図書室の主の案内
図書室の主こと上野美香に案内され、僕は図書室に入った。
「ここが……図書室。すご…い?」
「ああ……」
すごいなんてもんじゃない。
もう図書室の規模じゃないだろ。
見渡す限りに広がる本棚。
その本棚はどれも本が詰め込まれている。
「君、名前……は?」
「吉川慎二です」
「吉川、慎二?もし、かして……?」
そう言って首を傾げる図書室の主。
知ってるのか?
「やっぱり……なんでも、ない」
なんだったんだろう。
まあいっか。
「とりあえず、図書室……案内…する」
「あ、ああ、よろしくお願いします」
この図書室どれくらい広いんだろう。
「タメ口、で…いい」
「わかった。じゃあよろしく」
そういえば、美香って高校生なのか?
だとしたらかなり幼く見えるな。
「私、は……二年生、だよ?」
心を読んだように美香が言った。
「え!?もしかして先輩?」
「うん、一応…」
マジか……
めっちゃ幼く見えるな。
◆◇◆◇
図書室の最奥。
地下へと続く階段。
地下には美香専用の部屋があるらしい。
「ついた、よ?」
階段を下りた先に広がっていたのは、本棚がぎっしり詰め込まれた部屋だった。
「すげぇ…」
難しそうな本がいっぱい。
すごいな。
さすが図書室の主といったところか。
「ちょっと、待って…て」
そう言って、図書室の主は部屋の奥に向かった。