだな。卵を見付けたら、駄目元で挑戦してみるのも悪くないか」


もちろん、友達が出来てパーティーを組んで一緒に戦闘を中心に活動をし始めているようなら、リスクの方が高くなり過ぎるからギルドで孵してもらうつもりだけど、一人だったら孵すまで戦闘を避ける事も可能だ。


念の為抱っこ紐の購入だけしておいて、最終的にどうするかは卵を見付けた段階で改めて決める事にしよう。


「おおまかな説明はこんなもんだ。また困ったらいつでもギルド職員に聞いてくれ」


案内が終わった所で、ズパーキーさんにお礼を言って別れる。


後はショップに行って必要そうな物を買えば良いだけだ。



「一先ず、抱っこ紐は1つは買っておこう。後はクレオの餌か……」


さっきズパーキーさんに案内してもらったショップに再び戻り、売っている物を確認する。


ズパーキーさんの説明通り、テイム用のモンスターも売っていたけれど、始まりの町という事もあるのか、種類が少なく、冒険者ギルドで討伐依頼が出ていたような種ばかりだった。


つまり、この周辺で活動していれば、わざわざ購入しなくてもテイム出来る可能性が高いモンスターばかりという事。


わざわざお金を掛けて、ここで買う必要はないだろう。


「クレオは馬だから……やっぱり基本は干し草か?」


ショップの隅に積んである干し草の袋に視線を向ける。


どうやら干し草にもランクがあるらしい。


『低品質干し草』という名前の物から『最上級干し草』という名前の物までいくつかの種類が並んでいた。


「金額も品質によって全然違うんだな」


一先ず安い物で良いかと思って手を伸ばした瞬間、背筋にゾクリッとしたものが走った。




……待て。これは罠だ。


俺の中で警鐘がなる。


相手はあのクレオだ。


ここで、お金を出し渋って安い物でも買っていってみろ。


絶対に蹴り飛ばされる。


頭にカッカッと足を鳴らし、不満をアピールするクレオの姿が過ぎる。


「こ、ここは最上級干し草1つと高級干し草3つにしておこう。後は……恵がくれた人参は美味しそうに食べてたからそれだな」


最高級干し草は1つ8000G、高級干し草は3000G、人参は500Gだ。


高くて滅多に買えない最高級干し草はクレオの機嫌を取る事が必要な時用にとっておいて、後は高級干し草と人参で凌ごう。


まぁ、森に行けば草もたくさん生えているはずだから、これでも食料が足りなくなるという事はないと思う。


……後はクレオの機嫌次第だ。


「孵卵用抱っこ紐は……ああ、これか。結構するんだな」


孵卵用抱っこ紐も色々と種類があり、それによって金額も違うが全体的にお値段高めだ。


「ただの布で出来た抱っこ紐が10000Gで、丈夫な布で出来たのが13000G。衝撃吸収布で出来たのが20000Gか。これで消耗品だっていうんだから痛い出費だよな」


と言いつつ、衝撃吸収布で出来た孵卵用抱っこ紐を購入する。


本当はこの更に上にミスリル布で出来たものとか、防御魔方陣付きとか色々とかもあるんだけど、そっちはあまりに高過ぎて手が出ない。


というか、買ったら他の物のが何も買えなくなる。


初期投資は大事だと思って少し多めに課金したはずなのに、もう既に結構な金額を使ってしまっているのだから、ここからは少し財布の紐を締めていかないといけない。


また、依頼を熟したり、魔物の素材を売ったり色々していけばお金だって入ってくるんだから、それまでは節約しないとな。


他にも色々と気になる物もあったが、敢えて見ないようにして俺はクレオと共にテイマーギルドを後にした。



最後にやって来たのは薬師ギルドだ。


薬師ギルドは中央広場から少し離れた場所にあった。


行く途中に調味料や食材のお店を発見したので、一先ずそこで砂糖と塩、胡椒、油、醤油、味噌を購入した。


本当は恵の所にあったような香辛料の類も買っておきたかったんだけど、そちらは結構値段も高めだったから、今回は我慢する事にした。


もし、採取できそうな物があったら採取して手に入れたいし、そうでなくても、お金が溜まったら買おうと思う。


「……ようこそ、薬師ギルドへ」


入口にいる警備員にクレオを預け、蔦の絡まる趣のある建物の中に入るとすぐにローブを纏ったエルフの男性NPCに声を掛けられた。


用件を伝えるとすぐに入会用の受付へと案内される。


冒険者ギルドでもテイマーギルドでも浮いていた俺だけど、薬師ギルドはそれ以上に浮いていた。



……だって、ほとんどの人が魔法使いっぽい感じの格好してるんだよ。


黒騎士なんて呼ばれる位、しっかりと鎧を着こんでいる俺が浮かないわけがない。


場違いもいい所という感じだ。


後ろからも、そんな俺の格好に違和感を感じる人達の囁きが……



「え!?黒騎士さん?何で薬師ギルドに!?」


「ほら、きっと個人プレイする為に薬も自分で作る気なんだよ」


「でも、さっき友達から黒騎士さんがテイマーギルドに出たっていう連絡がきたよ?」


「……という事はもしかして?」


ん?あれ?俺がテイマーギルドに行ってたの、広まっているの?


ただの一般プレイヤーの動向が広まるの早過ぎじゃないか?


ああ、クレオを連れてるせいで目立つからか。



って、ちょっと待て。


という事は、俺が冒険者ギルド、テイマーギルド、薬師ギルドに来ているという情報を持っている人がいる可能性があるという事か?


そうだとすれば、第1職業と第2職業が何かも必然的にバレるという事で……。


遂に『黒騎士』っていう誤解が解ける!?



俺の薬師ギルド来訪に驚くプレイヤー達の話に耳を大きくして神経を研ぎ澄ませる。


あ、狼獣人だから元々耳は大きかったし、良く聞こえる仕様になってたわ、俺。



「……という事はもしかして、黒騎士さん、まさか第3職業解放してる!?」


してねぇよ!!


俺は今日ゲーム始めたばかりで、そこからずっとテイマーと薬師の職業しか持ってないから!!


思わず心の中でツッコミを入れてつつ、パッと話をしている人達の方を見てしまう。


俺の事を見て話していたそのプレイヤー達は慌てた様子で、軽く頭を下げてそそくさとその場を去って行ったけれど……去り際にチラチラと俺の方を振り返るその視線が妙にキラキラと輝いていた。


頼むから……頼むから、俺に過大な期待を向けないでくれ。


もう、俺をただのショボいゲーム初心者プレイヤーだと思ってくれるのなら、土下座でも五体投地でもなんでもするから!!



「……お互い苦労しますね」


しょんぼりと俯いていると、正面から声が掛かる。


俺の事を案内していたエルフの男性職員だ。


エルフという事もあり、パッと見た感じは美中年という感じなのだが、よく見ると薄っすらと目の下に隈が浮かんでいて、顔色もあまり良くない。


何処か草臥れた様子のあるNPCだ。


「貴方もご苦労を?」


「えぇ、薬師ギルドに登録している方々は、結構変わった方が多いので、いつも色々とやらかしてくれるんですよ。……爆発起こしたり、勝手に人に変な薬飲ませて困って連れてきたりね。特にギルドマスターが酷くて。先日も王宮の壁が特殊加工してあって滅多に壊れない仕様になっていると聞いて、面白がって特殊な溶解液作ってぶっ掛けて溶かしてしまって、王宮からクレームが来たばかりです。その前も……。一体、誰がクレーム処理をしていると思っているのやら……うぅ……あぁ、胃が痛い……」


ローブの上から胃を抑える男性職員。


聞いただけでも、相当ストレスを溜めていそうだ。


「だ、大丈夫ですか?」


「えぇ、いつもの事です。ただ、最近胃薬を飲み過ぎて耐性が出来てしまったのかあまり効かなくて……」


……胃薬って飲み過ぎると耐性出来るのか?


というか、耐性が出来る程胃薬を飲まないといけない職場ってブラック過ぎるのでは?


「ご愁傷様です。あまり無理はなさらないで下さいね」


「有難うございます。あ、申し遅れましたが、私は当薬師ギルドの副ギルドマスターをしておりますクロウ・エンニースと申します」


「え!?副ギルドマスター!?」


それって、確かギルドで2番目に偉い人のはずじゃ?


何で、こんな所で案内人なんかしてるんだ?


「いえ、普段は私もギルドマスターの尻ぬぐい……事務仕事をメインにしているのですが、今日は案内担当の職員が『遂に家で育てていた可愛い可愛い毒草のドラートちゃんが花を咲かせそうなので休みます!』とか言って仕事を急にさぼったせいで、その穴埋めに駆り出されまして……」


「……本当にお疲れ様です」


俺の表情から何を疑問に感じているのかを察したらしいクロウさんが、何があったかを説明してくれた。


「ハハハ……」と力なく笑う彼の目が遠くの彼方に行ってしまっている事に胸が痛む。


……俺も部下に似たような事をされて2日間徹夜するはめになった事があるから、その気持ちは痛い程わかるのだ。


ゲームが良い所だから、仕事休みますって何だよ!


せめて、表面上だけでもそれっぽい言い訳しろよ!!


まぁ、その時も結局強くは言えず、事務的に淡々と説教をして終えるはめになったんだけど。



「大丈夫だとは思いますが、貴方もなるべく問題は起こさないで下さいね」


「はい、わかりました」


受付まで案内してもらった後、彼は忙しそうに元の位置に戻り、人が来るまでの間、そこで何やら書類のチェックの仕事をし始めた。


それでも、人が来ると仕事をサッと片付けてきちんと接客する辺り、偉いなと思う。


その後、俺は俺達の会話が聞こえていたらしい受付のエルフの女性に「私も手が空いたら副ギルマスの手伝いをしますので」と苦笑されながらも、入会の手続きをしてもらった。


ここでの手続きも他のギルドとほとんど変わらない。


後は、ギルドの中を適当に見て行くだけだ。



「内容的には冒険者ギルドに近い感じか……」


依頼ボードには薬草の採取や薬の納入の依頼書が張り出され、パーティー募集のボードの代わりには研究の仲間を集うボードが設置されている。


研究の仲間というのは、何か作りたい薬がある時に一緒に実験したり材料採取に行ったりする仲間の事らしい。


こちらのボードは冒険者のパーティー募集のボード程、募集の記事が張り出されていない。


ギルドの会員数の違いの問題もあるんだろうけれど、単純に薬師は単独で研究をする事を好む傾向があるという事もあるんだろう。


その分、依頼ボードにプレイヤー個人からの薬草買取希望の依頼がたくさん張り出されている。


「薬師ギルドでは自分の作った薬を売る事が出来たり、オリジナルレシピの薬の買取が常時依頼になってたりするから、薬の開発とかが楽しいんだろうな」


薬師ギルドでは、依頼を受けて作った薬を納品するだけでなく、自分で作った薬をショップに置いてもらい売る事も出来るらしい。


個人商店のショップ間借り版みたい感じだ。


ただ、置いてもらえる日数には限りがある為、期間内に売れないと売れ残りとして返品されてしまう。


如何に売れる品を作るかが薬師にとっての大きなモチベーションになる為、皆オリジナルレシピの売れそうな薬を作ろうと研究に力を入れるのだ。


「そういえば、俺もオリジナルレシピの薬?を作ったっけ」


アイテムボックスに入っている回復カレー粉。


あれは俺のオリジナルレシピだし、匂いを気にしなければ効果も十分使える物だろう。


しかも、料理にも使えるし、売ればそれなりに良いお金になるかもしれないが……


「ひとまず、もう少しオリジナルレシピを溜めてから売りに来よう」


折角だから、お金を溜めて香辛料を買い込み、もう少し凝ったカレー粉も作ってみたい。


味にバリエーションが出来たり、より美味しい物が出来れは、きっと恵も喜ぶだろう。



「そうなると、まず手に入れないといけないのは調薬用の器材か。後お金は欲しいから、ここでも採取依頼と薬の納品依頼は受けて行こう」


ここでも依頼はA~Fまでランク別に分けられている。


俺は依頼ボードを見て、ビマナの森で可能なFランクの依頼である、回復草の採取10本、魔力草の採取10本の依頼と、初級回復薬5本、初級魔力回復薬5本の納入依頼を受ける事にした。


調薬は回復カレー粉を抜かせば初めてになるけれど、初級回復薬も初級魔力回復薬も基本レシピとなっていて、それぞれ回復草と魔力草をすり潰して水を入れて煮れば出来るらしい。


作業工程自体は簡単だし、達成期限も長めだから、きっと問題なくクリア出来ると思う。


後はどれだけ俺が頑張るかだ。


依頼を受けてから、ショップに向かう。


色々と調合用の道具が売っているが、俺には何が良いのか全く分からない。


「まずは基本的な調合からだし、適当で良いか」


今後、調合を何度もしていく内に必要な物があれば買えば良いし、一先ず調合基本セットBというのを購入する事にした。


何故、Bを選んだかというと、AとCの中間の内容だったからだ。それ以外の理由はない。


それでも50000Gもするのだから、ゲームと言うのは金のかかる物だな。


その他に、一応自分で作るつもりだとはいえ、出来るまでの間の保険として、初級回復薬5本と初級魔力回復薬5本を購入した。


こちらは初級と言う事もあり、1本300Gで買う事が出来た。


ちなみに、余談だが冒険者ギルドでも同じ物が売っていたが、あっちは1本500Gだった。


余程急いでいる時以外は、薬関係は自分で調合するかこっちで買った方が良さそうだ。



「クレオお待たせ」


「ヒヒンッ!」


登録と買い物を済ませてギルドを出ると、警備員と一緒にクレオが待っていてくれた。


どうやら、薬師ギルドの大型テイムモンスターを預かる場所は入口のすぐ脇のスペースらしく、そこで警備員の人と一緒に待っていてくれたようだ。


人目にもつく所だから、チラチラと見てくる人もいるけれど、それはもう今更だ。


「待たせてばかりで悪かったな。それじゃあ、冒険に出掛けるとするか」


クレオの首を撫でて、ビマナの森のある東の門に向かう。


……否。向かおうとした。


「どうしたんだ?クレオ」


歩き出す俺のマントを軽く噛んで引っ張り、立ち止まるクレオ。


その行動に首を傾げてクレオの顔を見ると、クレオは空を見つめていた。


それに合わせて俺も空を見ると……既に薄暗くなっている。


ステータス画面を呼び出し、今のゲーム内時間を見ると既に17時半になる所だった。


これから行くと、初っ端から夜の冒険になってしまう。


それに、ゲーム内に長時間居続けて体調を崩したりしてしまう人がいないようにと、セカリアに設けられているゲーム滞在時間制限に後10分位で到達してしまうところだった。


一度、制限に引っかかってしまうと、少なくとも現実時間の3時間はプレイが出来なくなる。


一回ログアウトして1時間ほど開けて戻ってくと、滞在時間はリセットされるから、どのみちそろそろ一度ログアウトした方が良さそうだ。


「確か、テイマーギルドの傍に、大型テイムモンスター連れで泊まれる宿があったな。あそこに行くか」


本当は、折角準備が整ったのだから、依頼を熟しに行きたいけれど、こればかりは仕方ない。


「教えてくれて有難うな、クレオ」


「ヒンッ」


まるで「感謝しなさいよ」とでも言うように首を逸らせるクレオに苦笑しながら、俺は急ぎ足で宿へと向かい、初めてのログインを終える事にした。


えっと……まだ③に続きます。

私の予想大幅オーバーのボリュームになりました。すみません。

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